“スリクソン史上最高の打感”を実現したという『ZXi7 アイアン』は、従来の軟鉄よりも軟らかい”S15C“を採用。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「打感だけでなくヘッド性能も玄人好みのアイアン」と分析。兄弟モデルの飛びと操作性、やさしさを兼ね備えた『ZXi5 アイアン』と比較しながら、どんなゴルファーと相性が良いの検証してみた。
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/32.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/15万1800円(#5~PW)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/32.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/15万1800円(#5~PW)※すべてメーカー公表値

これぞツアーモデルアイアン!

GD 今回は『スリクソン ZXi7 アイアン』(以下、ZXi7)を兄弟モデルである『ZXi5 アイアン』(以下、ZXi5)と比較しながら分析していただきます。「7シリーズ」というとスリクソンアイアンの旗艦モデルにあたりますね。

松尾 はい。小ぶりで端正な顔、操作性の良さ、そして軟鉄鍛造ならではの打感といった上級者好みの仕様になっていますね。

画像: 左から『ZXi5』、『ZXi7』。両方ともツアーモデルではあるが素材やヘッドデータを比較すると違いがあった

左から『ZXi5』、『ZXi7』。両方ともツアーモデルではあるが素材やヘッドデータを比較すると違いがあった

GD 今モデルを見てみると“S15C”という見慣れない素材が採用されています。軟鉄鍛造アイアンでよく使われている物はS20C、S25Cといった表記ですね。

松尾 数字は炭素が含まれている割合を示していて、数字の大小によって硬さに関係します。『ZXi7』のS15Cは業界の中でも珍しい素材です。

GD それが“スリクソン史上最高の打感”に繋がるわけですね。しかしなぜこれまで使われていなかったのでしょうか?

松尾 それは軟らかいことで加工やメンテナンスが難しい点があり、ボールを打ち続けていくうちにロフト角やライ角が変わってしまうんです。しかし今回の新しい鍛造方法(コンデンス鍛造)によって使うことができたのでしょう。

GD なるほど。新しい鍛造方法でデリケートな部分を解消したわけですね。素材以外で他に特徴はありますか?

松尾 ヘッドデータのバウンス角、リアルロフト角、ネック軸回りの慣性モーメントを分析すると相性の良いゴルファーが分かりそうです。

GD バウンス角からよろしくお願いします。

松尾 両モデルともにソールのフェース側、トレーリングエッジ側が削り落とされている「V字ソール」が共通しており、 『ZXi5』が15.8度、『ZXi7』が19.1度と共に非常に大きい設定です。しかし『ZXi7』のほうがさらに大きく設定されているので、上から鋭くダウンブローに打ち込めるゴルファーが使いこなせる性能です。

GD バウンス角が大きいアイアンはダウンブローで打ち込むスウィングと相性が良く、さらに『ZXi7』のほうがその度合いが強いわけですね。リアルロフト角とネック軸回りの慣性モーメントについてよろしくお願いします。

画像: 左から『ZXi5』、『ZXi7』。共にソール前後が削り落とされている「V字ソール」設計だが、『ZXi7』のほうがより大きなバウンス角(フェース側)になっているので、上から鋭くダウンブローで打ち込めるゴルファーが性能を引き出せるだろう

左から『ZXi5』、『ZXi7』。共にソール前後が削り落とされている「V字ソール」設計だが、『ZXi7』のほうがより大きなバウンス角(フェース側)になっているので、上から鋭くダウンブローで打ち込めるゴルファーが性能を引き出せるだろう

松尾 リアルロフト角は『ZXi5』が30.8度と飛びを狙ってやや立たせてあるのに対して、『ZXi7』は32.1度となっています。しっかりボールを上げてグリーンを狙うことにフォーカスされた設定だと思います。
 
続いてヘッドの操作性が判断できるネック軸回りの慣性モーメント(基準値:5500〜5999g・㎠)は『ZXi5』が5360g・㎠、『ZXi7』が5057g・㎠と両モデルとも小さく抑えられています。『ZXi5』よりもさらに小さくされていることから、操作性に特化させたかった意図を感じます。

GD 『スリクソン ZXi7 アイアン』はどんなゴルファーにおすすめですか?

松尾 他にも打点ブレのお助け機能に関わるヘッドの慣性モーメント(基準値:2600〜2799g・㎠)を比較すると、『ZXi5』が2426g・㎠、『ZXi7』が2295g・㎠とどちらも小さいです。ここまでの分析結果を踏まえると、鋭角なダウンブロースウィングで正確にミートできるゴルファーが使いこなせるクラブでしょう。

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