解説/古川龍之介プロ
ふるかわ・りゅうのすけ。2001年生まれ。日本大学を経て2022年にプロ転向。出身は福島県だが、現在は練習環境を求めて福岡県の雷山ゴルフ倶楽部を拠点にしている。優勝はまだないものの下部ツアーでは度々優勝争いに加わるなど、現在急成長中の注目のイケメンプロ。
個性が違う3種のクラブで“ダラダラ” 打つ
GD プロはラウンド後の練習を必ずやっていますがどうしてですか?
古川 ラウンドという実戦後の練習は気持ちや意識も高まっているので、失敗した反省点を修正するのに体が覚えやすい状態にあるからです。僕の場合は、その日に付いた癖を取り除くためにもやっています。アマチュアの方にとっても有効ですから、コースの帰り道の練習場に寄ってでもやってほしいです。
GD では、具体的に何をやればいいのか教えてください。
古川 まず初めにやることはウェッジ、アイアン、ドライバーの3本での練習です。この3本を使って、ラウンドで知らず知らずにやっている強振する感覚を取り除きます。順番はウェッジから打ちます。このときのポイントは3本とも脱力することと、小さな振り幅で打つことです。
GD アイアンやドライバーもですか?
古川 ウェッジはヘッドが重いので脱力して振りやすいですが、アイアンからドライバーへと長くなるにつれてヘッドは軽くなる。クラブによって重さや長さの違いがあるけれど、振り心地を統一させることが目的なので、まずは小さな振り幅でヘッドを感じることに集中してボールを打ってください。
ハーフショットでOK! クラブに振られる感覚でダラダラショット”プラクティス”
まずは打つ前に!「力んだ手首をグニャグニャ体操!」
打つ前に両手首をブラブラさせる運動を行い余計な力を抜いておく。ラウンド中は知らず知らずのうちに腕や体に力が入っているので、それを一度リセットしてから球を打つことで正しい動きができる。
プラクティス①PW 「フェースでボールを運ぶ感覚が出れば最高!」
ゆっくり振ってフェースにボールが乗っているような感覚をイメージする。できる人は、フック回転やスライス回転を意図的に打ちながら遊ぶ感覚を取り入れると効果的。
プラクティス➁6番アイアン 「ヘッドの重さが感じられれば良しとする!」
ウェッジよりヘッドが軽くなるので手先の動きで打ちやすくなるが、ヘッドの重さを感じながら体全体で軽く振っていく。
プラクティス③ドライバー 「上から叩きにいかずサラッと振る」
最後のドライバーもハーフショットのイメージでサラッと振る。インパクトで強くヒットせずにヘッドが自然に走る感覚がつかめればOK。
次はヘッドの動きをUPグレード!「ハイティー打ちで芯をビンビン食いまくる」
GD 3本のクラブを打った後はどうしますか?
古川 6番か7番アイアンを使ってハイティーアップしたボールをクリーンに打ちます。ラウンド中はボールに当てようとしたり、飛ばそうとしたりして手打ちになったり体が突っ込んだりする傾向があります。ハイティーアップしたボールを打つには、体の上下左右の余計な動きを抑えなければなりません。この練習にはダフリやトップといったミスを防ぐだけでなく、ミート率を劇的に上げてくれる正しい動きを覚えることができます。
GD 6番か7番アイアンを使う理由は?
古川 ウェッジでもいいですが、意識しないとヘッドの重さを感じられない番手を使うことで、スウィング全体のヘッドの動きを矯正することができます。シャフトも長いので円弧の大きいスウィングである程度のスピードで行うことに意味があります。ちなみに弾道的には低いライナ―性が出ればOKです。
ハイティーアップショットの”チェック&ドリル”
まずは準備が大事! 「スウィング中にひざと肩を上下動させないと劇的に上手くなります」
体が上下動してしまう原因は頭と両ひざ。頭や両ひざの高さが変わらないように意識してスウィングを行うのがポイント。また、頭の上下動はダフリやトップの原因になるため、目とボールの距離感を変えないことを意識すると芯でとらえやすくなる。
ドリル 「左ひじを下から支えて体の左サイドを止めて振る」
体が左右に振られ過ぎない感覚をつかむため、右手を左ひじの下に置き、左ひじを支点にヘッドが走る感覚と体が左サイドに流れないようにロックして振る練習をする。上から打ち込む動きがなくなり、脱力してヘッドが走る感覚がつかめてくる。
いかがでしたか? 次のラウンドにつながるアフター練習法をご紹介しました。後編は明日の12時半公開予定です。
PHOTO/Tadashi Anezaki
THANKS/芥屋ゴルフ倶楽部