2014年に始まった『キミこそ王子だ‼』が連載を開始して10年が経った。10周年企画の第5弾として、数多くのトップジュニアに出会ってきた武市悦宏プロが「球扱いが上手すぎるセンスの塊」という3名をピックアップ。『みんなのゴルフダイジェスト』では、誌面の都合で割愛した武市プロ&担当編集の思いを加筆した全文を公開! 今後、注目度が高くなるはずなので、知っておいて損なしですよ!

今回はとにかくセンスをビンビンに感じさせてくれたジュニアを3名ピックアップさせてもらいました。毎回いいますが、独断と偏見で選んでいることをご了承ください(笑)。

初めになぜいまから挙げる3名を選んだのか。そのポイントをお伝えします。3つあって1つは「小柄」。2つ目は「持ち球がドロー」。最後は「ヘッドの走らせ方」。これらを総合して考えて選ばせてもらいました。

“ヨコ乗り系王子”こと清本貴秀選手(取材 2023年・当時中学3年)

ということで、1人目は「清本貴秀」くんです。

彼はとにかくヘッドの走らせ方が上手い! 細身で小柄な体形だけどロングアイアンで高い球を簡単に打つことにビックリしました。別にパワーがあれば打てるんだけど、彼はパワーではなくフェースでボールを運ぶ技術で打っている。それはヘッドの使い方が上手い証拠だし、細身なんだけどスウィング中、体の軸がまったくブレない。というか、難しく言うとスウィング軸を勝手にコントロールしながら振っているようにも感じました。これは生まれながらのバランス感覚があるからできることだと思わざるを得ません。

センスの塊ジュニア①
起きてすぐに芯で打てそうなバランス感覚 清本貴秀選手

画像: 2008年生まれ愛知県出身。現在、福井工業大学附属高等学校1年。素振りなしでいきなりロングアイアンを力むことなく打てるスウィングバランスと、父親がサーフィンの元プロ選手ということもあって “ヨコ乗り系王子”と命名

2008年生まれ愛知県出身。現在、福井工業大学附属高等学校1年。素振りなしでいきなりロングアイアンを力むことなく打てるスウィングバランスと、父親がサーフィンの元プロ選手ということもあって “ヨコ乗り系王子”と命名

「あんなに軽く振ってロングアイアンで高さが出せるなんてビックリ!」(武市)

フェースにボールを乗せて運び打つという感覚が鋭くて、ロングアイアンの弾道の高さにはビックリしました。体の線は細いけど体幹の強さがあるから、軸がブレることなくバランスよく振れるんでしょうね。

画像: 貴秀くんの姉は昨年プロテストをトップ合格した清本美波プロ

貴秀くんの姉は昨年プロテストをトップ合格した清本美波プロ

“フィーリング王子”こと篠原和樹選手(取材 2023年・当時中学3年)

2人目は「篠原和樹」くんです。正直いって、ボクはこの連載を始めたときから彼みたいなジュニアと早く会いたかったんで、会ったときはうれしかったです。どういうことかっていうと、ちょっとヤンキーっぽくてヤンチャな子(笑)。感性だけを頼りにして小さい体全体を使ってヤンチャに振りまくるオラオラ系。でも狙ったところに打てる技術力を兼ね備えている。ワイドスタンスに構え、シャットフェースのオーバースウィング。インパクトからフォローにかけて左足が宙に浮くほど思いっきり振り切っていく。まあまあ荒っぽいスウィングに見えるけど、すべて理にかなっているから飛距離も出るし、いろんな弾道も打ち分けられる。ほとんど独学でやっているって言ってたからスゴイ感性が強いと思うし、何よりも気持ちよさそうで見ていてワクワクしたのを覚えています。

センスの塊ジュニア②
気持ちよすぎるほどマン振りナンバーワン! 篠原和樹選手

画像: 2007年生まれ愛媛県出身。ほぼ独学でゴルフを覚え、それも練習するときはほぼ鳥かご。あとは行き当たりばったりで思いっきり振り切ってボールを打つことに徹している姿を見て“フィーリング王子”と命名

2007年生まれ愛媛県出身。ほぼ独学でゴルフを覚え、それも練習するときはほぼ鳥かご。あとは行き当たりばったりで思いっきり振り切ってボールを打つことに徹している姿を見て“フィーリング王子”と命名

「左足が浮くほどやんちゃなスウィングにワクワクしました」(武市)

「あとはボールに聞いてくれ!」と言わんばかりに、体全体を使って思いっきり振りちぎる姿に感動したし、なによりもそれでいて狙ったところに打てる技術。彼こそまさにセンスの塊です。

画像: どんな球でも注文すれば打ってくれた篠原くん

どんな球でも注文すれば打ってくれた篠原くん

“キレッキレ王子”こと中本旺希選手(取材 2022年・当時中学2年)

そして最後は「中本旺希」くんです。彼はここに出てくれるジュニアたちよりゴルフを始めたのが少し遅くて小学5年からクラブを握ったそうだけど、1年後には「中四国オープン」に出場するまで一気に駆け上がった選手です。でも、正直スウィングを見たらその結果は当然だと思いました。とにかく抜群のリズム&テンポ。そしてマシンかと思うほどの“ザ・オンプレーン“のスウィング。これって教わってすぐできることではないから、まさにセンスの塊としか言いようがないです。もう一度、彼のスウィングを見てみたいと今でも思います。

センスの塊ジュニア③
トップからの切り返しのキレのよさが半端ない! 中本旺希選手

画像: 2007年生まれ広島県出身。現在、瀬戸内高等学校2年。ゴルフを始めて1年で「中四国オープン」に出場するほどの天才的なセンスを持ち、リズム&テンポがマキロイそっくりのシャープなスウィングを見て“キレッキレ王子”と命名(撮影/アラキシン)

2007年生まれ広島県出身。現在、瀬戸内高等学校2年。ゴルフを始めて1年で「中四国オープン」に出場するほどの天才的なセンスを持ち、リズム&テンポがマキロイそっくりのシャープなスウィングを見て“キレッキレ王子”と命名(撮影/アラキシン)

「何回見ても飽きない天性のリズムの持ち主」(武市)

ゴルフを始めて1年で予選会を勝ち上がって、プロが出場する大会に出るほどの才能があるのはもちろんだが、キレのいいスウィングのリズム&テンポは生まれながらにして持っているセンスとしか言いようがないです。

画像: バネのように柔らかいスウィングに惚れ惚れ(撮影/アラキシン)

バネのように柔らかいスウィングに惚れ惚れ(撮影/アラキシン)

センスがいいことは潜在能力が高く伸びシロがあるということだけど、当然それだけでは上には行けません。ウサギとカメじゃないけど、やっぱりコツコツ努力した人が最終的には絶対に勝つとボクは思っているので、全国のジュニアたちみんなにもがんばってください!

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