「大里桃子って選手もいるんだよ」って思ってもらえれば嬉しい
初日は2アンダー(10位タイ)と上々な滑り出しを見せたが、2日目が4オーバー、3日目が5オーバーとスコアを落としトータル7オーバーの79位Tから最終日をスタートした大里桃子。
早速、1番から約12mの長いバーディパットを沈め勢いに乗る。そこから6番、9番とバーディを奪い、前半を3アンダー、トータル4オーバーとして折り返す。後半に入ってもその勢いは止まらない。10番、14番でバーディ。中盤で訪れる長いパーパットも見事に沈め、終わってみれば、5バーディノーボギーの最高のラウンドで聖地セントアンドリュース・オールドコースでの戦いを終えた。
ホールアウト後には観客からの大きな拍手と声援を浴び、それに応えて大きく手を振り返した大里。そのときの心情を聞いてみると「英語のアナウンスで紹介してくれているんだなと思って手を振りました。実際英語で何を言っているのかは分からなかったんですけど(笑)。こっちのファンの方に大里桃子という選手もいるんだよって覚えてもらえればいいなって思います」と笑顔で語った。
ゴルフ脳を“フル活用”した4日間
「日本では経験しない“爆風”のなか、4日間回ったのでゴルフ脳をたくさん使ったのがいい経験になりました。特に距離の対しての番手選びというよりも風に対する番手選び、そして風に影響されないようにするためにはどんなボールを打ったらいいのかなど、脳をフル活用しました」と語る大里。日本ではセントアンドリュース並みの風が吹くコースはほとんどないが、最終日に4日間続いた“暴風”を攻略してノーボギー、5アンダーで回ったことは大里の大きな自信になるはず。
急遽、世界ランク上位の権利で出場した川﨑春花も4日間回れたことが勉強になったという。「現地のキャディさんにお願いしたのですが、攻め方。特にホールを広く使うことを学びました。今まではフェアウェイの幅しか考えていなかったのですが、ラフも使って攻めて行ったほうが“幅”が広がり、格段にゴルフが楽になる。もちろん打ってはいけないラフもありますが、どこのラフは使えるのかなど、日本でもしっかりと考えていきたいと思いました」
大里、川﨑ともにセントアンドリュースでの経験は大きな財産となる。この経験を生かし“一皮むけた”2人を日本で見られること間違いなしだ。
なお、日本人最上位はこの日「69」で回った岩井明愛と、4日間上位でラウンドした西郷真央で7位タイ(2アンダー)だった。