共和党の支持者が多いとされるゴルフ界だが、先のペンシルベニア州の集会で、トランプ氏は何を思ったのか、ゴルフ界のヒーローを冒涜したのだ。
そのヒーローというのはアーノルド・パーマー。ペンシルベニア生まれで、集会を行ったラトローブにある空港の名前(アーノルド・パーマー・リージョナル空港)にもなっているゴルフ界のレジェンドである。
かつては「パーマーをアメリカ大統領に」という話も出たほど人気を博し、“実力のジャック・ニクラス、人気のパーマー"と称されたこともある。パーマーの人気のおかげでプロゴルファーの賞金は上がり、「現在の米ツアーがあるのはパーマーのおかげ」とまで言われている。
そんなレジェンドのお膝元で開催された集会で「トランプ氏は最初の10分間を政治について語ることなく、パーマーに関する話だけをした」とワシントンポスト紙は伝えている。
「アーノルド・パーマーは“allman”だった。私は女性を尊重しているし、女性を愛しているが、この男は誰よりも男らしくタフだった。彼がほかの選手たちと一緒にシャワーを浴びた際、出てきた選手たちは『オーマイゴット、信じられない』と言っていたんだ」とトランプ氏。
あろうことか、集会の場でパーマーについて“下ネタ"を語ったのだ。その後トランプ氏は話題を変え、ハリス副大統領への攻撃などをしたが、ワシントンポスト紙によれば、「とにかく話が横にそれてばかり。急に話の主題を変えたり、彼の話は個人攻撃で満ちあふれていた」としている。
この集会が行われたのは大統領選の17日前。ペンシルベニアは激戦区のなかで最も選挙人の多い州で、ここを取れないことには大統領選に勝つのは難しい。ゴルフ界の英雄を冒涜する発言は、トランプ氏にとって決定的なマイナス要因になるかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト11月12日号「バックナイン」より一部抜粋