腕と体が同調する“わきにスポンジ”ドリル
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーター野村タケオです。今年も女子ツアーはいろいろな選手が活躍していて熱い戦いになっていますよね。そんななか天本ハルカプロが「パナソニックオープンレディース」で初優勝を遂げ、黄金世代で15人目の優勝者となりました。週刊ゴルフダイジェスト8/13号に「天本ハルカ 私を育てたゴルフの大事」という記事があり、天本プロが取り組んできたことなどが紹介されています。そのなかに、天本プロが後輩たちに伝えたい定番ドリルというのが紹介されていたので、僕もやってみることにしました。
ジュニア時代の天本プロに基礎を叩き込んだのが近藤元治コーチ。その近藤先生が考案したという、“チーム近藤”の定番ドリルというのが、腕と体が同調するという“わきにスポンジ”ドリル。これ、とても原始的なドリルで、グローブやヘッドカバーを両わきに挟んでスウィングするというのと一緒。でもあれって、フォローでグローブが地面に落ちたりすると、いちいち面倒なんですよね。しかし、このスポンジドリルは、2つのスポンジをひもで結んで、そのひもを首にかけて行うので、地面に落ちることがないんです。簡単に自作できるし、これはなかなか良さそうです。
さっそくスポンジを買ってきて、ひもで結んでみました。そしてひもの部分を首にかけ、スポンジを両わきに挟みます。そのままハーフスウィングでスポンジを落とさないようにボールを打ちます。とてもシンプルなドリルですが、腕と体の同調にとてもいいドリルだということです。天本プロはジュニア時代からこのドリルを行っていて、今でもよくやっているそうです。
やってみると、たしかに手だけでボールを打つような動きになると上手く打てないし、スポンジが落ちそうになってしまいます。しっかりと腕と体を同調させて、体の回転で球をとらえるような意識でスウィングするのがポイント。でも、これ意外と難しいです。最初はトップのような薄い当たりが出たり、シャンク気味の球が出たり。いかに普段は腕と体が同調していないかってことがわかります。ある程度の球数を打つと、やっと慣れてきて、だんだんと体の回転で打てるようになってきます。そうすると、当たりも厚くなってきて、少し低くて強い球が打てるようになってきました。腕がつねに体の正面にあるような感覚で打つと、上手く打てると思います。
これはいつもの練習の時の最初にやったり、ラウンド前にもやったりすると効果がありそうです。必要なものはスポンジ2つとひもだけなので簡単に作れるし、キャディバッグに入れておいても邪魔にならないですね。これはオススメです。
上半身と腕の使い方が覚えられる“椅子打ち”ドリル
そしてもうひとつの定番ドリル“椅子打ち”というのが紹介されていたので、それもやってみることにしました。これは椅子に座ったままでボールを打つというもの。椅子に座っていると下半身の動きが制限されるので、上半身と腕の使い方が覚えられるというもの。さっきのわきに物を挟んでボールを打つというのは、いままでもちょこっとやったことがありましたが、椅子に座ってボールを打つのは初めての経験です。
天本プロがやっている写真を見てみると、かなり足を広げた状態で座っているので、僕も同じようにしてみます。この状態でティーアップしたボールをドライバーで打ってみました。
下半身の動きが制限されるといっても、股関節に少し体重が乗る感覚はあります。でも僕は股関節がかなり硬いので、けっこうつらいですね。スウィングは基本的には上半身で行うのですが、手だけで振るのではなく、これも上体と腕の同調が必要です。手だけで振っても上手く打てないし、強い球は打てないので、上体をしっかりと捻って振らないとダメだと思いました。ただ、しっかりと腕も振っていく意識がないとボールを上手くつかまえることができません。上体をしっかりと回転させると同時に、腕も振っていくことが必要ですね。普段のスウィングではここまで腕を振るという意識がなかったので、これは参考になります。
ただ、このドリルもけっこう難しいです。最初はなかなか上手くボールを打つことができません。いきなりかなり手前をダフったりしたし。ヘッドをターンさせてくくらいの意識で腕を振っていかないと、上手く打てないと思いました。あと、やっぱ股関節が硬いので少し痛いです。
このドリルをやってから普通にボールを打つと、しっかりと腕を振ってボールをつかまえるという感覚が少しわかるようになりました。この練習を続けていれば、飛距離も伸びそうな気がします。
今回、天本プロがやっている基本的なドリルを2つ試しましたが、どちらもシンプルながら効果があると思いました。ぜひみなさんも試してみてください。