今回は『テーラーメイド P7CBアイアン』を紹介します。これまでの「Pシリーズ」は中空構造の『P770』、『P790』。マッスルキャビティの『P7MC』、そしてマッスルバックの『P7MB』の4モデルでした。今モデルでは一新してキャビティバック構造の『CB』がラインナップされました。「CB」モデルが登場するのは、『ツアープリファード CB』以来、10年ぶりとなります。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「過去モデルから本格派アイアンとして継承されている」と分析します。『P770アイアン』と比較しながら検証してみた。
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/33.0度 ●ライ角/62.5度 ●価格(税込)/14万8500円(#6~PW)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/33.0度 ●ライ角/62.5度 ●価格(税込)/14万8500円(#6~PW)※すべてメーカー公表値

「CB」でもやさしさを追求したヘッドではない

GD 今回は『テーラーメイド P7CBアイアン』(以下、P7CB)を『P770アイアン』(以下、P770)と比較しながら分析していただきます。テーラーメイドのアイアンにおけるフラッグシップモデルの「Pシリーズ」にキャビティバックがラインナップされました。比較するのは『P770』。こちらは中空で、互いに異なるヘッド構造になります。

松尾 そうですね。キャビティバックに加えて軟鉄鍛造なのは『P7MB』、『P7MC』の系譜を感じます。共にフラッグシップモデルになりますが、ヘッドデータを細かく見ていくと『P7CB』の設計意図が見えてきそうです。

画像: 左から『P770』、『P7CB』。10年ぶりの“CB”の性能を分析してみた

左から『P770』、『P7CB』。10年ぶりの“CB”の性能を分析してみた

GD ヘッドデータの解説をお願いします。

松尾 はい。重心設計の違いから見ていくと重心深度は『P770』が3.1ミリ(基準値:2.5〜3.4ミリ)、『P7CB』が1.9ミリ。重心距離は『P770』が38.7ミリ、『P7CB』が36.4ミリ(基準値:37.5〜39.0ミリ)となっています。『P770』はそれぞれ標準値に収まっており、極端な設定になっていません。一方の『P7CB』は重心が浅く、短い設定になっています。

GD ツアーモデルらしい設計になっていますね。

松尾 はい。ヘッドの慣性モーメントは『P770』が2281g・㎠、『P7CB』が2257g・㎠(基準値:2600〜2799g・㎠)で、どちらも非常に小さいです。打点ブレに対する強さを狙ったヘッド性能にはなっていないので、お助け機能が備わっているアイアンではありません。改めて誰でも扱えるオールゴルファー向けのモデルではないことがわかります。

GD 2モデルとも“やさしさを求めていないアイアン“は共通で、さらに『P7CB』はより正確にミートが求められる設計になっているわけですね。他に特徴はありますか?

松尾 ヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントを比較すると、『P770』が5500g・㎠と標準的なのに対して、『P7CB』は4969g・㎠(基準値は5500〜5999g・㎠)と小さい設定になっています。フェースローテーションをさせやすく、自分好みに弾道を打ち分けやすいヘッドです。

GD 『P7CBアイアン』はどんなゴルファーにおすすめですか?

松尾 リアルロフト角が32.7度とついているので、地面のあるがままから打っても、ボールが上がりやすくグリーンを狙っていけます。ここまでを踏まえるとミートさせるのが得意で、積極的にグリーンを狙っていきたいゴルファーは試されるといいでしょう。

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