難しいコースセッティングはクラブを変えて調整する選手も
ーー大利根CCは深いラフ・距離の長さが特徴
日本女子オープンゴルフ選手権が開催される『大利根カントリークラブ 西コース(大利根CC)』は、距離もトップクラスに長くなること、そしてフェアウェイを外すと途端に深く、重たいラフが絡みつく高難度のセッティングとなっている。フェアウェイも広くはなく、ラフに入れてしまった時の対処法としてクラブセッティングを見直し、様々な工夫をするプロがいた。
今回は今年4月に悲願のツアー初優勝を勝ち取った阿部未悠や賞金ランク10位の藤田さいき、8月に行われた北海道meijiカップにて3位の木村彩子にラフ対策を聞いた。
●阿部未悠「ヘッドが小さく抜けが良い」
「今回のコースは距離が長くて、ラフも相当深いので、かなりタフなセッティングという印象です。以前は7番ウッドを入れていたのですが、今回のコース用に5番ユーティリティを試しています。ウッドに比べるとヘッドが小さく、ラフの抜けもとても良いので明日からも使用する予定です」
●木村彩子「深いラフ対策の『UFO』」
「レイアップするのにウェッジを持って出すのももったいない。となったときに一度試しに『UFO』入れてみようかってなって緊急で作ってもらったところ、深いラフからでも出たので、緊急で投入しています。それに48度で打つ100ヤード以内のショットはあまり使わないなっていうこともあってちょうど入れ替えられました」
今回新たにUFOを入れて練習ラウンドを終えた感想を聞くと「距離が長いのと、意外とフェアウェイがそんなに広くないのでティーショットが大事だし、ラフに入れた時に大きなミスにならずに、最小限にミスを抑えられることがとても大事だなと思いました。それ以外のセッティングは同じで、今回は48度とUFOを入れ替えたという感じです」。
●藤田さいき「高さで止められて、ラフから安全に出せる」
「もともとヘッドサイズがやや大きめのオノフを使っていて、ちょっとラフがきつすぎるのでより抜けが良いものを入れました。以前もずっと試していたのですが、今回の日本女子オープンを機に投入する予定です」
「今回は高さを出してボールを止めたいという理由で5番アイアンを抜いて6Uを入れています。またラフもアイアンよりは抜けやすかったですし、ラフに入ったときにグリーンを狙っていくのは結構厳しいので、できるだけ安全に出せるような工夫をしました。パー3も6Uで狙える距離が多いので、そういった意味でも6Uを入れています」。今回のセッティングは≪1W/3W/3U~6U/7.8.9.P/50/54/58≫と、上の番手を厚めに入れて日本女子オープンゴルフ選手権に挑む。
大利根CCでは飛距離を徹底的にコントロールする技術が求められるだろう。また今回取材したようなラフが深く、出しにくいコースではロフトが寝ているユーティリティを使用している選手が多く感じた。
距離が長くおまけにラフも深い大利根CCだが、2打目や3打目勝負が寄りシビアになるゲームが予想される。ラフに入ってしまった時のプロの対処法や、選択するクラブにも注目したい。