
解説/堺永遠プロ
さかいとわ。2003年生まれ。福岡県出身。高3でプロテストに合格した若き理論派プロ。今季はチャレンジツアーを主戦場に戦う。
直ドラショットはボールが上がらないから武器になる
GD “直ドラ”を使うメリットを教えてもらえますか。
堺 弾道が低くなるので、左右のOBはそれほど気にする必要はありません。あと、冬場は地面が硬く、強い風の影響も受けにくいので距離を稼げるメリットもあります。
GD 直ドラを選択する際の注意点は?
堺 まずライの確認です。少しでもボールが沈んでいる場合はやめましょう。本当に良いライのときにだけ選択します。

まずはライのCheck!フェアウェイにボールがあったとしても、ボールが少しでも沈んでいる場合は“直ドラ”は選択しない。見た目に確実にボールが浮いているのが条件
GD 打つときの注意点は?
堺 打つ前の考え方として、そもそもボールは上がらないので絶対に上げようとしないことです。スウィングは、気持ち上から打ち込むダウンブロー気味に打ちます。ただし極端に打ち込むわけではなく、すくい打ちにならないようにするためです。ひと工夫として、フェースをほんの少しだけ開いて構えることでチョロのようなミスが防げます。ですから、球筋はほんの少しスライス気味のライナーで飛んでいく。これが一番簡単に“直ドラ”したときの理想弾道です。
絶対に上げようとしない!セットアップはこれだ!
【ボール位置】 いつもよりも右足側にセット
通常のドライバーショットのときよりボール1~1個半分右足側にセット。軽いダウンブローでボールを上からとらえやすくなるので、ダフリのミスがなくなる。左足側に置くとチョロや打ち込んで引っかけのミスになるので注意。

上から打ち込みもNG(左)、上げようと右足体重もNG(右)
【つま先の向き】 体の回転を止めないようにする
フィニッシュまで振り切ることで、トップ気味に当たってもチョロせずボールが浮いてくれる。そのために、左足つま先を少し開いておくと体の回転がスムーズになり振り切りやすくなる。

振り切りやすくなります
【フェースの向き】 構えた時から打つまで閉じることはない
1ミリくらいフェースを開いて構えることで、リーディングエッジが地面に刺さらずソールが滑ってくれるのでミスが起こりにくい。スウィング中もフェースを閉じる意識をせず、少し開いている感覚があってOKだ。

フェースを開きながら当てる感じ
インパクトイメージは、フェアウェイウッドと同じ感覚で振る
GD “直ドラ”するには特別な打ち方があるんですか。
堺 基本は3番や5番ウッドと同じです。ヘッドの構造上、ボールは上がらないだけです。
GD ソールを滑らせるイメージですか。
堺 ソールを滑らせようとすると、重心位置が後ろにあるのでダフりやすくなります。少し上からダウンブロー気味にヘッドを入れる意識は必要です。なので、インパクトはややハンドファーストになる感じです。ただ、冬場は芝が乾燥していることもあり、ソールが滑りやすくなっているので、ボールの手前にソールをドンと落とすことができればヘッドが滑ってくれます。ヘッドが上めから入りさえすれば、少々トップ気味でも問題ありません。ボクは少しバックスピン量が多くボールを吹き上がらせるイメージで打っています。

ソールでボールの手前を上からドスン!
GD 低いライナーが良いとわかっていても、上げようとする動きって入りがちですが注意するべきポイントはありますか?
堺 目線を少し下げておくことで、ボールを上げようとする動きを抑えられます。また、スウィング中の左ひざの角度をキープすることも効果的です。スウィング中に、左ひざが伸びると上体が起き上がってしまうので、チョロや大ダフリの原因になります。極端にいえばボールを転がし打つ感覚でもOKです。
GD 上からダウンブロー気味に打てばいいんですね。
堺 でも、そのためにはクラブの上げ方が重要なポイントになるんです。
正しいアドレスと打つ時のイメージが大事
【アドレス】 目線を低く設定
最初から低いライナーを打つつもりで、目線を低くセットしながらアドレスを作る。このとき左足体重になり過ぎないように注意。

遠くの低いモノを見る!
【イメージ①】 スピン多めのスライスを打つ
上から打ち込む意識が強 イメージすぎると極端なハンドファーストになり、大ダフリやフェースがかぶって左へ引っかけのミスが出る。インパクトで手元が体の幅から出ないくらいのハンドファーストで、ボールを上からとらえられればOKだ。

ボールを上からとらえるイメージ
【イメージ②】 体の回転を止めない
体の回転が止まると、手首が返ってフェースがかぶり左へ大きく引っかけてしまう。体の回転を止めずにフィニッシュまで振り抜くことが重要。左脚がインパクトで伸びると腰の回転が止まるので、フェースが返りやすくなる。左ひざの角度を伸ばすことなく腰を回転させる意識を持とう。

左足が伸びるとダメ
後編では絶対にダフらずに打てる方法をご紹介。(つづく)
PHOTO/Tadashi Anezaki
THANKS/芥屋ゴルフ倶楽部
※週刊ゴルフダイジェスト2月11日号「直ドラショット」より一部抜粋