パー71の設定の今大会で山下選手は初日から65・65・64・68とスコアを伸ばし、26バーディ4ボギーの22アンダーのトーナメントコースレコードで今季2勝目を飾りました。最終日は少しショットがブレたシーンもありましたが、前半は1バーディノーボギーで折り返し、後半の11番パー5、12番パー3できっちりとバーディを奪い、追いかける鈴木愛選手を突き放します。
![画像: 「大王製紙エリエールレディス」を22アンダーのトーナメントコースレコードで勝利し、今季2勝目を飾った山下美夢有(写真/岡沢裕行)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2024/11/17/f2e70cd6a81f0cbc21b133c438b939f66d09be76.jpg)
「大王製紙エリエールレディス」を22アンダーのトーナメントコースレコードで勝利し、今季2勝目を飾った山下美夢有(写真/岡沢裕行)
今週から投入したパターのオデッセイ「2ボールTEN」が「グリーンにマッチしてくれた」と、これまでよりもヘッド重量を少し軽くしたことで「振りやすくなりタッチも合っていた」と優勝会見で話しました。山下選手はこれまでもグリーンのコンディションやストロークに合わせてパターをチェンジしながら好成績を重ねて来ましたので、パターを替えることを肯定する選手でもあります。
![画像: 今週から投入したオデッセイ「2ボールTEN」で4日間で26個のバーディを奪った(写真/中村修)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2024/11/17/8828d8ae4004fc4500e03f08e378e55d2af461a2.jpg)
今週から投入したオデッセイ「2ボールTEN」で4日間で26個のバーディを奪った(写真/中村修)
今日のプレーでポイントになったシーンでもある15番の10メートルを決めたバーディパットについては「ラインはフックで読みやすかった。(カップに)蹴られることが多かったので最終日は難しいなと思っていて、決めたいパットが入ってくれなかっただけに、あの長いのが入ってくれてよかった」と振り返ました。
そのあと16番のパー3でグリーン右横のバンカーに外してボギーとすると、17番ではティーショットがピンまで190ヤード弱の地点まで飛び、3打目勝負のプランのはずが5Wで届く距離まで飛んでいました。2打目も奥のバンカーまで届いたことを質問すると、「アドレナリンですね。あんなにティーショットも飛ぶと思わなかったので、3打目勝負だと思っていました。思い切って打ったらアドレナリンが出過ぎて飛んでしまったので、奥のOBまで行っていたら危なかったですね」と、優勝争いの終盤に、想定よりも飛びすぎる現象が山下選手にも起こっていました。コンビを組んだ藤野キャディによると2打目は210ヤードは飛んでいたようです。
![画像: 勝利のキーポイントとなった17番パー5の2打目(写真/岡沢裕行)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2024/11/17/83f5a8e9fc9103aa17437444f4b6e3a7799d04e0.jpg)
勝利のキーポイントとなった17番パー5の2打目(写真/岡沢裕行)
それでも奥のバンカーから2メートルに寄せてバーディを奪ってリードを保ち「17番が大きかった」と、自らの手で勝利を盤石なものにしました。大会3日目までの好調さを出せてはいないように見えましたが、この勝利で13勝目となる山下選手は「勝ち方を知っている」強さを感じました。
今大会のFWキープ率1位、パーオン率4位、平均パット3位という抜群の安定感の仕上がりで、次戦の3連覇のかかる「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」、そして米女子ツアーの最終予選会Qシリーズへと続きます。
今大会終了時のメルセデス・ランキング50位以内に入るとシード権、55位以内に入ると前半戦出場権を得ますが、それも確定しました。逆転でシード入りしたのは12位タイで終えた岡山絵里選手(49位)、内田ことこ選手(50位)。
55位以内では53位に木戸愛選手、54位に31位タイで終えた仁井優花選手、55位に25位タイで終えた笠りつ子選手に決まり、7位タイで終えた政田夢乃選手は、56位でシーズンを終え、ファイナルQTへと進むことが決まりました。
![画像: 12位タイで終えメルセデスポイントランク50位に入りシード権を獲得した内田ことこ(写真/岡沢裕行)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2024/11/17/7d327cbab9df71f50dc2c0bb7183e3cf8df4538c.jpg)
12位タイで終えメルセデスポイントランク50位に入りシード権を獲得した内田ことこ(写真/岡沢裕行)
「たられば」になりますが、15、16番と連続バーディで迎えた17番のチャンスを決めきれていれば、逆転で55位以内の前半戦出場権は獲得できていたことになります。
ラウンド後の囲み会見では、17番を外して18番もバーディを狙っていたといい、「最終日にスコアを伸ばせないという課題もありますので、来年はそこを改善したい」と話しました。ぎりぎりのラインでQTに行く準備もしてきたようで「初めてのファイナルQTなのでしっかり上位を狙っていきたい」と前を向きます。
![画像: 7位タイで終えるもメルセデス・ランキングは56位。ファイナルQTへと進む政田夢乃(写真/岡沢裕行)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2024/11/17/bdf31efd0cb603e0572bf4a3f4aa5af410ec1b2b.jpg)
7位タイで終えるもメルセデス・ランキングは56位。ファイナルQTへと進む政田夢乃(写真/岡沢裕行)
山下選手、鈴木選手のプレーについて「ミスが見えないというか、しっかりFWキープして、攻めるところは攻め、守りながら攻めていたので勉強になった」と歴戦の優勝者の戦いを見て学べたのも優勝争いの位置でプレーできたからこそ。来季は数多く優勝争いする姿を見せてくれることでしょう。
いよいよ24年シーズンも残すところ最終戦のみとなりました。会場となる宮崎CCは左ドッグレッグのホールが多くドローヒッターが有利なコース。山下選手の3連覇なるか、年間女王のフェードヒッター竹田麗央選手がどう攻略するか、現地からレポートをお届けします。