ボールを打たずにできる練習である素振りにも、多様なやり方がある。目的に応じた様々な素振り練習を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

ウォーミングアップに効果的な「2本素振り」

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフって練習しなきゃ上手くならないというのは十分理解しているのですが、できればなるべくラクに上手くなりたい。ボールをたくさん打たずに上手くなれれば最高なのですが、そんな都合のいい話はないですよね~。……なんて思っていたら、週刊ゴルフダイジェスト9/24号に「”素振り”がなきゃ始まらない!」という記事がありました。そこには「企業ゴルフ選士たちは皆コレで高速上達」と書かれています。もし素振りだけで上達できるのであれば、こんなにありがたいことはありません。さっそく試してみました!

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2024/9/24号で特集されていた、様々な素振り練習を実践!

週刊ゴルフダイジェスト2024/9/24号で特集されていた、様々な素振り練習を実践!

記事では、企業対抗ゴルフで2位になったこともあるゴルフ部のメンバーの方々が、朝の練習場で体にゴルフのスイッチを入れるために素振りは不可欠だと言っています。それ以外にもさまざまな素振りを練習に取り入れているとのこと。いったいどんな素振りをしているのでしょうか。

まず素振りをするうえで大事なことは、素振りに目的を持たせるとこだそうです。漫然と振っていてはダメなんですね。ウォーミングアップ以外にも、ヘッドスピードアップやエラー動作の矯正などにも素振りは役立つということです。球を打ってしまうと、当てることに意識が向いてしまうので、これまでの自分の動きを引きずりがち。素振りで明確な目的を持つことで、効果的にスキルを高めることができるんですね。

まず朝イチのウォーミングアップに効果的な素振りは「2本素振り」。2本のクラブを持って素振りをするのですが、2本のクラブを上下逆に持つのがミソ。こう持つことで、重すぎず、バランスよく振りやすくなるということです。振り方のコツは、ゆっくりな動作から始めて、だんだん速く振るのがいいそうです。これはすぐにでも取り入れたいですね。

スライスに効く「スプリットハンド素振り」

次にやったのはスライスに悩む人に効く素振り。それは「スプリットハンド素振り」。両手を離してグリップして素振りをするわけです。注意しなければいけないのは、この素振りが効くのはカット軌道のスライサーではなく、クラブが寝てしまってスライスになる人。このタイプの人は大抵インパクトにかけて手が浮きフェースが開くということです。

画像: 左右の手を離してグリップするスプリットハンドで素振りをする

左右の手を離してグリップするスプリットハンドで素振りをする

素振りのコツは、ハーフウェイダウン付近からハンドルを左に切るイメージで左手を体に寄せること。左前腕を外旋させつつ内側に絞り込むイメージです。右前腕はその場で内旋しますが、左右の手を離して握っていることで、それぞれの手の動きが明確化されるんですね。

画像: スプリットハンドで握って、ハンドルを左に切るイメージで素振りをする

スプリットハンドで握って、ハンドルを左に切るイメージで素振りをする

やってみましたが、たしかにこの素振りだとクラブが寝ないし、手が浮くこともありません。左手を内側に絞り込むことでヘッドが出て球をつかまえる動きが体感できます。左脇が空いてインパクト以降に左わきが空いてしまうカッコ悪いスウィングに悩んでる人にも良さそう。

ダフリに効く「ステップ素振り」

次にダフリに悩む人に効く「ステップ素振り」。ダフリの多くは切り返しから軸が右へ傾き、最下点がボール手前に移動することが原因。踏み込みが足りないということですね。切り返し以降の正しい動作の順序は「踏み込み」「シフト」「回転」の3ステップ。この動きを体感できるのがステップ素振りなんですね。ステップ素振りのやり方は、切り返しでしっかりと下に荷重してから腰を左へシフトさせ、最後に骨盤が回ります。この動きの順番をしっかりと体にインプットすることが大事なんですね。

画像: しっかりと左に踏み込み、腰を左にシフトさせ、最後に骨盤を回してフィニッシュ

しっかりと左に踏み込み、腰を左にシフトさせ、最後に骨盤を回してフィニッシュ

やってみましたが、しっかりと左に踏み込んでいく感覚と、下半身から動いていくということがよく分かる素振りです。ただ、注意しなければいけないのは踏み込んだときや腰を左にシフトするときに、同時に頭も左に動いてしまわないようにすること。頭も左に動いてしまうと、上体が突っ込んでしまうので、動きの順番はしっかりと守らないとダメですね。この素振りはヘッドスピードアップにも役立つそうなので、普段の練習に取り入れたいですね。

画像: (左)左にシフトできず回転してしまってはダメ(右)頭も一緒に左に動いてしまってはダメ

(左)左にシフトできず回転してしまってはダメ(右)頭も一緒に左に動いてしまってはダメ

左右で役割が違う「片手素振り」

そして最後にやったのが「片手素振り」。片手素振りは左右で役割が違うそうです。左腕は”引っ張る力”を高め、スピードを上げる役割があります。右腕は再現性や安定感を高めるんですね。片手素振りをすることで、これらの役割を明確に分担し、覚え込ませることができるんです。

まず左手1本素振りですが、スウィング中、左脇は常に締まった状態を意識すること。左脇が開くと振り遅れてスピードをロスします。左腕のスピードアップは”踏み込み・シフト・ターン”という一連の連鎖が必須ということなので、わきを締めて体との同調を意識します。

画像: 左わきが開くと振り遅れる。スウィング中は常にわきが締まった状態をキープ

左わきが開くと振り遅れる。スウィング中は常にわきが締まった状態をキープ

やってみましたが、手だけで振ってしまっては意味がない。やはり体との同調が大事で、スピードを上げるためには、踏み込みやシフト、ターンの動きのスピードを上げる必要がありますね。とにかくしっかりと左脇を締めておくと、ヘッドもしっかりと走ってくれます。

そして右手1本素振りですが、テークバックで右前腕を外旋させないことが大事。そうなってしまうとクラブヘッドがインに引け、その後軌道を修正する動きが必要になってしまうんです。右手のひらは腰の高さまで反時計回り(右前腕が内旋)して、切り返し後まで右手のひらは時計回り(右前腕が外旋)、そしてそこから閉じるのが正しい動きということです。

やってみましたが、これはクラブを持たないで手のひらの向きを意識しながらやるほうが良さそう。スウィングの中での手のひらの向きを常に意識すると、右手の正しい動きが理解しやすい。僕はすぐにヒョイッとインに引いてしまうクセがあるので、この動きはタメになります。

画像: 右手素振りは最初はクラブを持たずに動きを覚えたほうが良さそう

右手素振りは最初はクラブを持たずに動きを覚えたほうが良さそう

今回いくつか紹介されていた素振りをやってみましたが、予想以上に効果がありそうです。普段の練習に取り入れてもいいし、ラウンド前の練習や、ショットの前にやっても効果がありそう。練習では2回素振りして1球打つというのがベストだということなので、みなさんもぜひやってみてください。

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