「9番は長くて左からのアゲの風。体感は610Yぐらい」(上田桃子)
ツアー16勝ながら、メジャー未勝利の上田桃子はメジャー出場試合が今大会で「60」を数える。日本女子オープンは18回目の出場で、21年の2位が最高位。
メジャー初優勝への想いは人一倍強い上田は、やはり「難しさ」を強調した。
「ふだんロングアイアンやユーティリティはほとんど打ちませんが、ずっとユーティリティばかり打っている感じ。練習ではフル(一番後ろのティーイングエリア)で打つので、練習ラウンドより(本戦)は短く感じるとは思いますが、長いですね」
ここ最近の試合ではもっとも難しいという上田は風にも警戒する。
「毎日3~4メートルの風が吹くというのと、サイドウィンドが一番難しい。インコースは風がヨコばっかりで、ヨコの前からなのかヨコのアゲなのかでタテ距離が10Y以上変わってきます」
ティーショットでフェアウェイをとらえられても、2打目の番手選びの計算が求められる。
さらに、長いパー4ばかりでなく、ふだんならバーディが計算できるパー5の難しさも体感していた。
「9番(573Y/512Y・パー5)は長くて左からのアゲ(ンスト)の風になる。体感で610Yぐらい。(ロング)でボギーを打たないようにしないと……」
しかし、そこはメジャー大会を60回出場し、米ツアーや海外メジャーなどに多く出場してきた「経験が生きてくる」と上田。
「焦らないメンタルが大事。長いホールでどうやってマネジメントしていくか、自分が色々経験したことは良い引き出しとして使えるなと思います」と、ダボを叩かず、毎日アンダーで回れることを目標にした。
「ショートアイアンで狙っていけるホールがほとんどない」(原英莉花)
昨年のチャンピオンで20年と2度優勝している原英莉花も”長さの難しさ”を感じていた
「やっぱりショートアイアンで狙っていけるホールがほとんどなくて、ミドルアイアン、ロングアイアンになってくるので、セカンドのショットの精度もそうですし、ティーショットを絶対にフェアウェイに置いていきたいのはマストで考えたいなと思います。とくに上がり3ホールは長いので注意したい」と話した。
16番パー3の長さが日によって変わり(214Yと150Y)、後方のティーからは難易度が増す。17番パー4は394Y、18番パーは410Yと最終ホールにかけて飛距離のプレッシャーが増していく。大逆転や大きなドラマが生まれる要素が上がり3ホールに詰まっていそうだ。
長さを警戒する原は、会見後、5番アイアンやユーティリティの練習に励んでいた。
「グリーン周りのラフも深い」(山下美夢有)
今季は未勝利ながら直近3試合連続2位で、11試合連続トップ10入り、出場16試合中2位が7回の山下美夢有は、今週も好調をキープ。先週欠場した右ひざ痛も完治し、サロンパスカップ、リコーカップに次ぐ、3つ目のメジャータイトルを狙っている。
「ほとんどのホールが400Y超えで、印象的には距離が長い、というのと、グリーン周りのラフも深いですし、ドッグレッグもあったりとかするので、4日間どれだけフェアウェイに置けるかというのが重要になってくると思います」
やはり山下も距離が長いという印象を受けた。さらに、
「ラフも深いので、ショットの安定性が重視される戦いになってくるかなと思うので、しっかりショットの安定性を高めて、いかにパットを決めるかが重要になってくるのかなと思います」と難しさを感じながらも目標はもちろん優勝だ。
「3番は難しいティーショットになる」(古江彩佳)
今年のアムンディ・エビアン選手権で海外メジャーを制した古江彩佳も参戦。
「距離も長いし、ラフも伸びている。落ちるところによって難しくなります。フェアウェイキープがポイントです」
日本女子プロ選手権と東海クラシックでは15位、17位と優勝争いできていない古江。
「自分では気がつかなかったのですが、お父さんから『アライメントが合っていないよ』とアドバイスを受けました」と先週はアドレスしたときの体の向きを調整した。
ドッグレッグが多い大利根CCのティーショットはちょっとしたアドレスの向きが命取りになる。ナイスショットしても少し方向がズレてしまえば深いラフにつかまってしまうからだ。
「3番(右ドッグレッグの414Y・パー4)とかは難しいティーショットになります。アドレスをしっかりしたいです」と調整した成果を本戦から発揮したいところ。
「完璧かどうかわかりませんが、少しマシになりました」
海外メジャー優勝者は「日本のメジャーも取りたい」と最難関コースで真っ向から挑む。
「距離が長くて、ラフも長くて、グリーンは硬い」
選手の多くが口を揃えた史上最も難しい、史上最長の日本女子オープンは大利根CC西Cで26日に開幕する。