
【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●58.0度 体積●460cc 価格(税込)●9万3500円 ※メーカー公表値
ハードな「コブラ」がやさしくなった
GD 今回は『コブラ ダークスピードアダプト Xドライバー』(以下、アダプトX)を前モデルの『ダークスピード Xドライバー』(以下、X)と比較しながら、分析していただきます。ダークスピードシリーズを分析したところ、「コブラ」の伝統的な特徴がありましたね。
松尾 はい。重いヘッドと小さいリアルロフト角でクラブ設計をしているというところですね。今モデルでも継承されていて、『X』のヘッド重量が201.6g、『アダプトX』が202.3gとなっています。リアルロフト角は『X』が9.0度、『アダプトX』が10.1度と小さい設定です。
GD ボール初速を上げやすくするヘッド設計は変わらずに引き継がれているわけですね。しかしリアルロフト角が従来よりも厳しくないように感じます。
松尾 そうですね。この部分に関しては重心設計と合わせて見ると繋がりを感じます。重心深度(基準値:39.0〜40.0ミリ)が『X』は39.0ミリと標準的な値でしたが、『アダプトX』は43.7ミリと非常に深くなっています。さらに重心距離(基準値:39.0〜40.0ミリ)は『X』が41.8ミリ、『アダプトX』が44.3ミリとさらに長くされています。
このように重心を深く、長くしたことでヘッドの慣性モーメント(基準値:4600〜4799g・㎠)が『アダプトX』は5101g・㎠と大きくなっています。『X』の慣性モーメントが「やや小さめ」(4418g・㎠)だったことを考えると、打点ブレに強いヘッド性能になったと言えるでしょう。
GD つまり従来よりもリアルロフト角が厳し過ぎないのは、ボールの上がりやすさやミスヒットへのやさしさに設計をフォーカスした。重たいヘッドを利用して初速を高めつつも、ミスに強い新しい『X』にイメチェンしたわけですね。
松尾 はい。標準装備されているウェイトを見ると前に3g、後ろに10gとなっているので、もう少し飛距離性能に特化させたいのであれば前後を入れ替えてみても良いと思います。

左から前モデル、今モデル。ウェイトの標準位置が前モデルは前が重く、後ろが軽かったが今モデルは逆になっている
GD 『コブラ ダークスピードアダプト Xドライバー』はどんなゴルファーにおすすめですか?
松尾 他にはロフト別設計ということで9.0度はヘッド内部のフェース側にウェイトを搭載し、10.5度よりもさらに高初速に飛ばすことに特化しているとのことなので、ロフト毎に自分がドライバーに求める性能を選べます。
今回分析した10.5度に限って言えば飛びだけでなく、ミスヒットを恐れずにお助け機能を借りながら安定してフェアウェイに運びたい方は試してみるといいでしょう。