「大王製紙エリエールレディス」の3日目は上位陣が大きくスコアを伸ばし伸ばし合いの展開。首位から7つスコアを伸ばした山下美夢有、2位には6つスコアを伸ばした鈴木愛が4打差で続く。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。

昨年まで、2年連続年間女王だった山下美夢有選手が本来の強さを発揮してきました。今季は23試合に出場し16回のトップ10フィニッシュ。そのうち2位が7回という成績を残しています。パー71の今大会では65・65・64と大きくスコアを伸ばしていますが、ラウンド後の囲み会見では「パターが入るとスコアが伸びる」と話します。

画像: 「大王製紙エリエールレディス」の3日目を終え2位に4打差つけ首位を守った山下美夢有

「大王製紙エリエールレディス」の3日目を終え2位に4打差つけ首位を守った山下美夢有

既報の通り今週からパターをオデッセイ「2ボールTEN」を投入していますが、「パターのバランスはすごく大事なんだとわかったので、それが合っている。ストロークしやすくて今週は上手くハマっています」と新しいパターの投入に手ごたえを感じているようです。

それまで使っていたヘッド重量360グラムのモデルから速いグリーンに合わせて軽めのパターにチェンジしましたが、同じヘッドスピードで重量差のあるパターを比べると、軽いほうは衝突のエネルギーは小さくなるので転がる距離も短くなるぶん「打てる」という感覚になるでしょう。重いパターの場合は、打たなくても転がってくれるので速いグリーンのタッチを合わせやすいという選手もいます。読者の皆さんにはどちらがマッチしているでしょうか。

さて、山下は3日目の7つのバーディを「ショットで取れたバーディ」といい、復調してきたショットにパットが噛み合い、追い上げを狙う後続よりも良いスコアで終え、2位との差を4打に広げ最終日へと向かいます。

この3日間でボギーフリーで4打差2位タイに位置する鈴木愛選手は、ストレートに近いドローボールで風にも強く、糸を引くようにターゲットに飛んでいきます。ショットの好調さを感じさせるプレーでしたが、今週は「特にパットがすごく良くなった」と話します。3日間ノーボギーはショットだけでは達成できませんので、パット名手のパッティングが戻ってきたようです。

画像: 3日間ノーボギーでシルバーコレクターを返上したい鈴木愛は最終日に4打差を追いかける

3日間ノーボギーでシルバーコレクターを返上したい鈴木愛は最終日に4打差を追いかける

14、15、17、19、21、22年に2位とこの10年で2位が6回、また16年は3位と、勝てていないことから「勝っておきたい試合の一つ」と毎年勝つことを目標にコースに入っていたといいます。それを昨年の予選落ちから「あまり自分に期待せず、割と淡々とプレーできている」と振り返ります。「近くに付けて少しでもバーディトライを多くしていきたい」と2度の賞金女王が、2年連続年間女王の山下選手を追いかけます。

同じく4打差の2位タイには、政田夢乃選手が6バーディノーボギーでプレーし、メルセデス・ランキング61位からのシード入りを目指します。前週の「伊藤園レディス」では初日にコースレコードタイを記録するも「ガツガツ行き過ぎて、もったいないボギーが多かった」と攻め過ぎないゴルフに徹したことで、逆転シード入りの可能性のある位置で3日目を終えています。

画像: ポイントランク61位から逆転シード入りを目指す政田夢乃

ポイントランク61位から逆転シード入りを目指す政田夢乃

政田選手は、とにかくパットが入っていました。クロウグリップから安定したストロークでラインにしっかりと乗せていました。「予選は強気で打って3パットとか、もったいないのもあった」といい、ライン読みからタッチを合わせる意識にしていると話しました。

政田選手は明日の最終日に単独5位以内でフィニッシュできれば、QTランク147位からスタートしたルーキーイヤーに19試合の出場でシード権を獲得できる公算が大きいです。

11アンダー8位タイグルーブに位置するポイントランク56位の内田ことこ選手は単独18位以内でシード権を獲得、同じく8位タイの岡山絵里選手は単独21位以内でシード権獲得と、明日は来年1年間の職場を確保する18ホールのプレーになっています。明日も現地からのレポートをお届けします。

写真/岡沢裕行

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