1月27日、ローリー・マキロイ率いるボストンコモンゴルフのTGL初試合が行われた。対戦相手はタイガー・ウッズ率いるジュピターリンクスGC。タイガーとローリー、2人合わせてPGAツアー108勝のレジェンドが率いるチームの初対戦ということで、始まったばかりのTGLに、まだ馴染みのないゴルフファンにも注目を集める、まさにマーキーマッチアップ(花形試合)だった。試合の模様は、既にU-NEXTでご覧いただいていると思われるので、ここでは現場観戦の様子を記したい。

フロリダのパームビーチガーデンにあるTGL専用施設SoFiセンター
会場のSoFi(ソーファイ)センターは、パーム・ビーチ州立大の構内にTGLのためだけに新設された施設で、トランプ大統領の私邸マー・アー・ラゴから車で20分に位置している。TGLの会場がここに決まった理由はいたってシンプルで、タイガー、ローリーはじめ多くのツアー選手が近くに住んでいるから、とは関係者からの情報。

タイガーの入場シーン(左)。グリーンエリアはグリーン全体が回転し、カップ位置がホールごとに移動する(右)
SoFiセンター内のフィールドは、縦90メートル・横幅45メートル、ここに大きなスクリーンに向かって打つショットエリアとグリーンエリアがあり、グリーンエリアを囲むように1階と2階に観客席、その上にVIP用観戦エリアが設けられている。

手前がグリーンエリア、奥がショットエリア
それでも観客席数は1500席とかなりコンパクトで、他のアリーナ型インドアスポーツと比較してもかなり控えめな印象だ。TGLがネット中継を含む世界に向けたテレビ放映用に企画されたコンテンツであることが容易に想像できる。ESPNが全米をカバーしており、試合時間が夕方から夜を中心に組まれていることもあり、まだ数試合だけの中継だが、PGAツアーの中継よりも視聴率が取れているとのこと。

タイガーのバンカーショット(左)、打った後、全ショットデータを巨大モニターでデジタル表示
合計15ホールで獲得したポイントを競うチーム戦という試合フォーマットもライブ中継を軸に考案されたに違いない。リアルなゴルフとデジタルテクノロジーを融合させ、全く新しいルールを作り、しかも、それをPGAツアーのトップ選手がプレーするという、アメリカンスポーツの大胆さとスケールの大きさを感じる。

キャディがいないので、各チームの選手がラインを読み合ってサポートしている
チーム4人のうち3人が出場して競うというフォーマットによって、この試合は松山英樹は欠場だった。松山の初出場で可能性が高いのは、2月17日(月)か2月24日(月)と言われている。ちなみに、17日の対戦相手はザベイゴルフクラブ(ラドビック・アバーグ、ウインダム・クラーク、ミンウー・リー、シェーン・ローリー)で、1月7日のTGLオープニングマッチでニューヨークGCを9対2で撃破した強豪チーム。
松山のプレーも楽しみだが、決勝戦が行われる3月25日(火)、どこのチームが初栄冠を勝ち取るのか、今年の春はTGLに注目したい。(特派記者G)