▶まずは前回の記事を読む

解説/堀越良和プロ
試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属
人気グリップ5モデルの試打
堀越プロによる、現在人気の5つのグリップの試打を行った。最初は握ったときの感触から。主なチェックポイントは、「硬さ=しっかり感」、「フィット感=しっとり感」だ。
「『しっかり感』があったのはMCCですね。『しっとり感』を感じたのはNO1、エリートです。ツアーベルベットは、その中間という感じで、イオミックは『しっかり感』も『しっとり感』強いです。良し悪しはありませんが、力が入っちゃうという人は軟らかいグリップのほうがいいかもしれないですね」
さらに、イオミックとエリートは握ったときに少々細く感じるので、シャフトとの一体感を感じるという。
「一体感があってコックが入れやすくなり、リリースも早くなる可能性もあるので、つかまった球を打ちたい人にはおすすめです」

グリップを試打
次に、実際に球を打ったときの感触をチェック。トウヒットしたときの結果を紹介しておこう。
「5つのグリップはすべて緩みづらいモデルでしたね。傾向としては、日本製の3本(NO1、イオミック、エリート)のグリップ力がより強い印象で、表現するとしたらペタペタ感があるという感じ。
ゴルフプライドの2つ(MCC、ツアーベルベット)はほどよいグリップ感。欧米は手肌が乾燥しやすい人が多いので適度なしっとり感のグリップを好み、日本人の手は保湿性が高いので、どちらかというと強めのしっとり感のあるグリップとの相性がいいでしょう」
定番はこのメーカー! ゴルフプライド
▶人気ナンバー1「ツアーベルベット」(価格/1150円(税込)、素材/天然ゴム)
PGAツアーでも使用率ナンバー1。市販のクラブにも純正グリップとして多く装着されている。「私はこれを長く使っているので、まったく違和感がないです。改めて打ってみても、ほど良いしっとり感としっかり感が両立されたグリップですね。2つの感覚を同時に求めたいゴルファーにはおすすめです」(堀越プロ・以下同)

適度にしっとりした握り心地のグリップ
▶ツアープロも多く愛用「MCC TEAMS」(価格/2750円(税込)、素材/特殊天然ゴム、コード)
グリップするときの右手部分がラバーで左手部分がコード入りというハイブリッドグリップ。「しっかり感が強いので、ハードヒッターとの相性がすごくいいと思います。ツアープロが多く使用するのも納得できますね。左手のコード入りの部分がしっかりホールドしてくれるので、雨の日や汗をかく夏のゴルフにはとても威力を発揮すると思います」

雨の日や夏の日でも安心して握れるグリップ
イオミック
▶女子プロにも人気「エックス エヴォリューション 2.6」(価格/2090円(税込)、素材/エラストマー樹脂)
ソフトな質感でグリップ表面に施されている“エックスパターン”が驚異のグリップ力を実現する。「グリップ表面が吸い付くようなしっとり感が強いです。保湿されている女性の手にはすごく合いそうですね。強めに握ると少し硬さを感じます。モチっと感があるなかに硬さも感じるので、べったりした感覚が好きな男性にもおすすめできます」

エリート
▶カラーバリエーション豊富「Y360°S」(価格/1980円(税込)素材/特殊天然ゴム)
全周シームレス形状によりしっとりした吸いつくような握り心地を実現。5色のカラーから選べるのも魅力的。「しっとり感が強く、グローブに引っ掛かるようなグリップ力を感じます。握ったときにシャフトを感じやすく、クラブとの一体感があるので、テークバックでコックを入れやすく、インサイドにスッとクラブを引ける感じがありますね」

突出したしっとり感で抜群のグリップ力を誇る
NO1
▶最新モデル「プロシリーズハード」(価格/2200円(税込)素材/エラストマー樹脂)
樹脂グリップで世界で初めて、左右の硬度を変えることに成功したグリップ。
「とても高いグリップ力です。少し右手の部分が太いので、右手を使い過ぎる人は動きが抑えられていいかもしれないですね。フワッと握っていても滑らない安心感とそのなかにしっかり感もあるので、緩むことなく思い切ってヘッドを走らせるスウィングができます」

しっとり感としっかり感が両立したグリップ
プロの評価を参考に、この冬、ぜひグリップ交換を!
TEXT / Masaaki Furuya
PHOTO / Yasuo Masuda
THANKS /クレアゴルフフィールド
※週刊ゴルフダイジェスト2月18日号「人気グリップの実力チェック」より一部抜粋