“スリクソン史上最高の打感”を実現したという『ZXi7 アイアン』は、従来の軟鉄よりも軟らかい”S15C“を採用。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「打感だけでなくヘッド性能も玄人好みのアイアン」と分析。兄弟モデルの飛びと操作性、やさしさを兼ね備えた『ZXi5 アイアン』と比較しながら、どんなゴルファーと相性が良いの検証してみた。

スピン良好!しっかりグリーンで止められる

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは7番、シャフトは「MODUS TOUR105」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります。

万人向けのモデルではないプロモデルらしい性能。ミスヒットへのやさしさはないが、精密なコントロールショットや弾道の打ち分けがしやすい操作性の高さが抜群のアイアンだ

クラブ長さが37.0インチと標準的ですが、クラブ重量が422.7グラムとやや重いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが271万g・㎠と大きくなっています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。

ヘッド形状ですが、前モデルの『ZX7 MkⅡ』と同様にオーソドックスで、FP値(フェースプログレッション)が兄弟モデルの『ZXi5』よりも大きく、ストレートネックでスクエア感が出ています。

実際に試打したところ、『ZXi5』よりもフェースが短く、ソール幅が狭いですが、全体的にオーソドックスなプロモデル形状で構えやすいです。米国モデルと比較するとストレートなリーディングエッジが特徴で、またフェースのトウ側の高さが高めの設定で、アドレスでのアップライト感は前モデルから継承されています。試打シャフトはスチール仕様で軽度なしっかり感でダウンブロースウィングにも耐えてくれます。

画像: 左から#5、#7、#9。シャキッと癖のないストレートネック形状でアドレスしやすい

左から#5、#7、#9。シャキッと癖のないストレートネック形状でアドレスしやすい

『ZXi7』の最大の特徴はヘッド素材に軟鉄の中でも軟らかい素材である“S15C”が使われており、より打感がソフトになり、インパクト音が低く抑えられています。

「スリクソン」のアイアンの特徴であるフェース側前半分のバウンス角が非常に大きい「Vソール」ですが、上手くダウンブローにスウィングができるとロフトが立ってインパクトしやすく抜け感の良さを味わえます。しかし人工芝のマットではなかなか体感しにくいので、可能であれば芝の上から試していただきたいです。

リアルロフト角が32.1度と最近流行りのストロング設定ではありません。よってフェアウェイのあるがままの状態からでもボールが上げられ、スピンが入りやすいです。キャリーが安定しグリーンにボールを止めやすく、スコアメイクしやすい感じです。

ツアーモデルなのでヘッドの慣性モーメントが小さく、決して打点ブレに強いやさしいヘッドではありません。しかしフェースが短く、小ぶりなのでラフからでもヘッドの抜けが良いです。ダウンブローにスウィングして綺麗にソールが抜けて行くような、アイアンの良いスウィングを身につけるにはいいクラブだと思います。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年1月28日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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