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ブリヂストン『B3MAX D』は、ボディをカーボンモノコック(一体構造)にすることで、多くの余剰重量を生み出すことに成功。最大40グラムを超えるウェイトを最適箇所に配置し、許容性が向上した。密度を上げて食いつきを向上させた『スリップ レス バイト ミーリング』は、インパクトでボールをしっかりとらえ、ボールの直進性を高めているというのが最大の特徴だ。
『ブリヂストン B3MAX D(ロフト10.5度)』をHS39m/s前後で検証
今回の試打クラブのスペックは、『B3MAX D』(ロフト10.5度)、装着シャフトは『VANQUISH BS40 for MAX(フレックスS)』。
癸生川プロは見た目の印象として、「つかまる形状をしています。構えた時にフェースが左をしっかり向いている“つかまり形状”。しかもヘッドはシャローじゃなくてけっこうディープに感じるから、強くてしっかりしたドローが出るんじゃないかな」。
構えた段階で、強くてしっかりしたドローが打てそうな印象を醸す、まさにドローバイアスのこの『B3MAX D』。これから行うガチ試打では、球のつかまりの“実力”が判じやすいオフセンターヒットをした時の弾道をチェックする。試打のヘッドスピードは39m/sとやや遅めに設定した。理由は、事前に行った試打でこのクラブの『球がつかまる』分岐点が40m/s前後にあるという結果が出たので、その辺りのスピードでのつかまり具合を判断しようという狙いだ。
39m/sでトウヒットしたときの弾道をチェック
弾道は7.4度右に飛び出し、17度の傾きで左に戻り、目標の5.5ヤード右に着弾するドローボール。
試打データ
トラックマン4のデータ
クラブスピード⚫︎39.4m/s
ボール初速⚫︎55.4m/s
打ち出し角⚫︎13.0度
スピン量⚫︎2876rpm
降下角⚫︎30.0度
キャリー⚫︎2688rpm
飛距離⚫︎213.3Y
打ち出し方向⚫︎7.4度右
スピンアクシス⚫︎17.0度左
SIDE⚫︎5.5Y右
GCクワッドのデータ
Hインパクト⚫︎27ミリトウ
Vインパクト⚫︎2ミリ低
この結果を見て、癸生川、小島の二人が弾道を検証した。
癸生川 もの凄いトウの部分に当たって右に飛び出して、それから左に戻ってくる、典型的なドロー打ちの球かなと思う。
小島 このスピード帯(39.4m/s)で打ってトウヒットした時でも、つかまる気がしますか。
癸生川 凄いする。球が逃げる感じがない。あ、やっちゃったっていう感じもあまり無い。
小島 フェース面の「SLIPRESS BITE MILLING(スリップレス バイト ミーリング)」の効果が大きいと思います。バイトは噛みつくっていう意味なんですけど、フェース面のミーリング(細かな切削)によって、球がつかまるという要素はかなりあると思いますね。
試打データを見て小島が『B3MAX D』のつかまりの実力を分析する。
「着弾地点は5.5ヤード右ですからそんなに目標から逸れていない。27ミリトウで当たっているので、かなりのミスヒットなんですが、それでもキャリーでフェアウェイの真ん中近辺に居るという優秀さはあると思いますね。もちろん、トウヒットによるギア効果もありますけど、でも、これだけ先で当たっているのに、球はそれほど曲がっていないというのを見ても、つかまりは良いですよね」
次に、普通は球がつかまらないヒールヒットで、『つかまりの良さ』を検証する。
39m/sでヒールヒットしたときの弾道をチェック
弾道は8.8度左に飛び出してから、その後2.2度というわずかな右へ傾く球筋で飛びながらも、最終的にターゲットの26ヤード左に着弾する、戻り切らないフェードになった。
試打データ
トラックマン4のデータ
クラブスピード⚫︎39.0m/s
ボール初速⚫︎55.2m/s
打ち出し角⚫︎12.3度
スピン量⚫︎3417rpm
降下角⚫︎33.7度
キャリー⚫︎188.3Y
飛距離⚫︎213.3Y
打ち出し方向⚫︎8.8度左
スピンアクシス⚫︎2.2度右
SIDE⚫︎26.0Y左
GCクワッドのデータ
Hインパクト⚫︎25ミリヒール
Vインパクト⚫︎2ミリ低
この結果を見て、癸生川、小島の二人が弾道を検証した。
癸生川 あそこまでヒールに当たると(25ミリヒール)、ミスの寛容性が及ぶ範囲外かなとちょっと思っちゃうけど。
小島 そうですね。25ミリのヒールですから、これ以上外れちゃうと真っすぐに飛ばないというくらいのミスヒットなのに、データ的には、スピン量もトータル飛距離も普通のショットの数値とあまり変わらないんですよね。
癸生川 あんなヒールに当たってもスライスしなかったということは、それだけヘッドのつかまる要素が強いということなのかな。
小島 そうですね。通常はヒールに当たるとヘッドは返る方向(左)に動き、その時にフェース面でギア効果が生じて球は逆に右回転してスライスになるんですけれど、そのギア効果の割合が少ないんじゃないかと思います。それはさっき言った『スリップ レス バイト ミーリング』の効果で、球がスリップしないんでしょう。つまり、『D』のつかまる仕様になっているということだと思います。
癸生川 極端なヒールで打つと、それが分かるよね。
試打データを見て小島が『B3 MAX D』のつかまりの実力を分析
「スピンアクシスが2.2度の右の傾きですから、ヒールに当たってギア効果も発生してちょっとフェードして右には行くんですが、でもつかまりのバイアスが強いから、そんなに右には戻らず、26ヤード左に着弾したという弾道です。スピン量やトータル飛距離を見ても、あれだけのヒールヒットをしたにも関わらず、センターヒットした時と、それほどかけ離れた数値になっていないのも『スリップ レス バイト ミーリング』の効果なのかなと思います。つかまるということでは、右へのスライスが出て悩んでいる人には良い選択になると思いますね」
最後に、『B3MAX D』のおススメポイントとゴルファー層に関してのアドバイスを。
二人のプロの評価は ?
癸生川 このヘッドは本当につかまるヘッドなので、もう右に行かせたくないと思っている人にはお勧めのヘッドだと思います。
小島 こんなに明確に『つかまり』が分かるヘッドもなかなかないと思うんですけど。ただシャフトのチョイスは重要で、自分のクラブスピード帯ではしなり切らない硬度を選ぶと、いくらこのヘッドでもつかまらなくなると思うので、適合するシャフトを合わせていくとこのクラブはより性能を発揮できるのかなと思います。
普通、25ミリもヒール側に外したら右の林にサヨウナラのところを、ターゲットの26ヤード左のフェアウェイに着弾するという、まさにドローバイアスの実力を見せつけられたガチ試打となった。
みんなのゴルフダイジェストYouTube・みんゴル試打班「ガチギアトラック」では、このブリヂストン『B3 MAX D』をヘッドスピード『45』、『42』『39』と3段階で試打した結果、それぞれのスピード帯で打った時の『つかまり』の違いに関して検証。小島プロがデータを基に分析し、適合スピード帯やゴルファータイプにも言及をしているので、そちらもぜひ視聴してクラブ選びの参考してもらいたい。