
2位タイでスタートしたビクトール・ホブラン(撮影/Blue Sky Photos)
ショット、パットともに好調で8バーディ(1ボギー)を紡ぎ出したホブランは初日のラウンド後「今日はすべてが噛み合った。悲観的なことをいうつもりはないが、明日も今日のようにパットが入るとは限らないけれど……」と気を引き締めた。
人懐っこい笑顔。アマチュア時代全米オープンとマスターズのローアマに輝き、プロ入り後も23年のツアー選手権を含む通算6勝を挙げた彼は人当たりの良い人物に見える。しかしコーチ選びには厳しく「感銘を与えるのがもっとも難しい雇用主(選手)」と呼ばれる“厄介な“性格の持ち主でもある。
選手とコーチが袂を分つのはツアーでは珍しいことではない。しかしホブランは弱点だったショートゲームを向上させ年間王者に導いたスウィングコーチのジョー・メイヨーをここ15カ月で1度ならず2度解雇している。“くっついては別れる”を繰り返したのだ。
デビュー以来、少なくても6人のコーチを雇ってきたホブランは不調だった24年3人のコーチ(グラント・ウェイト、ダナ・ダールクイスト、そしてメイヨー)を入れ替わり立ち替わり採用した。
別れた理由については「将来に向けた方向性の違い」とのことだが、彼はかつて「僕は自分のビジネスを担当する責任者。“ビクトール・ホブラン・ゴルフ・エンタープライズ”のCEOです。そのなかにはゴルフスウィングを手伝ってくれる人を雇うことも含まれています」とコーチ選びは自分の手腕に任されていると説明している。
25年シーズン開幕前にメイヨーと2度目の別れを経験したあとホブランはDPワールドツアーのヒーロー・ドバイ・デザート・クラシックにアメリカ人の新コーチT・J・イートンを帯同した。
フェアウェイキープ率、パーオン率、いずれもフィールドの1位だった初日のプレーを見る限り新コーチの存在は力になっているようだが蜜月がいつまで続くかはわからない。
現在世界ランク8位。しかし同ランキングは過去2年の成績が反映されるため好調だった23年のポイントは徐々に消えていく。もちろんここでシグネチャーイベントに勝てば問題はない。残り3日、ホブランのプレーに注目だ。