好天に恵まれ気温は20度、風も1.5メートルと絶好のゴルフ日和になりました。この大会は寒い印象が強かったのですが半袖姿のギャラリーも多く見られました。リーダーボードを見ると、自宅から30分という河本結選手が危なげないプレーで7バーディ1ボギーとスコアを伸ばします。プレーのテンポもよくバーディが続いても続かなくても切り替えが上手くできているな、という印象です。
前週予選落ちしながらも年間女王を決めた竹田麗央選手は、最終日に残れなかった悔しさを晴らすべくリセットして臨み、インコーススタートの11番パー5で2打目を3Wで1.3mに付けイーグルを奪うと連続バーディでスコアを伸ばします。17番510ヤードの打ち下ろしのパー5では、2打目の180ヤードを6番アイアンで楽々2オンからのバーディとし「伸ばし合いは初日が大事」と良いスタートが切れたことで9勝目に向けて視界良好です。
初日に注目したのは今シーズンをもってツアーへの出場をお休みするという上田桃子選手。ツアー会場にいて当たり前の姿が見られなくなるのはとても寂しいものです。これまで18勝を挙げる活躍の影には自分に厳しいアスリートとしての姿がありました。その姿を目に焼き付けようとする多くのギャラリーを連れてのラウンドになりました。
前半にチャンスを決められず、17番までパーを並べますが18番でダブルボギーとし、2オーバーで折り返します。後半は2番のパー4では、2打目をFW右のバンカーからグリーン右に外し、ライの悪さもあり乗らず、寄らず、入らずのダブルボギーを喫します。3番池越えのパー3ではグリーンにわずかに届かず池に転がり落ちボギーと厳しい表情が続きます。
もちろん状態が良ければ事実上の引退宣言はしないはずなので、思うようなプレーができないであろうことは想像していました。11年間コンビを組む辻村明志コーチは「お疲れ様しかない」とこれまでの良い時も悪い時も共に乗り越えて来た上田選手をねぎらいます。
6番パー4で今日初めてのバーディを奪うとギャラリーからの声援に応えます。しかし続く7番をボギーとしトータル5オーバー、90位タイで初日を終えました。
「1番2番と良いバーディチャンスを決められなくて、そこからなかなかチャンスにつかない時間が続いて、という感じでした。とりあえず良い流れを作りたいと思っていたので、初めの1個のバーディに集中していこうとは思っていたんですが、たくさん考えている部分と、自分自身で泥臭く行きたいと昨日言っていて、逆に泥臭くってどんな感じだったかなという感じで。なかなかそう出来ていないというか、頭で考えてやってしまっているところがすごくあるので、なかなか感覚が出ないなと思いながらやっていました」(上田桃子)
上田選手を長く応援するファンたちはどんなプレーでも温かく見守り、上田選手の姿を目に焼き付けようとしているように見えましたが、私もそのうちの一人。18勝の裏には惜しくも敗れた試合も多くあったはずです。苦しいシーズンもあったはずです。そういった悔しさをバネに、何度も立ち上がり優勝を重ねてきたアスリートに対してのギャラリーからの温かい声援は胸に響きました。明日もその雄姿を目に焼き付けたいと思います。
シード権争いに目を向けると、ポイントランク50位に位置する木戸愛選手はイーブンパー48位タイ、52位の仁井優花選手は3アンダー20位タイ、53位の岡山絵里選手は4アンダー7位タイ、55位の笠りつ子選手は2オーバー74位タイ、56位の内田ことこ選手は3アンダー20位タイ、57位の宮田成華選手は1オーバー64位タイとなっています。まだ初日を終えただけですが順位の変動はありそうです。
明日も現地からのレポートをお届けします。
写真/岡沢裕行