アプローチと言えばオープンスタンスで打つイメージがあるが、横田英治プロによればクローズスタンスでのアプローチも覚えておきたいとのこと。オープンスタンスのときと球はどう変わるのか、どう使い分けるのか、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

ボール位置とスタンスが変われば飛び方も変わる

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。スコアを作るために重要なのはやはりグリーン周りです。グリーンオンしなかったときに、いかにアプローチで寄せるかってのが大事になってきます。そうなると、アプローチのバリエーションというのはいくつあってもいいんですよね。週刊ゴルフダイジェスト9/3号に「クローズスタンスのアプローチを覚えよう」という記事がありました。アプローチといえば「オープンスタンス」のイメージがあるのですが、クローズにするとどういう効果があるのでしょうか? 気になったのでやってみました!

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2024/9/3号で特集されていた、クローズスタンスのアプローチを実践!

週刊ゴルフダイジェスト2024/9/3号で特集されていた、クローズスタンスのアプローチを実践!

この記事で解説をしてくれている横田英治プロによると、クローズスタンスを覚えればアプローチの幅が広がるということです。横田プロのレッスンではオープンスタンスだけでなく、必ずクローズスタンスのアプローチも練習させるそうです。

アプローチというのは普通のショットと違ってシチュエーション(打つ状況)によっていろんな球を打たなければなりません。ピンが近ければフワッと上がって止まる球、ピンが遠いならランが必要など、状況によって求められる球が違うんですね。なので、ノーマルな打ち方(ピッチ&ラン)だけでなく、アプローチのバリエーションが必要なわけです。

アプローチが苦手なアマチュアは単純に練習量が少ないということもありますが、そもそも理屈がわかってないということが多いと横田プロは言っています。まずその理屈を知るために、横田プロが注目するのはスタンスの向きとボール位置。このボール位置でこう構えると、どういう球が出るのか? ということを知ることで、さまざまな状況に対応できるアプローチの引き出しになっていくということなんです。

その理屈を体験するために横田プロがすすめる打ち方があります。ターゲットにスクエアに構えて、右つま先前と左つま先前に置いたボールをそれぞれ打ちます。スタンスは同じでボール位置だけを変えて打つということですね。こうすると、右に置いた球はフェースがやや開いて当たるために、右に低く打ち出されます。左に置いた球はフェースがやや閉じて当たるので、左へ高く打ち出されるんです。この体験でスタンスの向きとボール位置で、出球がどうなるかを理解できるようになるということなんです。

画像: 右つま先前に置いた球はフェースがやや開いて当たるので、右に低く打ち出されます

右つま先前に置いた球はフェースがやや開いて当たるので、右に低く打ち出されます

やってみましたが、たしかに右つま先前の球は少し右にボールが打ち出されるし、左つま先前の球は少し左に行きます。これにスタンスの向きや、フェースの開き具合ということを組み合わせれば、いろんな状況に対応できそうですね。

画像: 左つま先前に置いた球はフェースがやや閉じて当たるために、左に高く打ち出されます

左つま先前に置いた球はフェースがやや閉じて当たるために、左に高く打ち出されます

このことを踏まえて考えると、最下点より右にあるボールは右に飛ぶわけですから、ターゲットに飛ばすためにはスタンスをオープンにする必要があるんですね。ということは、左にあるボールをターゲットに飛ばすためにはスタンスをクローズにする必要があります。では、この2種類の打ち方でどんな球が出るのでしょうか?

画像: (左)最下点より右のボールはオープンスタンス。(右)最下点より左のボールはクローズスタンス

(左)最下点より右のボールはオープンスタンス。(右)最下点より左のボールはクローズスタンス

まずボールを右寄りに置きオープンスタンスで打つアプローチですが、これは僕たちがよくやるノーマルなアプローチですね。この打ち方だと、出球は低くて強くなり、スピンが多めにかかります。ハンドファーストで当たるために前に飛ぶ力は強く、トップのミスが出づらい打ち方と言えます。ピンが少し遠いときや、花道、深いラフからのアプローチに適しているということです。

そしてボールを左に置きクローズスタンスで打つアプローチは出球が高めで弱い球になるということ。スピンは少なめで、ボールは上がりますが距離は出にくい。ダフリのミスも出にくくなります。この打ち方はピンが近いときや、バンカー越え、砲台グリーンなどでのアプローチに向いているそうです。

実際に試してみると……

両方とも試してみました。まずはオープンスタンスですが、これはいつもやっている打ち方なので、全く違和感もなく普通に打てます。僕のイメージとしてはピッチ&ランですね。同じ打ち方でロフトが立ったクラブに変えればランニングアプローチもできます。

画像: ボールを右に置いてオープンスタンスで打つアプローチ。球が少し強く、低めの球が飛びました

ボールを右に置いてオープンスタンスで打つアプローチ。球が少し強く、低めの球が飛びました

そしてクローズスタンスですが、これは今までやったことがなかったので、少し違和感がありますが、やってみると、ふところが広いからか意外に振りやすい。ボールもポコっと上がってくれて、ハーフロブのようなショットが打てます。あきらかにオープンのときよりも打ち出しが弱い感じがします。

最初の数球こそ少し違和感があったものの、慣れるとすごく打ちやすいです。バウンスが滑ってくれる感覚もあるので、ダフリのミスにもなりにくい。

画像: ボールを左に置いてクローズスタンスで打つアプローチ。出球が弱く、ボールは上がります

ボールを左に置いてクローズスタンスで打つアプローチ。出球が弱く、ボールは上がります

僕は今まで、フワッと上げるのならボール位置こそ左にしますが、フェースを開いて、その分さらにスタンスもオープンにしていました。ボールを上げるためにクローズというイメージは全くなかったので、この結果には少し驚きました。なんとなくクローズスタンスって低い球を打つイメージがあったので。

今回スタンスとボール位置の関係を知り、クローズスタンスのアプローチをやってみましたが、自分がいままでやってこなかったアプローチだったので、引き出しが増えて良かったな~と思いました。しかもシンプルな打ち方なので、すぐにできるし、ミスにもなりにくい。これはみなさんにもぜひやってみてほしいです。横田プロによると、クローズスタンスはバンカーショットにも効果絶大だそうなので、今度せひコースで試してみようと思います。また、この原理を普通のショットにも応用できそうなので、これも試してみようと思っています。

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