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●解説/西村至央プロ
アマチュアからツアープロまで幅広いニーズに応えるプロコーチ。ミライズアカデミー代表
前回、80台を出すための条件を教えてくれた西村プロ。さらに具体的にやるべきポイントを聞いていこう。まずは、OBを出さないように「ドライバーを曲げない」ためにはどうすればいいのか。
「方向性が安定せず、ミスショットをしてしまう大きな要因として、上体が起きてしまうということが挙げられます。ティーショットのスライスはもちろん、ダフリやトップなど、上体が起きると頭の
位置がブレるので、いろいろなミスが出やすくなります。こうした大きなミスを防止するためのポイントが“腹圧”です」
「腹圧」にはどんな効果があるのか詳しく聞いてみた。
「体が浮くというのは、お腹を前に突き出す動きでもあるので、それを防止するためにも、腹圧をか
けて、“おへそをへこませる”という意識が大事になります。おへそをへこませた状態でアドレスからスウィングすることによって、適正な前傾姿勢が保たれ、お腹の前にスペースが生じ、手の通る道が
確保されます。ドライバーの場合はフェースの開きが抑えられ、アイアンではロフトが立つので、つ
かまった球が出やすく、安定したショットが打てるようになります」
ドライバーを曲げない→腹圧を意識したスウィングを身に付ける
おへそをへこませて腹圧を意識すれば、適正な前傾姿勢が保たれて、ボールが曲がりづらくなる。上体が起きると、フェースが開いてしまい、右にボールが出やすい。腹圧を意識することで、これを防止できる。ポイントは、ボールの右側におへそを向けてインパクトまで維持すること。さらに、スタンスをクローズにすることで、ボールがつかまりやすくなる。

おへそをへこませる
おへそをへこませるというのが苦手なメタボ気味の男性は、お尻を引くだけでも効果はあるという。
次に大事なのが100Y以内からグリーンを狙うショットだ。80台を目指すなら絶対に乗せたいところ。大事なポイントを西村プロに聞いてみよう。
「100Yからグリーンを狙うウェッジなどのロフトのあるクラブは、左に行きやすいということを頭に入れておきましょう。そこで大事なのがクラブ選びになります。グリーンを狙う時は常に3本のクラブを用意します。
私の場合、52度=球を上げて止める。48度=ニュートラルな打ち方。PW(44度)=手前に落としてから転がす、という3つの選択肢から選びます。52度でピタリの距離の場合でも、風やライに傾斜を加味して、クラブを選択しましょう。ショートアイアンはフルショットをすると左に行くのが怖いので、10時~2時くらいのスウィングアークで方向性を意識してコンパクトに振るということが大切です」
100Yはグリーンに乗せる→コントロールショットを覚える
残り100Yでは、PWやウェッジを選択するケースが多いだろうが、ショートアイアンは左に球が出やすいので、フルショットは避ける。番手を上げることを躊躇せずに、“10時~2時”くらいのスウィングで方向性を重視することが重要。そのためには風やライに影響されないためにも、適正距離のクラブ以外に前後1本ずつクラブを準備し、適切な番手選択をしよう。

フルショットはしない
グリーンを外した時のアプローチは、ミスを最小限に抑えるという選択が必要だ。ライなどの状況
によってはパターやユーティリティを使うことを西村プロはおすすめする。
「安全策としては、パターがおすすめです。手前の芝に食われないように注意すれば、大きなトラブルにはなりにくいです。UTもトラブル回避にはおすすめです。ソールが滑ってくれるのでダフる
可能性が低い。少しロフトがあることで、スピンが入るのでグリーンに乗ってから飛び過ぎ、転がり
過ぎがないです。ミスを最小限に防ぐには有効です」
アプローチのミスをなくす→ウェッジ以外の武器を持つ
グリーン周りのチャックリやトップなどのミスはスコアメイクにおいて、大きな痛手。それを避けるためには、状況判断が重要。SWだとトップやダフるリスクがある場合は、パターやUTを使おう。どちらのクラブもソールが広いので大きなミスが起きにくい。ピンに寄せにいくことも時には必要だが、シビアな状況では“大きなミスを避ける”判断が重要だ。

リスクが少ないクラブを選ぶ
最後の仕上げのパッティングは、構え方がポイントになる。
「まずは距離感が重要なロングパットは、スタンスを広く取りパターを長めに持ち、大きく振る。こ
れで強く打とうとしなくても球足が伸びるので、大きなショートは出にくいです。ショートパットは、スタンスを狭くしてアドレスで腹圧を掛けて体のブレを抑えて打てばカップインの確率が上がります」
3パットをなくす→距離によってスタンスを変える
ロングパットの距離感を合わせることと、短い距離を確実に沈めて、2パットで収め続けることが重要だ。ポイントは距離に合わせてスタンス幅を変えること。長い距離が残った場合はスタンスを広げ、短い距離はスタンスを縮める。テークバックで右足からヘッドが出る幅を一定にすると、距離の調整がしやすい。フォローを取ることで方向性も出しやすくなる。

短い距離なら足を閉じ、長い距離ならスタンスを広げる
80台を出すためのキーホール“短いパー3攻略法”
①ティーアップを高くし過ぎるな!
ティーが高くなることでより左に行きやすくなってしまい、意外とトラブルにつながりやすくなる。短いパー3はなるべくティーは低く設定し、左に行くリスクを減らしてショットしよう。

ティーアップは高くしない
②大きめの番手で打とう!
短い番手でフルショットすると、思った以上に球がつかまり大けがをするケースも。ひと番手大き
めのクラブで10時~ 2時のコンパクトな振り幅で、確実にグリーンオンさせよう。

大きめの番手がいい
西村プロが教えてくれたポイントをクリアできれば、80台が見えてくるぞ。
TEXT / Masaaki Furuya
PHOTO / Yasuo Masuda
THANKS /葉山国際カンツリー倶楽部
※週刊ゴルフダイジェスト2月11日号「80台を出すためにやるべきこと&やってはいけないこと」より一部抜粋