ジュニア時代は「自分が使いやすいクラブ」を選んでいたというが、ある人との出会いがあり、「セッティングががらりと変わりました」と話す。
ある人とはアスリート・コンサルタントで鴻江スポーツアカデミーを主宰する鴻江寿治さん。「お会いしたのはプロテスト合格(2021年)の前の年です。それまで使っていたクラブを見て、鴻江先生に『かなりハードなものを使っているね』と言われました」
「一般的なスペックだったので、最初は言われた意味がわからなかったのですが、話していくうちに『とりあえずやってみよう。変わるから』と。それまでプロテストがずっとダメの繰り返しだったのでチャレンジしてみようと思えたんです」。そこで試したのが、かなり軽いクラブ。
「先生からは『道具を軽くしましょう』と。『え、軽く?』と驚いたのを覚えています。その頃、アイアンはスチールシャフトの90(グラム台)を使っていましたが、いざ手渡されたクラブは、先生が持っていた10年以上前のミズノのTゾイド(笑)。『顔も合うんじゃないか』って。それが何グラムだったか覚えていませんが、相当軽いカーボンシャフトのアイアンでした」
「先生は『最終的に65(グラム)くらいのカーボンがいいけど、最初は85や75から始めて、段階的に軽くしていこう』って。カーボンは飛び方がマチマチなんじゃないかなって不安もありましたが、『体への負担がないよ』とも言われて、アイアンだけでなく、全体のセッティングもちょっとずつ軽くしていこうとなりました。コロナ禍でプロテストの日程が流れて準備期間が長くなったこともあり、じっくり徹底的にやろうと」
「その期間中、グラファイトデザインの方を紹介してもらえて、いろいろと試すことができる立場ではないのに相談できるようになったんです。指導を受けている伊澤利光さんにも、一緒にラウンドしながら見ていただき、約1年かけて軽いセッティングに仕上げていった感じです」
現在、アイアンは2016年モデルの鍛造キャビティ(ツアーB XーCB)にツアーADの65グラム、ドライバーはパラダイム♦♦♦にディアマナ ZFの40グラム台、話どおりの軽量セッティングで初優勝をたぐり寄せた。
1W/パラダイム♦♦♦(10.5→11.5度)・ディアマナZF 40(SR)
3W/XR16(15度)・ツアーAD UB-4(S)
5U・6U/マーベリック ユーティリティ(23度・26度)・ツアーAD U-55(S)
5I~PW/ツアーB X-CB (2016年)・ツアーAD-65(S)
GW・AW・SW/JAWS フォージド(50度・54度・58度)・N.S.プロ950GH(S)
PT/オデッセイ Ai-ONE ROSSIE CH(3度)
BALL/プロV1
※スペックは編集部調べ ※※スペックやスタッツは8月26日時点のもの
※週刊ゴルフダイジェスト2024年9月10日号より(PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa)