タイガー・ウッズがホストを務めるヒーロー・ワールド・チャレンジはスコッティ・シェフラーの圧勝で幕を閉じた。初日出遅れようがトム・キムが10アンダー62の猛攻で迫ろうがZOZOチャンピオンシップの好調を維持するジャスティン・トーマスがトップを奪おうが、シェフラーにとってはどこ吹く風。やるべきことを確実にこなし最終日ノーボギーの9アンダー63をマークすると後続に6打差をつけ当然のように先頭でゴールを駆け抜けた。

最終日NBCテレビの解説席に登場したタイガーはシェフラーの強さについて「穴がない。悪いところがひとつもない」と指摘。

「ショットの曲がり幅が小さい。ドローでもフェードでも完璧なラインで打ちこなし、高低も自在にコントロールしている。アプローチもミスがないしグリーン上も意のまま。こういうプレーをしていれば毎週トップ10に入って当たり前。そのうちいくつかは勝てる」とシェフラーの現在地について言及した。

「水曜日に彼の新しいグリップを見させてもらった。ソフトに握るためにグリップを変えたと言っていた」

シェフラーの新しいグリップは左手の人差し指を伸ばし右手で柄を挟むように添えるスタイル。ショットは全盛期のタイガー並みといわれながら今季の序盤は「パットさえもっと決まっていれば」とグリーン上が弱点であることを指摘されていた。

ライバルのローリー・マキロイから「マレット型のパターに替えることをお勧めする」と言われもした。そのアドバイスを参考にしたのかどうかはわからないが、実際スコッティキャメロンのブレードタイプパターからテーラーメイドのスパイダーツアーX(マレット)に変えてから連勝街道がスタートした。

3月にアーノルド・パーマー招待とプレーヤーズ選手権に勝ち、2位タイを挟んでマスターズとRBCヘリテージで連勝。全米オープンの41位タイだけが悔やまれるがシーズン後半も3勝を加え年間王者にも輝いた。

画像: 優勝セレモニーでホストのタイガーとがっちり手を組むシェフラー(PHOTO/Getty Images)

優勝セレモニーでホストのタイガーとがっちり手を組むシェフラー(PHOTO/Getty Images)

かつてはタイガーとジャック・ニクラスがお互いの全盛期に対決したらどちらが強かったかという議論が交わされたもの。時代は巡りいまはタイガーとシェフラー、どちらが強いかが話題になる。

しかし2人が絶対的に違うのはタイガーが球を曲げながら驚異的なリカバリーでバーディを奪うエキサイティングなプレーヤーだったのに対し、シェフラーは正確なショットで想像通りのプレーをするコンスタントなプレーヤーだということ。

どちらが強いかといえばシェフラーなのかもしれない。だがどちらが我々を熱狂させてくれるかといえば間違いなくタイガーだろう。

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