2014年に始まった『キミこそ王子だ‼』が連載を開始して10年が経った。10周年企画の第4弾として、武市悦宏プロがいまでも深く印象に残っているという女子3名をピックアップ。『みんなのゴルフダイジェスト』では、誌面の都合で割愛した武市プロ&担当編集の思いを加筆した全文を公開!

今回もボクの心に響いた印象に残っているジュニアの女子編ということで3名ピックアップさせてもらいました。もちろん独断と偏見で選んでいますのでご了承ください(笑)。

“ダイヤモンド王女”こと後藤あい選手(取材 2022年・当時中学2年)

1人目は「後藤あい」さんです。

中2のときだったんだけど、もうスウィングの完成度が高すぎて、お世辞抜きに本当にプロゴルファーが打っていると思いました。構えた時からの風格、そしてスウィングのバランス、リズムやテンポ、力の出し方、すべてにおいて中学生とは思えないというか、もうツアー何勝してるんですか? って思えるほどでした。どうやったらこんなスウィングになるのか取材してたんだけど、とにかく昔から軟らかくしなるシャフトを使ってるってことがわかったんだ。

コーチの勧めで使ってるみたいだけど、すごくいいコーチだな~と感心しました。ほとんどの親やコーチは上手くなると、ちょっとハードめのスペックを使わせる傾向にあるけど、ボクもそれはあまり賛同できなんだよね。どうしても力んじゃうからスウィングバランスが壊れることがあるからね。だからこんな素晴らしいスウィングになるんだな~って思ったことが印象に残っています。

いまはまだ高校2年生で、順調にいけば来年プロテストを受けて普通にいけば通過すると思うけど、結果はどうであれ今後、間違いなく日本を代表する選手になると思ってます。

心に残っているジュニア①
いますぐ世界で戦える高品質なスウィング 後藤あい選手

画像: 2008年生まれ兵庫県出身。現在、松蔭高等学校1年。スウィングの質、バランス、リズム&テンポすべてにおいてこんなジュニアがいるのかと驚愕。ダイヤの原石を見つけたという気持ちから“ダイヤモンド王女”と命名された

2008年生まれ兵庫県出身。現在、松蔭高等学校1年。スウィングの質、バランス、リズム&テンポすべてにおいてこんなジュニアがいるのかと驚愕。ダイヤの原石を見つけたという気持ちから“ダイヤモンド王女”と命名された

「プロゴルファーが打っていると本当に勘違いしました」(武市)

遠くのほうで「プロが打ってるな~っ」て思いながら近くへ行ったら彼女でした(笑)。まだ中2なのに、スウィングの迫力というか完成度が高すぎて、もう何を話したらいいのかわからなくなるほどパニックになりましたね。

画像: 完成度の高いスウィングをみて唖然とする武市プロ

完成度の高いスウィングをみて唖然とする武市プロ

“ストイック王女”こと河本結(取材 2016年・当時高校3年)

2人目は黄金世代の「河本結」プロです。

彼女は何が印象に残っているかというと、今まで会った女子のなかで一番スウィング理論についてよく考えてかなり語っていたということです。イチロー選手の“タテ振り”を意識してスウィングに取り入れていると言ったり、一番ビックリしたのはジャンボ尾崎さんを指導したことで知られる伝説のコーチ“後藤修”のスクエア打法のことまで知ってたこと。

画像: 武市を転がした笑顔はいまも健在!

武市を転がした笑顔はいまも健在!

だからなのか、当時のスウィングは力強いドローで打っていたのも目に焼き付いています。あと、大人であろうと臆することなく堂々と話す姿がすごく印象的で、取材のとき着ていたウェアがプチトマトの絵柄で「かわいいね~」なんてセクハラまがいのこといったら、キャディバッグからプチトマトを出して「トマト好きなんですぅ~」なんて言うんだもん、おじさん転がされまくりました(笑)。

心に残っているジュニア②
見た目とは裏腹の荒々しいドローが印象 河本結

画像: 1998年生まれ愛媛出身。黄金世代のひとり。スウィング作りのために、イチローの振り子打法やさまざまなスウィングについて研究していることから“ストイック王女”と命名

1998年生まれ愛媛出身。黄金世代のひとり。スウィング作りのために、イチローの振り子打法やさまざまなスウィングについて研究していることから“ストイック王女”と命名

「ジプシー後藤の理論を話しだしたときはビックリしたよ(笑)」(武市)

スウィング論を語るのが好きで、イチロー選手のフォームを取り入れたり、ジャンボ尾崎の師匠ともいわれる“ジプシー後藤”こと後藤修さんのことまで語りだした時はビビりました。

画像: 雑巾王子と呼ばれている武市だが、河本から「雑菌王子でしたっけ?」といわれショックを受けてこの表情

雑巾王子と呼ばれている武市だが、河本から「雑菌王子でしたっけ?」といわれショックを受けてこの表情

“世界基準王女”こと仁科優花選手(取材 2023年・当時中学2年)

最後は「仁科優花」さんです。

彼女も後藤さん同様、中2のときに取材させてもらったんだけど、後藤さんとは違う意味で彼女もプロゴルファーかと思いました。

体幹の強さは、いままで出会ったなかで一番強くてしっかりしていて、強く振ってもとにかくブレない。スウィングも笹生優花選手に似ていて迫力満点で度肝を抜かれました。飛距離は出るんだけど、それ以上にボールの質というのかな、推進力が強くて風に負けない弾道っていうのかな。上手くボールにパワーを伝えられているんだなって関心仕切りでした。

もちろんトレーニングもしているみたいだけど、基本的にはマシンを使うのではなく階段の上り下りや自重トレーニングをやっているからバランス感覚が良いんだな~と思った記憶があります。いままだ中3だから、これからどうなるかわからないけど、上手く成長していってくれるだろうと楽しみです。

心に残っているジュニア③
キレとパワーを兼ね備えた逸材 仁科優花選手

画像: 2010年生まれ千葉県出身。現在、中学3年。ほどよく鍛えられた下半身と力感あるリズムと素晴らしいバランスから繰り出される迫力満点のスウィングに“世界基準王女”と命名

2010年生まれ千葉県出身。現在、中学3年。ほどよく鍛えられた下半身と力感あるリズムと素晴らしいバランスから繰り出される迫力満点のスウィングに“世界基準王女”と命名

「ボールをとらえる姿がとにかくカッコいい‼」(武市)

まだジュニア、それも中学生なら思いっ切り振ったら、多少なりとも体がフラつくのが普通だけど、彼女はまったく軸がブレず体幹と足腰の強さがものすごく印象的でした。

画像: 口数は少ないけど鋭い眼光に秘めた闘志を感じたという武市

口数は少ないけど鋭い眼光に秘めた闘志を感じたという武市

ほかにもスゴイ選手はたくさんいたけど、何度も言うように誰がどうなるかなんてわからないです。以前ジュニアゴルファー育成に定評がある青木翔コーチと対談したときも「プロになる」ことが「幸せ」ではない、という話がありました。ゴルフはずーっと楽しんでいってもらいたいけど、ゴルフが人生のすべてではないことをジュニア選手はもちろん、親御さんも強く理解してほしいと取材を通じて思いました。

一番大切なのは「ゴルフが大好き!」って気持ち。結果的にそういう選手が伸びているような気がします。

主役であるジュニアをこれからも全力で応援し続けていきます!

※2024年11月12日号週刊ゴルフダイジェスト「ぴたり10周年。キミ王子SP」より

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