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試打をするヤマハの新『インプレス ドライブスター 』シリーズの最大の特徴は、従来の4軸や6軸を超える、8軸積層カーボンフェース「オクタ アングル カーボン フェース」の採用で、8軸方向に積み重ねた強靭なカーボンフェースでインパクト時のエネルギーロスを抑え、ボール初速を大幅にアップしたという。さらに、カーボン採用で生まれた余剰重量を、ソールの後方、トウ側、ヒール側に配置した「カウンター ウェイトシステム」によって大慣性モーメントを実現、打点ブレへの圧倒的な強さを発揮するという。前作は1モデル展開だったが、今回は 「タイプS」と「タイプD」の2モデルを展開。「タイプS」は今平周吾が「横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial」で使用して話題のモデル。「タイプD」は従来のインプレスドライバーのつかまりの良さを踏襲している。
『 INPRES DRIVESTAR TYPE D』と『 INPRES DRIVESTAR TYPE S』を打ち比べ
試打クラブのスペックは『インプレス ドライブスター タイプS』がロフト10.5度、シャフトは純正の「SPEEDER NX for Yamaha M-425D(中調子・フレックスS)」。
『インプレス ドライブスター タイプD』はロフト10.5度。シャフトは純正の「SPEEDER NX for Yamaha TM-425D(先中調子・フレックスS)」
まず、癸生川プロが感じた、『タイプS』と『タイプD』の2つのモデルの構えた時の見た目の特徴の違いから。
「ヘッドの形状は『タイプS』がディープフェース、『タイプD』がシャローフェースです。『D』のほうがフェースアングルが少し被って見えますし、球をつかまえやすい顔に見えます」
ここで、小島プロが癸生川プロに問いかける。
小島 じゃあ、他メーカーのノーマルモデルとタイプ『D』との違いに比べて、この2つのモデルの違いは、『同じくらいの違い』なのか、『それほどの違いはない』のか。どうですか?
癸生川 僕の印象は『それほど違いはない』。形状は違うけど、それで球がつかまり過ぎちゃうとか、そういう印象は少ないと思う。
小島 形状的に個人的な好みでいうと、『S』 と『D』とどっち ?
癸生川 形状的に僕は『S』のほうが好きだけど、でも『D』も嫌いではない。自分は、それくらいこの2つのモデルの見た目の差は少ないと感じます。
癸生川プロが感じた、2つのモデルの見た目にさほどの差を感じないということが、試打後に分かってくる性能面での近似性に繋がることを、小島プロは薄々感じていたようだ。
『インプレス ドライブスター タイプS』をHS42m/s前後で試打
試打後の癸生川プロの打感や弾道の印象。
「球が捕まるし、上がるし、打ちやすい。打感はカーボンフェースという感じがあまりしないです。チタンヘッドみたいな感じで、打音もそれに近いです。球のつかまりはイイです。見た目が丸型のディープフェースだから、もう少し球が逃げちゃうかなと思ったけど、しっかりつかまるし、上がる。そういう意味では見た目の印象とはちょっと違う結果でしたね」
【試打データ】
トラックマン4のデータ
クラブスピード●42.3m/s
ボール初速●63.1m/s
打ち出し角●13.3度
スピン量●3163rpm
降下角●37.5度
キャリー●232.5Y
飛距離●255.2Y
打ち出し方向●3.0度左
スピンアクシス●3.9度左
SIDE●15.0Y左
GCクワッドのデータ
Hインパクト●4ミリトウ
Vインパクト⚫︎3ミリ高
弾道は3度左に出て、ターゲットラインの15ヤード左に着弾する、ややつかまった球となった。
この結果を見て小島プロは、「『タイプS』の割にはつかまりが良いという印象ですね」と、詳しい分析は『タイプD』の結果を見てからに先延ばしした。
『インプレス ドライブスター タイプD』をHS42m/s前後で試打
癸生川プロの試打後の感想。
「『S』と比べると、こっちの『D』のほうがつかまるし、球も上がるね。そういう意味では、これは見た目通りのつかまり具合かな。さっき言った、他のメーカーのDと比べると見た目に『D』要素が少ないから、適度なつかまり具合かなと思いますね」
【試打データ】
トラックマン4のデータ
クラブスピード⚫︎42.1m/s
ボール初速⚫︎62.9m/s
打ち出し角⚫︎13.0度
スピン量⚫︎3901rpm
降下角⚫︎42.0度
キャリー⚫︎217.7Y
飛距離⚫︎233.8Y
打ち出し方向⚫︎2.4度左
スピンアクシス⚫︎5.0度左
SIDE⚫︎17.8Y左
GCクワッドのデータ
Hインパクト⚫︎2ミリヒール
Vインパクト⚫︎3ミリ低
弾道は2.4度左に出て、ターゲットラインの17.8ヤード左に着弾するさらにつかまった球となった。
弾道とデータを見た小島プロの分析は『スピン性能』と『球のつかまり』に注目した。
「『D』のスピン量が3901rpmと多いのは、打つ時にややアゲンストが吹いていた影響もありますが、もともと『S』に比べて『D』はスピン量は多くなると思います。その要因はヘッドの後方に配したウェイトの重量が『S』は22グラムで『D』は27グラムの設定なので、『D』が少し重心が後ろになっている分だけスピンがちょっと増えるのかなと思います。『D』はキャリーが217.7ヤードと『S』に比べて15ヤードほど飛んでいないのは、風の影響だけではなく、このスピン量が多いことが関係しています」
次に『球のつかまり』に関してだが、スピンアクシスも着弾点も『S』 と『D』とで数値的にさほど変わらず、つかまり具合はかなり似た弾道となった。この要因を説明してもらおう。
「『S』の打点は4ミリトウで、『D』は2ミリヒールですが、それでも『S』のスピンアクシスが3.9度左で『D』は5.0度左ですので、『D』のほうがつかまっています。本来、ヒールヒットは球がつかまらないので、この結果をみても、『D』のほうが性能的につかまるクラブかなといえます。ただし、最初に癸生川プロが言った『S』と『D』見た目の形状からして近いから、そのイメージ通りのつかまり具合ということだと思います」
検証のまとめは?
癸生川 インプレス ドライブスターの『タイプS』と『タイプD』は、見た目にも結果もその差が少なく感じたので、ちょっとつかまえたいとか、真っすぐ行かせたいといった自分が望む弾道イメージで選んでいただくと合うタイプが見つかるかなと思います。
小島 僕も『タイプS』と『タイプD』の差は近いのかなと思いますが、両モデルとも、つかまりが良いクラブであることは間違いないですし、ミスヒットに対する寛容性も高いクラブですので、ストレートっぽく行きたいのか、ちょっとつかまった球を打ちたいのか。その要望に合わせて選んでいただけたらいいのかなと思います。
最後に小島プロが言ったように、最近はドライバーは『寛容性』の高いモデルにフォーカスされているので、極端に『つかまる』とか『つかまらない』といったものは設計段階で議題に挙がってこないのかもしれない。ユーザー側も元々、曲がりの幅が少ないモデルなので、ニーズとして『ちょっとつかまる』という程度で十分。その結果、形状もパフォーマンスも近似性の高いモデルになってくるというのが必然なのかもしれない。ヤマハ『インプレス ドライブスター』の『タイプS』と『タイプD』はその先駆け的なモデルといえそうだ。
みんなのゴルフダイジェストYouTube・みんゴル試打班「ガチギアトラック」では、ヤマハ『インプレス ドライブスター タイプS』『タイプD』の試打から得られたデータを小島プロが分析、クラブ特性や適合ゴルファータイプにも言及をしているので、そちらもぜひ視聴してクラブ選びの参考してもらいたい。
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