営業を終了したゴルフ場跡地利用は今後も増えていくだろうが、今回は静岡県富士市のケースだ。同市は、昨年9月をもって営業を終了した南富士CCのインコース部分にあたる土地を取得。富士山麓の自然環境を生かした事業を行う民間事業者を今年2月17 日より募集すると発表した。
画像: 昨年9月、営業を終了した南富士CC

昨年9月、営業を終了した南富士CC

いわゆる公募型プロポーザル(以前、小欄でも北海道長沼町の例を紹介)だ。同市では対象区域の適正な土地利用を図るため、取得した土地を「自然の復元ゾーン」(16)と「自然との共生ゾーン」(22)に分ける。

前者では植林事業を実施することで森林機能の保全に努め、後者では民間活力の導入により富士山麓の豊かな自然環境を生かし、市内外からの多くの人が訪れる交流の場を構築することを目指すとしている。

今年6月末に事業者を選定し、11月以降引き渡す予定だ。これまで富士山の世界遺産登録などを背景に、レジャーや新たなスポーツなど多様に利用されているなか、世界中で取り組まれているSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、将来にわたり、良好な関係を継承することも契約条件のなかに入っているという。

事業イメージの例としてキャンプ場、サウナ、グランピング、ドッグラン、スポーツ施設、環境教育などが挙げられている。というのも同市では、ゴルフ場跡地の大規模太陽光発電所(メガソーラー)転用などを防ぐために土地の取得を決断した経緯があった。

「利用できる用地は7ホール分だけなので、そのままゴルフ場再営業の提案はないのではと思っています。借地として提供するのは最低10以上、20年以上の期間の利用を同市では望んでいます。すでに打診はあり、現地視察している事業者さんもいます」(富士市役所産業交流部産業政策課、小川直樹氏)

ゴルフ場跡地を巡っては転売などでトラブルになっているところもあるが、同市の環境保全継続の判断には拍手を送りたい。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年2月4日号「バック9」より

南富士CCほか、閉鎖したゴルフ場

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