22年秋にキャメロン・スミスがLIVに移籍した際、同じオーストラリア出身のデイもLIVに移るのでは? という憶測が流れた。あれから2年、なぜPGAツアーに残ったかについて沈黙を守ってきた彼が母国のメディア『コードスポーツオーストラリア』に真相を語った。
冒頭で「(オファーは)断っていない」と本人。正確に言えば、オファーを断る必要がなかったという意味。実は当時「可能性を探るビジネス上の動きはあった」そうだが、LIVサイドは最終的に「ジェイソン(・デイ)は欲しいけれど、彼はケガが多すぎる」と、正式なオファーには至らなかったという。
それに対し「彼らを責めるつもりもないし恨みもない」とデイ。確かに彼は慢性的な背中や腰の痛みを抱えており、激しいめまい(メニエール病)で試合中に倒れたことも。16 年にはフェデックスカップのポイントランク2位だったが、プレーオフシリーズのBMW選手権とツアー選手権を体調不良のため欠場せざるを得なかった。

ジェイソン・デイ(PHOTO/Blue Sky Photos)
19年のマスターズでは試合中に痛み止めの注射を打ちながら試合を続けた。そのときは満身創痍ながら5位タイに入っている。
16年から17年にかけ47週連続で世界ランク1位の座にいたデイだったが、23年初めには175位まで転落。たび重なるケガと自信喪失で一時は「引退も考えた」という。
しかし諦めずPGAツアーに参戦し続けたことで昨年のザ・CJカップで5年ぶりツアー通算13勝目を挙げることができた。
「ツアーに残って良かった。ここは僕にとって完璧な居場所です」
昨年の末にジョン・ラームがLIVへ移籍したとき、デイは「幸運を祈る」とコメントし、「メジャーで会おう」とエールを送った。
「LIVには懐かしい顔がたくさんいるので、また一緒にプレーできることを願っています。でも政治的なことには一切関わりたくないですね(苦笑)」
※週刊ゴルフダイジェスト12月3日号「バックナイン」より一部抜粋