タイガー、松山英樹が長く愛用し、世界中のゴルファーから憧れられるパターブランドの魅力を追いかけるシリーズ。第56回は阿久津未来也の相棒を紹介。
帰ってきたニューポート
写真は、ツアーでも指折りのパッティング巧者と言われる、阿久津未来也プロ(今季賞金ランキング21位)のニューポートである。

「10 SELECT ニューポート ツアープロトタイプ」インサートにトレリウムが使用されたセレクトニューポート。バックフェースの3ドット部分には、インサートを固定するボタンバックが採用されている。
このパターは、阿久津プロが高校2年のときから使っているもので、苦楽を共にした「いい思い出しかない相棒」なのだと言う。ただ、阿久津プロは以前このパターを失いかけた経験をしている。
「そのときは、片山晋呉さんと合宿をしていたんですが、ほんの数分ほど目を離した隙にパターがなくなっていたんです。その晩は頭が真っ白になって、何をするにも上の空で……。でも、次の日、コースの中に置き去りにされているパターを、キャディさんが見つけてくれたんですよ」(阿久津)

ソールの傷や、剥がれかけたペイントに、実戦の中で使い込まれてきた時間が感じられる。
パターを持ち去った者が誰なのか、なぜパターが置き去りにされたのかはわからない。しかし、阿久津プロにとっては、相棒が戻ってきたという事実が、何よりも大切だったはずだ。とにもかくにも、このパターが、いつまでも阿久津プロのエースとして活躍し続けることを願うばかりである。
PHOTO/Takanori Miki
THANKS/スコッティキャメロン ゴルフギャラリージャパン
※週刊ゴルフダイジェスト2024年12月24日号「キャメロンマニア宣言」より