クラブの目利きも満足のいく形状、打感でありながら、アイアンに必要な“あらゆる性能”に対し一切妥協を許さず開発されたのが、キャロウェイ『APEX Ai200』『APEX Ai300』『APEX Ti FUSION』の「APEX PERFORMANCE SERIES」だ。いずれもAIが設計したフェースを採用するなど、キャロウェイの先端技術の粋を集めたアイアンとのことだが、その性能はどれほどか。コースの様々な状況でテストした。

テストに入る前に、今年で誕生からちょうど10年となるAPEXの記念モデル「APEX PERFORMANCE SERIES」の3モデルを紹介しておこう。

【APEX Ai200】
プロ、上級者も満足できる形状に最新のテクノロジーを凝縮

画像: APEXの後継に当たるのが『APEX Ai200』。Aiスマートフェースを採用し、ミスのカバー力に長ける

APEXの後継に当たるのが『APEX Ai200』。Aiスマートフェースを採用し、ミスのカバー力に長ける

画像: 正統派のルックスの中には、APEX(頂点)の名の通り、キャロウェイ独自の最先端テクノロジーがてんこ盛り(ロフト角(7I)/30度)

正統派のルックスの中には、APEX(頂点)の名の通り、キャロウェイ独自の最先端テクノロジーがてんこ盛り(ロフト角(7I)/30度)

APEX Ai200は、APEXアイアンの後継モデルの位置づけ。前作はキャビティバックだったが、今回から中空構造へと進化した。

中空構造は反発性能が高いため、飛距離面で有利。しかも今回フェースには、カーペンター455スチールという反発性能の高い素材を、フェースカップというこちらも反発性能に優れた構造で用い、飛距離性能に優れる。さらにAI設計のフェースにより、ミスをカバーし、適正なスピン量を確保する。一方でヘッド内部には、ウレタン・マイクロスフィアという軟らかい素材を入れ、中空独特の弾く打感を抑えた。軟鉄鍛造のフェースとボディと相まって、食いつくような打感、打音に仕上がっている。

【APEX Ai300】
幅広いゴルファーがさらなる飛びとやさしさを味わえる

画像: より寛容性が高く飛距離性能にも優れる『APEX Ai300』。昨年発売のAPEX PRO同様の台形のウェイトは、『Ai200』とともに共通のデザイン

より寛容性が高く飛距離性能にも優れる『APEX Ai300』。昨年発売のAPEX PRO同様の台形のウェイトは、『Ai200』とともに共通のデザイン

画像: セミグースネックでトップブレードもやや厚め。きれいな輪郭かつ安心感も得られるヘッドシェイプだ(ロフト角(7I)/29度)

セミグースネックでトップブレードもやや厚め。きれいな輪郭かつ安心感も得られるヘッドシェイプだ(ロフト角(7I)/29度)

APEX Ai300は、APEX DCBアイアンの後継モデル。APEX Ai200と同じ中空ヘッドで非常にクリーンなルックスも共通している。基本構造、使用している素材や製法も同様。しかし、AI設計のフェースについては、Ai200が平均80台ぐらのプレーヤーの打点をインプットして最適化しているのに対し、Ai300は平均スコア90~100程度のプレーヤーの打点を取り込み設計されている。ややオフセットが強く、ロフトも1度ストロングの29度。より高い寛容性と飛距離を得られるモデルだ。

【APEX Ti FUSION】
中・上級者が納得の打感と操作性を持つチタンフェースモデル

画像: 鍛造チタンフェースと軟鉄鍛造ボディ。打感を良くするウレタン・マイクロスフィアに加え、タングステンウェイトも内臓する

鍛造チタンフェースと軟鉄鍛造ボディ。打感を良くするウレタン・マイクロスフィアに加え、タングステンウェイトも内臓する

画像: 3モデルのうち、最も上級者好みそうなシャープな形状。チタンフェースを用いた複合モデルの概念を変えるアスリート感が漂うモデルだ(ロフト角(7I)/30.5度)

3モデルのうち、最も上級者好みそうなシャープな形状。チタンフェースを用いた複合モデルの概念を変えるアスリート感が漂うモデルだ(ロフト角(7I)/30.5度)

ブラック仕上げの精悍なルックスが印象的。その名の通り、フェースは鍛造チタン、ボディは軟鉄の複合中空モデル。チタンならではの高い飛距離性能を持つ一方で、ウレタン・マイクロスフィアなどによるソフトな打感の演出、さらにはAPEX Ai200よりもシャープなヘッド形状で高い操作性も誇る。チタンフェースアイアンの概念を破った、“新機軸”の中・上級者向けアイアンだ。

芯を外したり、傾斜から打ったり……。5つのTESTを開始!

さて本題の“実力調査”に移ろう。今回、以下の状況からプロが『APEX Ai200』『APEX Ai300』『APEX Ti FUSION』を打ち、その実戦力を確かめた。

①フェアウェイでのノーマルショット(7I)

②トウとヒールに打点ずらし(7I)

③ラフからのショット(9I)

④つま先上がり&つま先下がり(7I)

⑤220ヤード・ワンオンチャレンジ(5I)

画像: 試打を担当した佐々木勇プロ。2012年PGA入会の42歳。ツアーを目指しながらレッスン活動に勤しむ。ショットの正確さはプロ仲間からも一目置かれる。ドライバーのヘッドスピード48m/s。ニュー南総GC所属

試打を担当した佐々木勇プロ。2012年PGA入会の42歳。ツアーを目指しながらレッスン活動に勤しむ。ショットの正確さはプロ仲間からも一目置かれる。ドライバーのヘッドスピード48m/s。ニュー南総GC所属

①フェアウェイでのノーマルショット(7I)
えっ! ピンまで197ヤードが乗っちゃうの?(しかもアゲンスト)

画像: 気温32度。ピンまで実測197ヤード、ややアゲンストの状況でテスト

気温32度。ピンまで実測197ヤード、ややアゲンストの状況でテスト

GD ではさっそく、『APEX Ai200』から行きましょう。

佐々木 顔がいいですよね。ブレードもさほど長くないので個人的にすごく好みです。長すぎるとフェースが戻らずに開いて下りてくる気がするんですよ。

GD なるほど、そういうイメージもショットには影響しますね。

佐々木 顔は感性の部分ではあるけれど、間違いなくスウィングに影響しますよ。こういうクセのない形状は、多くの人にマッチするはずです。

GD では1球目、お願いします。

佐々木 (バシッ!) え、これ本当に中空ですか? 打感がすごく軟らかいです。言われなければ気づきませんよ。僕はXフォージド(2018年モデル)を使っていますけど、明らかにボール初速が速いですね。ロフトは、30度ですか。球の高さも十分だし、って、あれ?

GD ……プロ、いきなりピンまで届いてますよ。

佐々木 この顔でこの飛びはヤバいですね(笑)。僕が使っている軟鉄一枚ものの鍛造アイアンは、スピンで上がっていく“めくれる”ような弾道ですが、こちらは打ち出しから高く飛び出す感じ。でも今はボールも低スピン傾向にありますから、打ち出し角を確保できるアイアンのほうが、確実にグリーンに止められます。

GD ほぼ全部、グリーンまで届きますね。驚きです。では、続いて『APEX Ai300』をお願いします。

佐々木 トップブレードが少し厚くて、グースネック。でもまったく嫌な感じはなくて、違和感ないです。何なら構えやすい。では行きます。
(バシッ!)あ、少しだけ弾き感が出ますかね。でも『APEX Ai200』に比べて、という程度。単独で打ったら、気づかないレベルですね。

画像: 距離と高さを楽に稼げる『APEX Ai300』(ボールはクロムツアーXを使用)

距離と高さを楽に稼げる『APEX Ai300』(ボールはクロムツアーXを使用)

GD 『APEX Ai300』のほうが弾道が高くないですか?

佐々木 そうなんですよ。ロフトはこっちのほうが1度立っているのに。さらに初速が出る感じなので、最高到達点も高くなるんでしょうね。

GD はい、ロフトが立っているぶん、ピン奥に行くボールもありました。

佐々木 でもキャリーがしっかり出るから、飛び系アイアンにありがちな、飛ぶけど止まらないということはない。芯も広いし、ずるいアイアンですね。

GD では3本目、『APEX Ti FUSION』です。

佐々木 色の効果もあって締まって見えるカッコいいアイアンです。トップブレードも3つの中では一番薄いし、オフセットも少なめ。操作性が高そうです。僕が使っているXフォージドにも近い雰囲気があります。
(バシッ!)おっ、チタンフェースだけど、そんな感じはないですね。打感的には『APEX Ai200』と『APEX Ai300』の間ぐらい。間違っても中空のそれではまったくないです。ロフトは一番大きいのに初速がすごく速い。これがチタンフェースの効果でしょうね。軟らかいんだけど、ボールの弾きは明らかにいい。ボールの高さも十分に出ています。

GD これもピンを越えているものがある。APEX Ti FUSIONも恐るべしですね……。

②トウとヒールに打点ずらし
トウ、ヒール、芯の「飛距離トップ10ランキング」が驚きの結果に

画像: 芯は赤、トウは緑、ヒールは青とそれぞれ打ち分け、全18球の飛距離を調査。試打者には難しい実験。佐々木プロ、ありがとうございます!

芯は赤、トウは緑、ヒールは青とそれぞれ打ち分け、全18球の飛距離を調査。試打者には難しい実験。佐々木プロ、ありがとうございます!

GD では、Aiスマートフェースの実力調査です。トウとヒールにずらしてボールのばらつきを確認しましょう。

佐々木 なかなか難しいミッションですね(笑)。でもどう変化するか楽しみです。

GD まずは『APEX Ai200』のトウヒットから。芯と比べてどうでしょうか。

佐々木 かなりトウ側に外したので、当たった瞬間に当たり負ける感じはあります。でも見ててどうですか? 結構いい球じゃないですか?

GD そうですよね。打球音も悪くなかったですし、フェースが開いて右にプッシュしたり、逆に左に曲がったりするのかなと思いましたが、ほとんど曲がっていませんね。

佐々木 芯に比べれば飛距離は少し落ちていると思いますが、芯を外しても結果が悪くないとなれば、気持ちが楽だし、実際結果もついてくる。これは助けになりますね。

GD 続いてヒールにずらしてお願いします。

佐々木 これはもう“芯”の打感です。打ったあとに打点を確認しないとわかりません。シャンクぎりぎりぐらいじゃないと、打感の違いが出てこなさそうです。

GD そして、ヒールヒットも球がねじれません。

佐々木 『APEX Ai200』は、左右のブレが本当に少ないですね。芯を外しても狙い通りのラインに飛んでくれる安心感があります。曲がらないので、飛距離のロスも少なくて済みます。

GD ではより寛容性が高いと思われる『APEX Ai300』でトウ、ヒール実験、お願いします。

佐々木 まずトウ行きます。おー、なんだかすごく飛んでませんか?

GD 確かに。少しドローが強くなる感じがしますね。

佐々木 芯で打った時も『APEX Ai300』は、他の2本に比べて球のつかまりが明らかによかったので、それはトウ寄りヒットでも変わらないですね。少し弾き感がある打感だと言いましたが、トウ側でも弾く感じがあって、芯を外したとは思えない球の強さがあります。

GD 続いてヒールずらし、お願いします。

佐々木 うーん、『APEX Ai200』同様、打感には変化なしです。トウヒット同様、左には飛びやすいですが、想定の範囲内です。そして球が強い! 飛距離のロスは本当に少ないですね。芯とほぼ変わらないんじゃないでしょうか。

GD 聞こえてくる打音も見えている弾道も、他人にはどこで打っているのかまったくわかりませんね。

佐々木 さあこれはどうでしょう。『APEX Ti FUSION』。この顔つきですから、それなりに変化があるでしょう。

画像: APEX Ti FUSIONの打点。トウはかなり先で打ってます

APEX Ti FUSIONの打点。トウはかなり先で打ってます

GD ではトウ側からお願いします。

佐々木 すみません、予想が外れましたね(笑)。APEX Ai200以上に球がねじれないで、狙ったラインに飛んでいきます。本当に不思議。そして、ここでチタンフェースの効果が改めて出ますね。トウヒットなのに初速が速い。芯とは違う衝撃は感じますが、いい意味でその感覚を裏切るボールの飛びがあるから、飛距離の落ち込みもかなり少ないです。

GD 本当に真っすぐ飛びますね……。では続いてヒール側で。

佐々木 前の2本同様、打感は全然と言っていいほど変わりません。ヒール側でも初速が出ますね。結果的にそれが弾道の高さにつながって、キャリーが伸びてハザードも越えていく。芯を外してもグリーンまでは届いてくれる。これは本当に助かりますよ。

GD では、グリーンに行って結果を見てみましょう。
なんと芯を外したショットが一番飛んでます!

①APEX Ai300 ヒール
②APEX Ti FUSION 芯
③APEX Ti FUSION トウ
④APEX Ai200 芯
⑤APEX Ai300 トウ
⑥APEX Ai200 ヒール
⑦APEX Ai300 トウ
⑧APEX Ti FUSION 芯
⑨APEX Ai300 芯
⑩APEX Ai300 ヒール

佐々木 『APEX Ai300』は芯を外しても、確かに球がすごく強かったですからね。個人的には『APEX Ti FUSION』の飛びや、『APEX Ai200』の球のねじれなさに驚きました。いずれにしても上位10球は、グリーンオンか、ほぼ近くまで飛んでましたね。APEX PERFORMANCE SERIESのお助け効果の高さを強く感じました。

さらに実験は続く。後半ではラフからのショット、傾斜、5Iでのワンオンチャレンジなど、APEX PERFORMANCE SERIESの“実戦力”をさらに深掘りしていきます!

PHOTO/Hiroaki Arihara 
THANKS/ニュー南総GC

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画像: www.callawaygolf.jp
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