今回は『スリクソンZXi5アイアン』を紹介します。スリクソンのアイアンといえばナンバリング毎にコンセプトの違いがあり「4シリーズ」は飛び、「5シリーズ」は飛び、操作性、やさしさ、そして「7シリーズ」は操作性と打感を追求したと謳っています。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「今モデルは前モデルを継承している」と言います。昨年、国内男女ツアーで14勝を挙げクラブ・オブ・ザ・イヤーを受賞した『ZX5 Mk Ⅱアイアン』と比較しながら考察してみた。

“良いスウィング“が身につくアイアン

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「N.S.PRO 950GH neo」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。

リアルロフト角が30.8度とストロングロフトすぎないので、ボールが上げやすく狙いやすく飛ばせる良いとこどりになっている

クラブ長さが37.0インチと標準的ですが、クラブ重量が419.7グラムとやや重く、スウィングウェイトもD2.1とやや大きくなっています。クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが272万g・㎠と大きくなり、計測数値のみで推察すると、ドライバーのヘッドスピードが45〜46m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状は、前モデルの『ZX-5 Mk Ⅱ』と同様にオーソドックスでフェース長さ、ソール幅は同じですが、わずかにディープフェースになっています。

画像: 左から『ZX5 Mk Ⅱ』、『ZXi5』

左から『ZX5 Mk Ⅱ』、『ZXi5』

FP値(フェースプログレッション)が兄弟モデルの『ZXi7』よりも小さく、アドレスでは少しグースネック感が出ています。

実際に試打したところ、オーソドックスなプロモデル形状で構えやすく、米国モデルと比べるとストレートなリーディングエッジが特徴で、フェースのトウ側の高さが高めの設定で、アドレスでのアップライト感は前モデルから継承されています。

試打シャフトは軽量のスチール仕様ながらも適度なしっかり感があり、インパクトの再現性がいい感じでした。

フェース面は軟鉄よりも硬い“クロムバナジウム鋼“なので打感が硬く、ややパチン感がありますが、キャビティ内の銘板でインパクト音が抑えられています。

「スリクソン」のアイアンの大きな特徴であるリーディングエッジ側とトレーリングエッジ側が落とされている「Vソール」のおかげで、ダウンブローにスウィングすると、ロフトがしっかり立ってインパクトができます。しかし人工芝のマットではなかなか体感しにくいので、実際に芝から打てる機会があれば試していただきたいです。

リアルロフト角が30.8度と“やや立ち“程度に抑えられていることで、フェアウェイのあるがままの状態からでもボールが上げやすい。一般的なストロングロフトアイアンに比べてグリーンにボールを止めやすくなっています。

『ZXi7』よりもフェースが長く、ソール幅が広いとは言え、やはりプロモデルヘッドなので、ヘッドの慣性モーメントが小さく、決してお助け機能があるやさしいアイアンではありません。しかしダウンブローにスウィングできれば心地いいソールの抜け感が味わえるので、良いスウィングを身につけるにはいいアイアンだと思います。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月7、14日合併号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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