
15モデルを一気試打
試打者:西田幸一プロ
専修大ゴルフ部からプロ入り。現在は合田洋ゴルフクリニックに所属
「落下角50度ならグリーンにビタ止まりだね」(西田)
<6UTと7I(ほぼ同ロフト)で検証>
※テスト球はツアーB Xを使用。計測器はトラックマン。ベスト5球の平均値。試打はドライバーのヘッドスピード40m/s想定

試打結果はご覧の通り
「7番よりもスピン量が500回転ほど増えるし高い球が打てるのでピンを狙いやすいんです」。長らく女子ツアーで活躍し続ける青木瀬令奈は、そんな理由から7Iを抜いて7UTを使っている(6Uを2度寝かせて7Uとして使用)。今回ハイロフトユーティリティ(以下UT)を試打してもらった西田幸一プロも同意見だという。

各モデルの試打データ
打ち出し角は3モデルとも大きな差はなかったが、UTは2モデルとも初速が出ているぶん、最高到達点が奥へ行き高さも出た。結果落下角が大きくなりランが抑えられた。
「UTは重心が深いので球が上がりやすくスピンも増えやすい。その結果だと思います。P790も中空にしては低重心設計なのですがUTには敵いませんね。UTの2モデルは、打ち出しの高さに加えて、スピン量も十分確保できているので球がしっかり上がる。アイアンに似た弾道です」(西田)
「今回はドライバーのヘッドスピード40m/s想定で打ちました。トラックマンで計測すると、ほぼ同じロフト帯の番手でも球の高さが違います。加えてUTは初速も出ているので最高到達点がアイアンよりも奥に行くんです。結果、落下角が大きくなるのでランが少ない。ピンをデッドに狙えますね。芯を食ったときの気持ちよさはアイアンですが、スコアメイクを考えるとUTのほうが高い優位性がありますね」
トウヒットでも飛距離があまり落ちなかった

あえて芯を外して打った結果は?
あえて芯を外して打ってもらったところ、Qi35MAXレスキューはトウ寄りでも球の曲がりは少なかった。
「トウ寄りはフェアウェイ内、ヒール寄りはラフ内には収まるぐらいの曲がりでした」
「軽量モデルって非力な人専用じゃないんです」

西田プロによると「コックを積極的に使い手首が柔らかい人(写真左)」は軽量モデル、「コックを使わず体のトルクで振る人(写真右)」は重めモデルのUTが向いているという
軽量モデルのUTが向いている
コックを積極的に使い手首の柔らかい人
>手首の柔らかさを生かしコックを入れながら振る人は、やや軽めのヘッドでヘッドスピードを上げて振るほうがタイミングが取りやすいという。
重めのUTが向いている
コックを使わずに体のトルクで振る人
>「コックを使わず体の回転で振る人は少し重めのヘッドで、クラブの重さを感じながら振るほうが安定感が出る」と西田プロ。
話題のテーラーメイド「Qi35」シリーズをチェック!
番手別重心設計で気持ちよく球が上がる
前作Qi10レスキューからヘッドの重心位置をさらに最適化し、直進性と安定性を向上させたQi35。ハイロフトの設定があるMAXとMAX LITEを西田プロに試打してもらった。

気になったのか多くのクラブの試打経験を持つ合田プロも参加。「Vスチールの時代から抜けの良さは抜群。深いラフもラクです」(合田)
「ややトウ側にボリュームがあって上級者が好みそうな顔ですね。テーラーメイドの名器と言われるVスチールを彷彿とさせる顔です。でも実際に打ってみると、程よくつかまって高さも出ます。MAXもやさしくていいのですが、特に気になったのはMAX LITE。軽すぎず、男性アマチュアでも安定して振れます。軽量モデルだから、と選択肢に入れないのはもったいないと思います」
Qi35 MAX LITE/Qi35 MAX比較

「上級者好みの顔なのに打つとやさしいね」画像は6U
▼Qi35 MAX LITE
∟ロフト角:31度 ライ角:60.5度
∟試打シャフト:2025 AIR SPEEDERTM
∟シャフト長さ:39.25inch
▼Qi35 MAX
∟ロフト角:31度 ライ角:60.5度
∟試打シャフト:2025 Diamana BLUETM60
∟シャフト長さ:39.25inch

試打データ(前述のグラフと同じもの)
PHOTO/Kosuke Mori、Tomoya Nomura
※週刊ゴルフダイジェスト2月18日号「7I代わりにハイロフトUT」より
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今回はアイアンとUTの比較、そしてトウ・ヒールなどUTの優位性について解説してもらった。テーラーメイドのほか、ピン、キャロウェイ、タイトリストの外国ブランド、そしてミズノ、ダンロップなどの国産ブランドまで網羅。アイアンよりやさしい「UT」を検討中の方は、週刊ゴルフダイジェスト2月18日号、Myゴルフダイジェストにて自分に合ったUTを見つけてください。