飛びと操作性を両立させた実践型アイアン
GD 今回は『オノフ アイアン ラボスペック RB-247M』(以下、RB-247M)を『アイアン AKA』(以下、AKA)と比較しながら分析していただきます。フェース素材を見ると軟鉄よりも硬く、弾きが良いマレージング鋼が使われており、“飛び系”を謳うアイアンでよく採用されています。『RB-247M』も飛距離性能に特化しているのでしょうか?
松尾 確かにフェースに使用されている素材は同じですが、飛距離性能だけにフォーカスされたアイアンではないように感じました。リアルロフトを見ると設計意図が見えてきます。『AKA』が28.2度とストロング設定なのに対して、『RB-247M』は30.5度と抑えられています。アイアンで飛距離に一番影響するのはロフト角になります。ですから飛距離性能を高めるために最近では立てられているわけです。
しかし『RB-247M』は少し立たせている程度に抑えられていることから、飛びだけではなくボールを上げて狙えるアイアンとして設計されていると思います。
GD 飛び系アイアンは飛距離性能が魅力的ではありますが、ストロング設定すぎるあまり、フェアウェイのあるがままから打つことが難しいですね。そのウイークポイントを小さくして程よく飛ばせつつ、しっかり狙えるロフト角に設定にしたわけですね。他に特徴はありますか?
松尾 しっかりグリーンを狙えるという部分に加えてヘッドの操作性も備わっています。ネック軸回りの慣性モーメントを比較すると「AKA」が6323g・㎠、「RB-247M」が5812g・㎠と抑えられています。場面によって打球の打ち分けもできるヘッド性能だと思います。
GD つまりアイアン本来の機能が搭載されているわけですね。他のヘッドデータで気になるところはありますか?
松尾 構えた時の見た目にも影響するFP(フェースプログレッション)に大きな違いがありました。『AKA』が2.6ミリとグースネック設定ですが、『RB-247M』は3.8ミリとボールに対して素直に構えやすい顔になっています。
GD 『RB247-M』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 紹介したヘッドデータ以外にバウンス角も特徴があり、7.0度と大きいです。対照的に『AKA』が1.4度と小さい設定になっています。これらを踏まえるとダウンブローで上から打ち込むスウィングで飛ばしながら狙える実践型アイアンを求めているゴルファーは試してみるといいでしょう。