34回に及ぶカスタムクラブ試打で人気のシャフトを発表 !
2024年2月6日から連載を開始し、前回で34回目となった『【人気ゴルフ工房のぶっ飛びドライバーをキング・オブ・試打が語る】』。今回は工房がおすすめする『ぶっ飛びドライバー』のシャフトに注目し、ランキングを作成した。
メーカー別ランキング!
1位となったのは大手シャフトメーカーの『フジクラ(藤倉コンポジット株式会社)』が計7回でトップ。2位は『株式会社デザインチューニング』の3回、3位には『UST Mamiya Japan株式会社』や『株式会社グラファイトデザイン』をはじめとした合計6社が2本ずつ使用されランクインを果たした。続いて、多く使用されたシャフトを見てみよう。
順位 | シャフトメーカー | 登場回数 |
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1位 | フジクラ | 7回 |
2位 | デザインチューニング | 3回 |
3位 | グラファイトデザイン | 2回 |
USTマミヤ | 2回 | |
スポーツライフプラネッツ(ロッディオ) | 2回 | |
シンカグラファイト | 2回 | |
スリリング | 2回 | |
TPT | 2回 |
ブランド別ランキング !
続いてシャフト別ランキングを発表。1位にはメーカー別で独走したフジクラの『DIAMOND SPEEDER』が4回となり、2位には同じくフジクラの『SPEEEDER NX ブラック』、スポーツライフプラネッツ『ロッディオ np5★』、スリリング『SYUHARI』、シンカグラファイト『Zinger』の4本が並んだ。
全体的には先調子が大半を占めた結果となったが、数々の工房がおすすめする “飛ぶシャフト” で重複したものは中調子(先中含む)の他、マルチフレックスが多い結果となった。
順位 | シャフト名 | 回数 |
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1位 | DIAMOND SPEEDER(中調子) | 4回 |
2位 | SPEEEDER NX ブラック(先中調子) | 2回 |
ロッディオ np5★(中調子) | 2回 | |
SYUHARI(中調子) | 2回 | |
Zinger(マルチ) | 2回 |
この結果を見て堀越プロは「中調子って言うのは両端を硬くした一番クセがないシャフトです。比較的いろいろなヘッドにも合いやすいし、オールラウンダーのシャフト。クセが無く、シャフトが素直に動いてくれることから、ヘッドの個性を消さないようなシャフトだと思います。またマルチフレックスは中調子とは真逆で、両端を軟らかく仕上げているため、振った感覚としては軟らかく感じやすいです。両極端にいるシャフトがランキング入りしていることは興味深いですね」。
マルチフレックスとはどんなシャフト?
シンカグラファイト Zinger 6
「マルチフレックスは一般的に手元を緩めて先も緩める、所謂『ダブルキックポイント』傾向になりやすいです。どちらかというと軟らかめが多く、テークバック、切り返しの時にタイミングが合えば振りやすく感じ、合わない人にとってはとことん合わせづらくなってしまうシャフトでもあります。球も上がるしつかまってくれることが特徴ですが、元調子が好きで、タメが強い人には合いにくいことが多いですね」(堀越)
堀越プロが印象に残っているシャフト2選 !
①ツアーAD VF-5(S)
「個人的には中調子系のシャフトが好みなのですが、この『VF』は元調子系のシャフトです。元調子系はリリースが早かったりする人には合いにくく、タメができる人の方が合いやすい傾向があります。私自身コックが溜まるタイプではないのですがとても打ちやすかったので、シャフトの挿し方もお店ながらの秘密があるんじゃないかと思いました」(堀越)
②USTマミヤ ATTAS KING(4X)
「先調子系で軽くて、4Xなので結構しっかりしていましたね。しっかりしているけれど先が動くので、ロフトの影響もありますが球が上がりやすい印象でした。オリジナルであの組み合わせをしてくることが珍しく、クラブとしての仕上がりをシャフトが助けてくれているような1本でした」(堀越)
総評
「スライスを改善するために先調子でつかまるシャフトが多い反面、上級者にはつかまり過ぎない中調子~元調子系のシャフトが人気ということが今回の連載で見えてきたかと思います。もちろんヘッドとの相性やチップカット、バットカットなど味付けがかなり変わる要素も大きいと思います。そしてつかまる、つかまらないというだけではなく、切り返しのタイミングや振り心地によってフレックスや重量も変わり、工房店主さんのいわゆる “町中華” のような様々な味付けが楽しめることがカスタムクラブを作ることの楽しみではないでしょうか」(堀越)
ちなみに……、自分に合ったシャフトを見つけるためには?
「まずはクセのない中調子から試して、球の様子を見てキックポイントを決めていく。流行りのシャフトはツアーの影響が多いですが、プロが使っているから必ず合うっていうわけではないので、近くの工房やスタジオにてフィッティングを受けることが近道だと思います。ですが、今回ランキングに多かったように中調子系が多かったことから、今後もクセのないシャフトが主流になっていくと感じました。またシャフトとヘッドは必ずセットで考えなくてはいけないので、ヘッドの相性をみて、活かしてくれるシャフトを選択するべきだと思います」(堀越)
来週はヘッド編をお届けします。お楽しみに !