2014年に始まった『キミこそ王子だ‼』が連載を開始して10年が経った。そこで10周年企画として前回までは「いい意味! 期待を裏切ったジュニア」をお送りしたが、今回は300人を超えるジュニアと出会ったなかで、武市がいまでも深く印象に残っているという男子3名をピックアップしてくれた。『みんなのゴルフダイジェスト』では、誌面の都合で割愛した武市プロ&担当編集の思いを加筆した全文を公開!

今回は(今回も?)いままで取材させてもらった、ボクの心に響いた印象に残っているジュニアを3名ピックアップさせてもらいます。もちろん独断と偏見で選んでいますので、ご了承ください(笑)。

“内股壁ドン王子”こと平田憲聖(取材2015年・当時中学3年)

まず1人目は、なんといっても「平田憲聖」選手だね。

というのも、いま賞金ランクトップを突き進んでるけど、これボクから言わしてもらうと当然の結果だと思ってる。理由はボクが提唱する“ツイスト打法”そのものの打ち方だったから(笑)。

正直いうと、当時はまだ他の取材してきたジュニアと比べると成績は出ていなかったほうだったけど、間違いなく活躍するって思ったね。打ち方としては、左脚内モモがダウンスウィングからインパクトにかけて、右回転するようにネジれながら打っていくの。

要は、ヘッドが動く方向と左脚モモが逆の動きをするってこと。本人は意識してやってないっていってたけど、これ本能的にヘッドを速く振ろうとするとできる動きなんだわ。当時の記事があれば読んでもらえればわかるけど、究極にボク好みのスウィングだね。

そしてなにより、彼は素直な朴訥とした感じがよかったね。変に擦れてなかったから、いろんなアドバイスを受けても他の人より吸収力もあったのかもしれないね。だから今の活躍は予見してました(笑)。

心に残っているジュニア①
今年すでに4勝で賞金王まっしぐら! 平田憲聖

画像: 2000年生まれ大阪府出身。左脚内股で力を受け止めヘッドスピードを出す形が、武市が提唱する“ツイスト打法”そのものということから“内股壁ドン王子”と命名された

2000年生まれ大阪府出身。左脚内股で力を受け止めヘッドスピードを出す形が、武市が提唱する“ツイスト打法”そのものということから“内股壁ドン王子”と命名された

「彼こそツイスト打法の申し子!ボクの見る目は正しかった(笑)」(武市)

ものすごく素朴で純粋な少年という言葉が似合う“ザ・中学生”って感じの子だったけど、スウィングを見たらまさにボクがやってる“ツイスト打法”そのものだからビックリしたね。だからボクの中では今の成績は必然だと思ってます(笑)

“地響き王子”こと出利葉太一郎(取材 2018年・当時高校1年)

2人目は「出利葉太一郎」選手です。

何が心に残っているかっていうと、とにかくインパクトの強さです。飛ぶジュニアはたくさんいるし、みんなすごく強いインパクトなんだけど、彼の場合は違うんです。

インパクトのときに、地面が揺れるような強さがあって、近くで見てると体全体でインパクトの衝撃を感じるんだ。打つたびに心臓がドキドキしたのをいまでも覚えています。

こんな経験はジャンボさんが練習している風景を見たとき以来の感覚でした。

そして彼のオモシロイ点は、九州ではメジャーなゴルフメソッドの“桜美式”でやっているところ。だからグリップはテンフィンガーなんだよ、これにも驚いたね。

心に残っているジュニア②
地面を揺らすインパクト持つをテンフィンガー出利葉太一郎

画像: 2001年生まれ福岡県出身。時松プロと同じ“桜美式”でゴルフを覚えたことでテンフィンガーで打ち、地面が揺れるほどインパクトの強さがあったことで“地響き王子”と命名

2001年生まれ福岡県出身。時松プロと同じ“桜美式”でゴルフを覚えたことでテンフィンガーで打ち、地面が揺れるほどインパクトの強さがあったことで“地響き王子”と命名

「彼のインパクトの衝撃はジャンボさんを初めて見たとき以来の感覚でした」(武市)

飛ぶジュニアがたくさんいたけど、インパクトの強さは彼がナンバーワン! 日本のトップというより世界で戦えるポテンシャルはあると思ってるから、これからもっと注目したいです。

画像: 学校のインドア練習場で取材が行われ、とにかくインパクトの強さは一級品だったという

学校のインドア練習場で取材が行われ、とにかくインパクトの強さは一級品だったという

“押し込み王子”こと岡崎錬(取材 2014年・当時高校1年)

最後は「岡崎錬」選手です。

いまは試合にはあまり出れていないみたいですけど、いままで会ったジュニアのなかでトータル的に見てナンバーワンの選手でした。

アドレス、グリップ、スウィング、リズム、バランス、出球、そして人間性……。

すべてにおいて非の打ちどころがない選手でした。そんなにヘッドスピードは速いほうではなかったけど、彼も出利葉くんと同様、インパクトの強さはすごいモノがありました。

背丈もボクと同じくらいの少し小柄だから、より親近感が湧いたってのもあるけど、生まれ変わったら錬くんのようなスウィングしたいな~って思ったくらい印象に残っています。

心に残っているジュニア③
非の打ちどころがない天才ゴルファー岡崎錬

画像: 1998年生まれ岐阜県出身。無駄な動きがないスウィングで、インパクト前後を限りなくヘッドを低く長く動かせる技術を持っていたことから“押し込み王子”と命名

1998年生まれ岐阜県出身。無駄な動きがないスウィングで、インパクト前後を限りなくヘッドを低く長く動かせる技術を持っていたことから“押し込み王子”と命名

「生まれ変わったら錬くんみたいなスウィングになりたいと本気で思った」(武市)

アドレス、スウィング、リズム、バランスすべてにおいて完璧すぎて衝撃を受けました。いまは苦戦しているみたいだけど、いつかはわからないけどきっと表舞台に出てくることを信じてます。

画像: ヘッドが低く長く動くように、インパクト前後のヘッド軌道の上に棒を置き、当たらないように練習する光景に仰天した

ヘッドが低く長く動くように、インパクト前後のヘッド軌道の上に棒を置き、当たらないように練習する光景に仰天した

ほかにも心に残っているジュニアは3~4名ほどいるんだけど、あえて今回は彼ら3名を挙げさせてもらいました。

ボクは普通の人とはちょっと違った観点で見ているのかわかりませんが、彼らは3人はいまでも夢に出てきそうなくらい印象に残っているジュニアであることは間違いありません。

※2024年10月29日号「ぴたり10周年。キミ王子SP」より

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