全米女子オープン2勝の笹生優花が14日、埼玉県の飯能ゴルフ倶楽部でジュニアクリニックを開催。第4回目となる「YUKA MEET&GREET 2024」に中学生22人が参加した。今年の10月、茨城県静ヒルズCCで小学生を対象に行ったクリニックより中学生へのアドバイスは一段レベルの高い内容となった。
画像: ジュニアクリニックを楽しんだ笹生優花(撮影/青木慶太)

ジュニアクリニックを楽しんだ笹生優花(撮影/青木慶太)

スウィングをチェックする前にフェースの向きをチェックしよう

画像: ジュニアイベントには22名の中学生が参加(撮影/青木慶太)

ジュニアイベントには22名の中学生が参加(撮影/青木慶太)

「海外で経験したことをジュニアゴルファーたちに伝えたい。私も子どもたちから学ぶことがたくさんあります」と子どもたちとのイベントを楽しみにしていた笹生。

ジュニアクリニックでは、迫力あるドライバーショットやアイアンショットを披露したあと、ドライビングレンジやアプローチ練習場でレッスン会を行った。

画像: "2本目の棒"はフェースの向きをチェック

"2本目の棒"はフェースの向きをチェック

そこで何度も見られた笹生の“教え”は、スティック(棒)を2本並べて、ターゲットを意識してボールを打つドリル。よくある練習法と思いきや、笹生が子どもたちに伝えたやり方はよりシビアなものだった。

まず、棒をターゲットに合わせて1本置く。次にその棒に体やスタンスの向きを合わせてセットアップ。それからフェース面と直角に棒の先を当てて。フェース面の向きをチェックする。

後方から見て体やスタンスの向きに合わせた棒とフェース面に合わせた棒の向きが平行かそれともズレているか。

画像: 後方から体やスタンスの向きとフェースの向きをチェック。2本の棒の向きがズレていることに納得するジュニアゴルファー

後方から体やスタンスの向きとフェースの向きをチェック。2本の棒の向きがズレていることに納得するジュニアゴルファー

ターゲットに体を向けて構えたつもりでも、フェースの向きが合っていなければ、真っすぐボールを飛ばせるはずはない。それを子どもたちに確認させるというものだ。

シンプルなチェック法だが、フェースの向きを正しくチェックしているジュニアやアマチュアはどれほどいるだろうか。スウィングをチャックすることばかりに意識が向いていないだろうか。

「フェースの向きが正しくなければ、どれだけスウィングが良くてもナイスショットは打てません。ミスショットが出てスウィングを修正しようとしても、(フェースの)向きが合っていないんだから、スウィングはもっとおかしくなってしまう。まずはターゲットに正しく構えられるかどうかを、この2本のスティックで練習しよう」という教えだ。子どもたちのなかにはすぐに効果が表れ「アイアンもドライバーも真っすぐ飛ぶようになった」と笑顔になる者もいた。

画像: 2本の棒はミリ単位で平行に合わせる(撮影/青木慶太)

2本の棒はミリ単位で平行に合わせる(撮影/青木慶太)

体やスタンスの向きに合わせる棒とフェースがターゲットを向いているかどうかをチェックする、2本の棒ドリル。さらにシビアに扱うのが笹生流だ。2本の棒を漠然とただなんとなく平行に並べて置くのではない。ターゲット側と後方の2本の幅を数ミリの誤差がないようにきっちり測りながら平行に並べてショット練習する。そこまですることがスウィング作りの基本だということを子どもたちにアドバイスした。

アプローチは"1本棒ドリル"で上達

画像: 棒ドリルでアプローチが上達したという笹生

棒ドリルでアプローチが上達したという笹生

アプローチ練習場でも、ターゲット意識の重要性は同じだった。

スピンを効かせてボールを止めるアプローチとボールスピードを落として距離を出さないアプローチを教えたあと、“1本のスティックを使ったドリル”を子どもたちに教えた。

「この棒に当てられる? やってみて! できる人?」

棒まで1ヤードもない距離から2~3センチ幅の棒に4センチのボールを当てるドリルだ。ターゲット意識を強く持つこととフェースをターゲットに正しく向けて、ボールをターゲットに打ち出せるかどうかを確認する練習法だ。

笹生はさらっと棒にボールを当てて見せると、子どもたちに打たせてみた。

画像: ジュニアのなかには棒に当てられる子もいた

ジュニアのなかには棒に当てられる子もいた

「なかなか当たらないでしょ。いい練習になるから、やってみてね」

すぐできる子もいれば、当たらない子もいて、笹生と子どもたちはゲームを楽しむように”戯れた”。

当初参加した22名の子どもたちへのレッスン時間は80分を予定していたが、押しも押して100分以上に及んだジュニアクリニック。

「中学生のころは、もちろんプロになりたい夢をあったけど、それ以上に今日はゴルフをやりたい、いつもゴルフしている人たちとゴルフを楽しみたいという気持ちでゴルフを楽しんでいました。ジュニアのイベントもみんなと一緒にゴルフを楽しめたら」と、ジュニアクリニックを始めたという。

今年のジュニアクリニックは終わったが、また来年以降も続けていきたいという笹生。来シーズンに向けて、子どもたちから大きな刺激を受けた。

笹生優花の会見とジュニアクリニック

笹生優花がジュニア時代にやっていた練習法

笹生優花の全米女子オープン

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