曇り空の2日目も伸ばし合いの展開になりました。6アンダー首位タイからの山下美夢有、5アンダーの竹田麗央、2アンダーの青木瀬令奈選手の最終組の後半9ホールに付いて歩きました。山下選手はいくつかチャンスを外しながらもショット、パットともにとても安定したプレーで8バーディ2ボギーでスコアを6つ伸ばしました。
いつも通りのハーフスウィングのルーティンからピンに絡むショットを見ていると高いフェースのコントロール性、距離感の出し方など本来の調子が戻って来ている、と感じました。ドローヒッターは右サイドに切られたピンは攻めにくいはずですが、12番パー3、16番パー3でもピンを攻めしっかりとバーディを奪います。とくに15番パー4で右サイドに切られたピンを攻め右奥に外しボギーとした後の16番で右から5ヤードに切られたピンに、グリーン右のバンカー上空からドローで回してピン右サイドに着弾させたショットには目を疑うほどでした。直前のホールでのミスを前の組が終わるのを待つ間にスウィングを修正し、同じ右サイドのピンを攻めてバーディを取る姿に2年連続年間女王の強さを見た気がします。
17番パー5では2打目をレイアップし、3打目をピン近くに寄せ連続バーディ。18番は右のラフからグリーン右手前のバンカーに入れボギーとしましたが、3打のリードを持って4日間大会を折り返しました。
今週から新しいパターを投入していることも2日間で14個のバーディ奪う原動力になっていることでしょう。これまで使用していたピンのマレットタイプ「PLD OSLO3」からオデッセイ「2ボールTEN」にチェンジ。ピンのモデルよりも少しヘッド重量が軽く「速いグリーンではヘッドが重くないほうが良い」との理由で選んでもらえたと、オデッセイのツアー担当者は教えてくれました。
山下選手はこれまでもグリーンのコンディションに合わせてパターを選んで来ましたので、早速その効果が表れたようです。年間女王は竹田選手に決まりましたが、今大会と最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で優勝する最有力候補になることでしょう。
一方の竹田選手は、ショットの調子は今一つ。右サイドのピンに対して少し引っかけ気味に左サイドに乗せるシーンも何度か見られましたが、11番までの4つのバーディを奪い、9アンダーまでスコアを伸ばしていました。しかし17番のパー5でフェアウェイ左のバンカーから2オンを狙った3UTのショットが右に出てOBとしダブルボギー。グリーン周りにはOBも近くリスキーな選択だったとは思いますが、フェアウェイバンカーのライも良かったこと、まだ2日目だったことなどを考えても積極的にグリーンを狙う姿勢こそ今季の竹田選手の躍進の源だと言えます。
続く18番ではティーショットを右に曲げ、ラフからの2打目をグリーン右横に外しますが、そこからチップインバーディで観客を沸かせ、山下選手に4打差の9位タイで終え残り2日間で追いかけます。
青木瀬令奈選手はまだ右足の状態が思わしくなく、特にアップダウンのあるコースの後半には痛みも出ているようです。前年優勝者として山下、竹田選手との組み合わせになりましたが16番のボギーで1アンダーに後退、17番ではバーディパットを外しカットラインに1打及ばず予選落ちとなりました。
右足の状態を回復させるには休養しかないと言われるなかで、来週の最終戦に向けて休めることをポジティブに考え最終戦に臨むと話してくれました。
リーダーボードに目を戻すと最終組がスタートした時間帯では6アンダーに11名が並ぶ混戦模様から終わってみると6つスコアを伸ばした山下選手が単独首位。2位タイに最終戦への出場権がかかるささきしょうこ、ポイントランク56位に位置する内田ことこ、ポイントランク61位に位置する政田夢乃がいて、ポイントランク53位の岡山絵里選手らが上位で終えています。
残り2日で最終戦の出場権、逆転シード入り、55位までの前半戦出場権、70位以内のQTファイナルステージへの出場権などが決まります。明日も現地からのレポートをお届けします。