昨年のRSMクラシックでは決勝ラウンドで61-61をマークし大会記録の通算29アンダーで勝利。本格参戦1年目となった24年はメジャー初出場のマスターズで2位、シグネチャーイベントのAT&Tペブルビーチプロアマで2位、プレーオフシリーズ2戦目のBMW選手権でも2位に入りポイントランク16位。優勝こそなかったが輝かしいシーズンを謳歌した。
しかし左膝の半月板断裂の修復手術を9月初旬に受けたためレギュラーシーズン最終戦ツアー選手権以来競技から遠ざかっていた。
競技から離れていた時間を利用して「なかなか変えるタイミングがなかった」というタイトリストの新ドライバーGT2のテストを敢行。今週ロフト9度、ホーゼルポジションD4のGT2にフジクラ Ventus Black 6Xシャフトを装填したニュードライバーを採用することを決めた。

タイトリスト「GT2」ドライバーを新たに投入し、ツアー復帰したラドビッグ・アバーグ(写真/Getty Images)
昨年PGAツアーユニバーシティランキング1位の資格でPGAツアーデビューを果たしてから今季のツアー選手権を終えるまで、彼はタイトリストのTSR2ドライバー(9度、D4設定)を使用しトータルドライビングで3位、ティーショットのストロングゲインドで12位を記録した。
アバーグをライダーカップのメンバーに抜擢した欧州チームキャプテン、ルーク・ドナルドを「とにかくドライバーが上手い」と唸らせた実力で、ツアーでも「ドライバーの名手」として一目置かれる存在だ。
今回アバーグのクラブチェンジに立ち会ったツアーレップのJ.Jことウィーゼンビーグ氏はこう解説する。
「GT3、GT4も試しましたが彼にとってGT2は(フェース面全面が)スイートスポットです。打ち出し角とスピン量が理想的なだけでなく寛容性(ミスヒットしても許容範囲内にボールを運ぶ)を兼ね備えているからです」
およそ1年前、後期のGTプロトタイプをテストしたアバーグのフィードバックを研究開発チームが精査しGT2の完成に繋がったという経緯がある。
ZOZOチャンピオンシップにも来日し選手のサポートに当たっていたウィーゼンビーグ氏はこれまで関わった選手のなかでもっとも衝撃的だったのは? という質問にジョーダン・スピースとアバーグの名前を挙げた。
「とにかくショットガ正確。飛ぶのに曲がらない」と絶賛していたものだ。バッグに入れた新ドライバーは果たして彼の新兵器になるのだろうか?
ちなみに初日は3オーバー73、135位タイと大きく出遅れたがフェアウェイキープ率は78.57パーセント(22位タイ)、ドライビングディスタンスは311.30ヤード(8位)とドライバーは好調のようだ。