
南アフリカ出身。PGAツアー19勝、欧州ツアー22勝で20年からシニアに参戦しているアーニー・エルス
ハワイ島のフアラライGCで開催された大会最終日、昨年の最終戦(チャールズ・シュワブカップ選手権)に続く2連勝を目指したベルンハルト・ランガーと最終組でプレー。エルスは終盤の15番ホールで4.5メートル、18番で3メートルのバーディパットを沈めて2打差で勝利をつかみ取った。
「5年前(米シニアツアーデビューの年)トロフィを手に入れる寸前までいった。ようやく先頭でゴールテープを切ることができた」と5年越しの悲願達成を喜んだ。
「プレッシャーがかかるなかクラッチパットを決めてやり遂げることができた。以前のようにパットを決めることができ再び希望が見えてきた」
タイガー・ウッズのライバルとして全米オープン2勝、全英オープン2勝を挙げたエルスは55歳になり、同ツアーで昨年3勝を挙げて開幕戦Vで通算7勝目。全米記者協会が選ぶ24年の米シニアツアー最優秀選手賞も獲得したが、シニアの世界ではこれまで常にランガーの陰に隠れる存在だった。
シニア史上最多の47回の優勝を誇る67歳のランガーにとって今季も18年間続けてきた毎年1勝以上の記録更新がかかっている。開幕戦4度目の勝利なら必然的に記録更新となったのだが、ひと回り年下のエルスにそれを阻まれた。
まるで「もう僕ら世代にバトンタッチしてください」と言わんばかりの快勝。果たしてエルスは今年ランガーの牙城を崩すことができるのか?
「ゴルフトーナメントで1週間を過ごすのにこれほど美しい場所はありません。本当に素晴らしい1週間でした」(エルス)
タイガーも憧れたゆったりした美しいスウィングは健在。パッティングも「以前の自信が戻った」というからエルスがランガーから主役の座を奪う日は近いかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年2月11日号「バック9」より