今回は『テーラーメイド P7CBアイアン』を紹介します。これまでの「Pシリーズ」は中空構造の『P770』、『P790』。マッスルキャビティの『P7MC』、そしてマッスルバックの『P7MB』の4モデルでした。今モデルでは一新してキャビティバック構造の『CB』がラインナップされました。「CB」モデルが登場するのは、『ツアープリファード CB』以来、10年ぶりとなります。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「過去モデルから本格派アイアンとして継承されている」と分析します。『P770アイアン』と比較しながら検証してみた。

軟鉄鍛造の「一枚モノの打感」が味わえる

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「ダイナミックゴールド MID 115」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。

重心距離が短く、ネック軸回りの慣性モーメントが小さいので操作性が良い

クラブ重量は428.7グラムとやや重いですが、クラブ長さが36.88インチとやや短めの設定なので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが271万g・㎠に抑えられています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。

ヘッドはプロモデルらしく、オーソドックスな形状で、サイズ感はやや小ぶりになっています。そして、ストレートネックでラインに対してスクエアに構えやすくなっています。

画像: 左から#5、#7、#9。素直なストレートネックでボールに対してスクエアに構えやすい

左から#5、#7、#9。素直なストレートネックでボールに対してスクエアに構えやすい

実際に試打したところ、アドレスでは米国モデルらしくストレートなトップラインと、丸みのあるリーディングエッジでフェース全体に逃げ感があり、ボールをつかまえ過ぎないイメージが出ています。

試打シャフトはスチール仕様なのでクラブとしては重い設定になっており、硬くしっかりしているので、パワーのあるゴルファーがダウンブローに打ってもしっかり耐えてくれそうなフィーリングです。

どこにも継ぎ目のない軟鉄ヘッドなのでインパクト音が低く、打感は軟らかく感じられました。リアルロフト角が32.7度と最近流行りのストロングロフト設定ではないので、フェアウエイのあるがままの状態からでもボールが上がりやすいです。ヘッドが小さいことで夏ラフからのヘッドの抜け感もいい感じです。

フェース長が短いので重心距離が短く、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントが小さいので操作性が良くインテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作しやすくなっています。

ソールのバウンス角が5.2度としっかり付いていることから、ターフを取るようなダウンブロースウィングをした時にソールの抜けがいい感じです。またソールの幅が狭いですが、芝が薄くライの悪いところからでもボールにコンタクトしやすくなっています。

スイートスポットが少しヒール寄りなので、ボールをヒール側に引きつけて打つフェード系プレーヤーと相性が良いでしょう。寛容性の高いヘッドではないですが、ピンへ向かって狙った距離を打てるアイアンです。

※週刊ゴルフダイジェスト2024年12月31日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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