寒い冬の12月~2月頃までは、ラウンドを控えるというゴルファーも多いだろう。そんな“冬眠ゴルファー”が春先のシーズンインまでにやるべきことを、週刊ゴルフダイジェスト1月28日号で阿部萌プロが解説している。「みんなのゴルフダイジェスト」では2回に分けてご紹介しよう。【2回中2回目】
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解説/阿部萌
日本体育大学ゴルフ部出身。JLPGAティーチングプロの資格を取得。自身の競技経験をもとに、ラウンドレッスン、インドアレッスンを中心に初心者から上級者まで指導。
冬眠ゴルファーが春のラウンドに向けてベストスコアを出すためにやるべき取り組みを教えてもらった。
「春先にスコアアップするために重要なのはショートゲームの精度を上げることです。これは冬に練習する派も完全冬眠型も共通して言えます。ショートゲームはすぐに上手くなるわけではなく、上達には一定期間、継続してやることが必要です。春先までの約3カ月間、コツコツ積み重ねていけばスコアアップに繋がります」
続いて、前編で話してくれた2タイプに分けて、やるべきことを教えてもらった。
「まずは冬にラウンドは行かないけど練習する派。1つ目はミート率を上げるべく、コンパクトなスウィングで練習する方法をオススメします。無理に飛ばそうとフルスウィングする必要はなく、“当て感”を養いながら、方向性を重視しながら打ちます。2つ目は10Y刻みで練習し、アプローチからハーフショットまでの距離感を身に付けていきましょう。ハーフショットの距離を2パット圏内まで高い確率で乗せることができれば、おのずとスコアは向上しますし、アプローチで寄せワンの確率を上げることができると、スコアアップに大きく寄与します」
“練習オンリータイプ”はコレをやろう!
練習場でできる2つのショートゲームドリル
①ミート率を上げる「コンパクト打ち」
ドライバーからウェッジまでの全番手でハーフスウィングからスリークオーターほどのコンパクトなスウィングでボールをとらえる練習をしよう。ミート率が上がると同時に、コントロール性や安定性が向上し、精度の高いショット力を身につけることができる。

コンパクト打ちの練習
②距離感を磨く「10Y刻み打ち」
10Y~ 100Yまで10Y刻みで距離を伸ばしていきながら練習しよう。実際にラウンドで使うSW、AW、PWを使用する。特にインドアでのこの練習は効果的で、室内では風などの影響がなく、適正距離を反復して練習できるので、距離の調整能力が身に付きやすい。

ショートゲームを磨く
次に、完全冬眠タイプがやるべきことを解説してもらった。
「完全冬眠型のゴルファーは外に出るのがツライと思うので、自宅で取り組みやすい練習法を紹介します。練習用ボールを使って自宅でアプローチ練習をしましょう。クリーンに当たれば、フワッと球が上がります。クリーンに当てる癖が染みつけば、アプローチはもちろん、ショットでも役立ち、ダフリやトップが減少します。2つ目は1日10球ずつでいいので自宅でパット練習をしましょう。コツコツと積み重ねていけば、春にはストローク力が身に付きます」
“完全冬眠タイプ”はこれをやろう!
自宅でできる2つのショートゲームドリル
①ダフリ・トップを直す「練習用ボール打ち」
衝撃が小さいスポンジ型の練習用ボールの使用がオススメ。10Y前後の距離を打つスウィングは、ダフリやトップなどのミスヒットだと顕著に飛球が乱れる。クリーンにヒットすればフワッと上がるので小さいスウィングでもボールをとらえる練習になる。

練習ボールを打とう
②ストロークが安定する「1日10球パッティング」
自宅のパターマットなどで、“ 入れごろ外しごろ”の1.5 ~ 2メートルの距離を練習しよう。パッティングレールタイプの練習器具などを使用して、狙ったところに打ち出す精度を上げることが大事。コツコツやれば春先のグリーンに自信を持って上がれるはずだ。

パター練習も欠かせずに
冬にラウンドをしなくても、冬眠中に何もせずに過ごすのではなく“ショートゲームの強化期間”に当てればシーズンインを自信を持って迎えられるだろう。
阿部プロのオススメ練習法
実際のラウンドに行かなくてもシミュレーションでラウンドしよう!
朝早く起き、遠方のゴルフ場まで行かなくても、近くのシミュレーションゴルフで容易に“ラウンド”を楽しめる。最近のシミュレーションゴルフは映像も洗練されており、ゴルフ場気分も味わえる。ラウンド同様にティーショットからパターまでの流れでのプレーになり、十分に室内で堪能できる。冬眠中のブランクを埋めるのにも最適だ。

シュミレーションなら寒くない
PHOTO / Yasuo Masuda
THANKS / ba GOLF's
※2025年1月28日号「冬にしておくべきスコアアップの取り組みはコレ!」より一部抜粋