レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「両手逆クラブドリルの続き」を解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本㊶】
画像: トップのおさまりがよくなるドリル

トップのおさまりがよくなるドリル

トップとクラブの上げ方が理解できる「両手逆クラブドリル」

画像: トップとクラブの上げ方が理解できる「両手逆クラブドリル」の構え。ここからクラブを上げていく

トップとクラブの上げ方が理解できる「両手逆クラブドリル」の構え。ここからクラブを上げていく

GD 前回、「両手逆クラブドリル」を解説していただきました。トップで重要な4ポイントと、ドリルの構え方がトップの形を作る「先取り」について少し理解できたつもりです。トップの4ポイントのうち3つの大事なポイント、「①左腕を伸ばす②腕とクラブを90度にする③左手首を平らにする」、これらを「先取り」にしてしまう構え方。クラブを地面と平行にして、左腕とクラブを90度に構える「両手逆クラブドリル」、面白いです。

原田 でしょう。ではトップまでのポイントとして、テークバックの始動についても説明します。スウィングの始動においては、テークバックは手から動きます。しかし、「両手逆クラブドリル」はすでに、スウィングの始動を終えている構えです。90度に構えた時点で始動は終えています。イメージクロック(時計でスウィングをイメージ)の8時までクラブを上げている状態です。手が動き、クラブヘッドが動き、それから肩が動く順番の手とクラブヘッドの始動は終えています。トップの形の4ポイントの残り、④肩を回すが、このドリルの始動になります。

GD なるほど、このドリルの始動では手と腕で作るスウィングの始動の形が逆「く」の字にならないわけですね。

原田 最初から左手とクラブの角度を90度にしているから、そこから「肩を回す」だけに集中できるドリルです。

GD 左手首を握った右手で引っ張り上げるようにクラブを上げるドリルなのかと思いましたが、肩を回すだけということもよくわかりました。たしかに、90度に構えた形から肩を回すだけで、トップの形ができます。ただ、まだ①~③についても完璧に理解してないので、細かくなりますが、質問します。①の左腕を伸ばすですが、どれくらい伸ばしたらいいですか? ピーンと左ひじを突っ張る感じ?

左ひじに張りをもたせる

画像: バックスウィングで左ひじはゆるませないで、張りをもたせる

バックスウィングで左ひじはゆるませないで、張りをもたせる

原田 ピーンと伸ばす必要はなく少し曲がっても張りがあればいいです。左腕に張りがないとね、実際にボールを打つ場合はだけど、ボールとの距離が変わってしまってうまく当たらなくなっちゃうので、できるだけ張りを作ってほしいです。で、右ひじは曲がりますよ。

GD ②の「腕とクラブを90度」ですが、トップで90度をキープすると、実際のスウィングではクラブヘッドの先が空を向いて、多くのプロのようにクラブが地面と45度の角度にならない感じがします。アイアンもドライバーも、トップでも腕とクラブの角度は90度でいいんですか?

原田 違います。手は耳の高さまで上げますから、腕とクラブの角度を90度にすれば、おのずと地面とシャフト角度は45度になるはずです。

GD ③の「左手首を平らにする」ですが、実際のスウィングでは、構えたときに左手甲はターゲット方向を向いていると思います。このドリルでは体の正面(ボール側)に左手甲を向けて上げていきます。ドリルでは肩を回したときに平らにした左手甲はどこを向いているのが正しいですか? それは、実際のトップの甲の向きとは変わるのですか?

両ひざを動かさないことがポイント

画像: 右のトップは体が回っていて良さそうに見えるが、ひざが動きすぎたり、右足がめくれたりと、トップが安定していない

右のトップは体が回っていて良さそうに見えるが、ひざが動きすぎたり、右足がめくれたりと、トップが安定していない

原田 肩を回したとき左手甲はアドレス時の体の正面のやや上を向いています。これは実際のトップでも同じです。

GD 「肩を回す」ですが、正直、肩ってどこまで回していいかわかっていないところがあります。

原田 右ひざが伸びない、両ひざをアドレスの位置にキープできる高さまでです。

GD なるほどです。

トップは右わきを締めるのがポイント

画像: トップは右わきを締めるのがポイント

トップは右わきを締めるのがポイント

原田 右軸を作って手は耳の高さに上げます。位置は後方から見て右足かかとと土踏まずの間に持ってきます。で、左腕が張り、右わきが締まっています。これで正しいトップの位置が分かります。

GD 右わきが締まっているのもポイントみたいですね。

原田 そうです。右わきを締めてちょっとボールを掌に乗せて胸の前から右肩まで動かしてください。それでボールが落ちなければオーケー。右わきが開いたらボールは落ちてしまいます。いわゆる出前持ちの形ですね。

画像: 掌に乗せたボールが落ちないように右わきを締める

掌に乗せたボールが落ちないように右わきを締める

GD 出前持ちって、最近あまりいいイメージで使われていませんが、悪くないんですね。

原田 トップで右わきが締まっているかというチェックポイントのドリルとして試してみるのもいいでしょう。では次回も「両手逆クラブドリル」の続きを説明します。

●原田伝一( 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人 全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/梅里カントリークラブ

「両手逆クラブドリル」のやり方

クラブの上げ方を解説

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