『モーダス』を選択するときの注意点!
GD 『モーダス105』はアスリートモデルの既製品に多く採用されています。
長谷部 「モーダス105のSは硬い」といった噂話が出ていますけど、カルカタベースの発想で作っているシャフトなのでそれはそれでいいポジショニングなんじゃないかなと思います。自分もモーダス105ユーザーですけど。
GD 2025年の最新版で言うと『モーダス110』がでましたが、品番からすると個性派系のシャフトということになりますね。
長谷部 モーダスのこれまでの5タイプとは異なる性格・フィーリングが『モーダス110』だと思います。表示とシャフト重量が数グラムずれているところもあるので、一概に5グラムずつ綺麗に重量帯が分かれているわけじゃないんですけど、「モーダス105が若干硬い」という人には、『モーダス110』はとても良いフィーリングのシャフトに仕上がっていると思います。手元の硬さが違うので、軟らかく感じるんですけど方向性は安定していると思います。
GD 手元が軟らかく先が硬いのが『モーダス110』?
長谷部 『N.S.PRO 950GH』とは真逆です。
GD 『モーダス105』は?
長谷部 全体的にフラットで手元が軟らかい。
GD え? 何が違うんですか?
長谷部 重量帯が違うのと、あとは真ん中と先の硬さが『モーダス105』とは違い、『モーダス110』は中、先が硬く叩いても打ち込んでも挙動が安定します。
GD 振り感はどんな感じになりますか?
長谷部 『モーダス110』は手元の軟らかさが際立っているので、タイミングの取りやすさが優れているかなという気がしますよね。
GD 地べたにあるボールを打つには、先が走るよりも手元が軟らかいほうが、軌道が安定すると聞くんですが?
長谷部 そうですね。ここはスウィングとのマッチングもあるので一概に手元の硬さだけで決めることはできなんですけど、ドライバーのシャフトにもその傾向が見えてきています。『ツアーAD DI』は手元は軟らかく先端が硬いとか、『ツアーAD PT』は手元も先も軟らかいみたいなところがあって人気のシャフトになっています。
アイアンにもその傾向が出てきています。『モーダスシリーズ』は、手元の硬さのバリエーションが非常に多いので、どれかひとつを試してもらって、何が合わないのかを見つけられれば、次の選択肢が必ずあるのが『モーダスシリーズ』じゃないですかね。
GD 例えば『モーダス120』がちょっと重いから、『モーダス110』にするケースもあるんですよね?
長谷部 そういうケースもたぶんあると思います。
GD 『120』と『110』の基本性能は同じなんですか?
長谷部 違います。ステップの違いももちろんあるんですけど、肉厚の違いなど細かく設計されているので部分的に肉厚を厚くしたり、薄くしたりしています。もっと言うと先端と手元の熱処理でも硬度を変えたりする技術を投入しているので、剛性変化も同じ流れにはなっていませんね。
GD その点、厳密に言ったら違うんでしょうけど、『ダイナミックゴールド』はシンプルで重さとフレックスで分かれて基本的な性能は同じという選び方ができます。
『モーダス』の場合は品番の数字が重量を表していると思うんだけど、性能は数字と必ずしも一緒ではなく少しずつ変わっているってことですか?
長谷部 そうですね。ひとつひとつをきちっと設計しているので、『0シリーズ』と『5シリーズ』の2つの系統には別れてはいますけど、重量で選べば思い通りにスイッチできるのかっていうと、そうではない個性があると思います。
GD うーん。難しいですね。
長谷部 重量が変わると振り感が変わってくる可能性があるんですけど、5シリーズから5シリーズに移行するぶんには、大きく変わらないとみていいかもしれないですね。軽めタイプの中では『115』、『110』、『105』とそれぞれ個性があるので比較して選びたいモデルです。