ドライバーは一度ハイロフトを試したい
クラブフィッター小倉です。今回は、ロフトについて考えてみたいと思います。まずはドライバーからです。ひと昔前のドライバーのロフト設定は、9度と10.5度が一般的でした。それが少しずつですが変化してきています。
過去にも10.5度以上のロフト設定はちょこちょこありましたが、軽量モデルなどに限定されていたり、あったとしてもHL(ハイローンチ)といった数値を書かずに設定されていたりとちょっと隅に追いやられていた感がありました。
理由は、少しハードなものを使っているほうが『よい』とされていた風潮があったからだ、と思います。表記されているロフトよりも実際のロフトのほう多くついていてそれを計測した「リアルロフト」という言葉もあったぐらいです。そんな時代の流れが変わったのが弾道調整機能、いわゆるカチャカチャが登場してから。弾道調整を行うのに、基準となるロフトが表記と違うと色々と問題が起きてしまうため、ほとんどのクラブは表記と実ロフトがほぼ同様になりました。
ちょっと話が脱線しました。現在では昔と比べてロフトの多い設定が増えてきました。弾道調整機能が誕生したことで表記よりも多くロフトを付けられることに加え、基準ロフトに11度以上を設定したモデルが増えてきています。ひと昔前のクラブよりもヘッド性能やボール性能によって余計なスピン性能が抑えられるようになってきたため、より打ち出し角を高くしたほうが飛距離につながりやすくなったのがその理由です。
特にヘッドスピードが低めのゴルファーは、ちょっと上がりすぎたかなぐらいの弾道がより安定して飛ばせるようになってきています。弾道調整機能付きのドライバーをお持ちなら、いったんハイロフトの設定を試してみましょう。いつもより安定して飛ばせるかもしれません。
アイアンは、同じ番手でもモデルによって10度近くも違う、”多様なロフト時代"です。自分が何番で何ヤード飛ばしたいと番手ごとの飛距離にこだわるもよし。弾道の質を考えて、自身のヘッドスピードに合わせたロフト構成のモデルを選ぶもよし。自身の考えに合わせて選ぶことができるようになりました。
物理的な部分として、ロフトが多いほどスピン性能が高めやすくなります。最近のアイアンは、ロフトが少なくても構造で球の高さを確保できるようになっていますが、グリーンで止めるためのスピン量やコントロール性能は、ロフトが多めの設定になっているモデルのほうが高いです。番手ごとの飛距離にこだわり過ぎると高さによって多少は補われているとはいえ、グリーンを狙うという性能が損なわれていきます。スコアを最優先するのであれば、そこのバランスを考えることが重要ですね。一般的な男性でいえば、7番アイアンで30度あたりが飛距離と狙う性能のバランスが取れている設定だと思います。今ではUTも進化しており、ロングアイアンをカバーする番手もたくさん出てきています。無理にアイアンの飛距離にこだわらず、そういったクラブを活用するのもひとつの方法です。
いつもお話ししていますが、それぞれが好きなクラブを使ってゴルフを楽しめればそれが一番だと思っています。そこに結果がついてくれば、なおハッピーだと思いますので、ぜひ最新のクラブの特性を理解して、結果にもつながるベストなセッティングを見つけてほしいですね!