▶「冬芝チャックリ撲滅大作戦① チャックリの理由」を読む
▶「冬芝チャックリ撲滅大作戦② ウェッジのチャックリ回避法」を読む

堀越良和プロ
解説:堀越良和プロ
試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属。
状況によって3つのクラブを使い分けよう
チャックリ撲滅作戦の最後は、ウェッジ以外のクラブで回避する方法について、堀越プロに教えてもらった。
「冬のチャックリのリスクを減らす方法としては、ウェッジ以外のクラブで転がして攻めるのが有効です。残り20Y〜30Yくらいからピンを狙うという点においては、ウェッジのほうが寄せやすいのですが、チャックリが怖い場合は他のクラブの選択も状況によってはオススメです」
ユーティリティ
ウェッジを持つことを躊躇する場合は、他のクラブでグリーンを攻める選択もアリだ。最初の選択肢となるのがユーティリティだろう。
「ユーティリティのアプローチのいいところは、ロフトが立っているので、ボールとコンタクトしやすく、ソールが広いので滑ってくれます。少々、クラブが手前から入ってしまっても、チャックリのような大きな事故には繋がりにくいです。ボールの位置は、ハンドファーストになり過ぎないように、少し左側に置きましょう。グリップはかなり短く持ったほうがいいです。注意点として、初めてユーティリティでアプローチする場合、思ったより転がることを覚えておいてください。事前に練習場で、10球程度で十分なのでユーティリティでボールを転がす感覚を身につけてから、ラウンドで実行してみましょう」
「UTは右手にシャフトがかかるくらい短く持つ」

短く持って、ボール位置は左にする
ボールはやや左側に置き、左足をややオープンにアドレスすると打ちやすい。手首は使わず、腕を動かしてインパクトするとよい。試したことがない方は、ラウンド前に10球でいいので練習して臨めば、ラウンドで武器になる。
ロフトの立ったアイアン
2つ目の選択肢はロフトが立ったアイアンだ。
「番手は8番くらいがオススメです。ボールの位置は基本的に真ん中でいいです。コツとして、芯に当てようとしないこと。アドレスの際は少々ヒールが浮いても構いません。あとは、パター感覚で打てばミスは少ないです。前傾姿勢を変えないことが重要です」

パターと同じ要領で打つのがポイント
「アイアンはキャリーとランの割合は“1:4”」
ボールは基本的に真ん中に置き、パターと同じ要領で打つ。ポイントはやや左側に重心を置くこと。無理に球を上げようとするとミスにつながるので注意しよう。
パター
最後の選択肢はパターだ。ウェッジ以外でのアプローチとしては最も使用率が高いクラブと言えるだろう。
「どうしてもチャックリをしたくない場合は、パターがオススメです。パターの場合は、ラウンド序盤と終盤では時間の経過によって転がり具合が違うので、芝目も含めて、周辺の芝の状況を見極めることが重要です」
「パターを使うとき、グリーン手前の芝の状況は把握しよう」
チャックリを回避したい場面でパターを使うのは王道だろう。グリーンまでの距離や芝の状況を把握しないと手前で食われてボールの勢いが半減するので注意。

手前の芝でボールの勢いが半減することに注意しよう
堀越プロのオススメは……

チャックリを各日に回避するにはパターがオススメ
「私のイチオシはUT。だけど、確実にチャックリを避けたい時はパターを選ぼう」
「ウェッジ以外のクラブでアプローチする選択肢を持つことはチャックリを回避することも含めて、アプローチの引き出しを増やしますのでオススメです。多くの場面でユーティリティが武器になると思いますが、確実にチャックリを回避するにはパターを使用するなど、状況によってクラブを替えることは重要です」
PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/大宮ゴルフコース
※週刊ゴルフダイジェスト2024年12月31日号「もう2度とこのミスをしたくない……冬芝のチャックリ撲滅大作戦」より一部抜粋