ラウンド後インタビューを受けた岩井は開口一番「やっと終わりました」とホッとしたような表情を浮かべた。
寒さと強風、雨などこれまで経験したことがないようなあらゆる困難を乗り越え「(最終日は)風もきつくて一番タフな一日でした」。そういいながら好スコアをマークし「ピンチもありましたけどアプローチでなんとか寄せてパーを拾えて3アンダーで回れたのかな、と思います」と笑顔。
前半3連続バーディを奪ってスコアを伸ばしたが8番、9番でボギー。だがそこは10番のバーディでしっかりバウンスバック。16番でこの日5つ目のバーディを決めるとガッツポーズし「16番のバーディパットが今日一番うれしかったです」。
最終18番では「セカンドショットをもう少し寄せたかった」とバーディならず。パーで終わり「ちょっと悔しかったかな、と思いました」。
舞台となったゴルフ発祥の地セントアンドリュースへの思い入れは若いこともありさほどなかったようだが「忍耐力の大切さ」を再認識。ここでの経験を活かし(日本での)残りの試合で優勝できるように頑張ります」と前を向いた。
日本勢は他に米ツアーのルーキー・オブ・ザ・イヤー大本命の西郷真央が初日から安定したプレーで岩井と並ぶ7位タイに入っている。
パリ五輪での金メダルに続き逆転でメジャー優勝を果たしたコーは「(金メダルとゴルフ殿堂入りした)パリ五輪で信じられないようなことが起きて、もうこれ以上ないだろうと思っていたら、聖地セントアンドリュースでトロフィーを掲げているなんて、まるでおとぎ話みたいです」と感激の涙。
16年にメジャー2勝目をANAインスピレーション(現シェブロン選手権)で挙げたとき彼女はまだ10代だった。
「(18番脇の池)ポピーズポンドに(恒例だった勝者のダイブ)水が入らないよう鼻をつまんで飛び込んだのがずいぶん昔のことにように思えます」
当時はこの少女がこれから何度メジャーに勝つのだろう? と期待されたが優勝は遠く8年かけてようやく3勝目にたどり着いた。
「毎年5つのメジャーにピークを合わせようとしてきました。でもそれはとても難しい。どうやってタイミングを図ればいいのでしょう? その答えは“待つだけ”」
長い間待ち続けようやく決めたメジャー3勝目。しかも聖地での優勝は格別だ。
姉が最終日の夜はタイ料理の店を予約してくれていたが表彰式などで遅くなり「開いているかわかりません。多分毎晩そうだったように、ホテルでハンバーガーを食べる可能性が高いです」。そういうと全英女子チャンピオンは晴れやかに笑った。