▶早速動画でチェック!
『GT2』ドライバーは、ミスヒットに対する許容性が高く、ボールスピードを引き出す。『スピードリングVFTフェース』により、クラブフェースの外周部を補強・安定させセンターヒット時のボールスピードを最大化させ、最適化されたフェース肉厚のVFTフェースがオフセンターヒット時においても速いボールスピードを維持する、というクラブ。
試打クラブのスペックは、タイトリスト『GT2(10.0度)』、シャフトはメーカー純正の『TENSEI 1K BLUE 55 (Flex S)』。ヘッド体積は460cc、シャフト長さは45.5インチ。使用ボールはいつもどおりタイトリスト『プロV1』だ。

試打した『タイトリスト GT2(10.0度)』 × メーカー純正『TENSEI 1K BLUE 55 (Flex S)』(撮影/有原裕晶)
タイトリストの契約プロの多くが、今回試打をする『GT2』を使用しているという。『TSR』や『TSi』などは、操作性の高い『3』モデルを使うプロが多かったが、なぜこういった流れになっているのかその背景を、二人で話す。
小島: 『GT2』ドライバーは、ロフト8度、9度、10度、11度というラインナップで、今回の試打は10度ですが、見た目どうですか。
癸生川: ロフトが立ってもいず、寝てもいず、フェースもストレートで構えやすいオーソドックスな顔ですね。

癸生川プロが「オーソドックス」と話す『GT2』の顔(撮影/有原裕晶)
小島: タイトリストの契約選手の多くがこの『GT2』を使っています。以前は『3』モデルを使う選手が多かったのが、今は『2』を使う選手が増えてきた。理由は何だと思いますか?
癸生川: ドライバーを打つ時のプレッシャーを減らしたいんだと思います。今はドライバーのトレンドが、ヘッドが大型化して、曲がらない寛容性と低スピン化に向かい、安定かつ距離も出せるという流れになっているのが背景にあるのではと。
小島: そうですね。『2』という許容性があるモデルも、プロが求める操作性があるので、やさしい方向に向いているんだと思います。
癸生川: プロとしてもやさしく飛ばせてコントロールできれば最高ですから。
プロも選択する距離と寛容性を併せ持つ機能を、試打で検証していこう。
では試打開始!
HS42m/s前後でセンターヒット
1.9度右に打ち出してから、弾道は1.4度左に傾いて、7.8ヤード右に着弾した、中弾道のストレートドロー。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●41.7m/s
ボール初速●62.4m/s
打ち出し角●12.2度
スピン量●2577rpm
降下角●37.0度
キャリー●214.4Y
飛距離●236.8Y
打ち出し方向●1.9度右
スピンアクシス●1.4度左
SIDE●7.8Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●4ミリトウ
Vインパクト●0ミリ

タイトリスト『GT2』のセンターヒット時のトラックマン4データ(上)とGCクワッドデータ(下)
癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は、「軽いドロー系で、飛び方がイイよね。これくらいのスピードがこのシャフトには合いそう。42m/sだと思った通りに飛んでくれる印象です」。
HS42m/s前後でトウヒット
1.7度右に打ち出してから、弾道は3.8度左に傾いて、0.4ヤード右に着弾した、中弾道のドローボール。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●41.4m/s
ボール初速●61.9m/s
打ち出し角●11.5度
スピン量●2601rpm
降下角●36.3度
キャリー●213.2Y
飛距離●235.7Y
打ち出し方向●1.7度右
スピンアクシス●3.8度左
SIDE●0.4Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●16ミリトウ
Vインパクト●2ミリ低

タイトリスト『GT2』のトウヒット時のトラックマン4データ(上)とGCクワッドデータ(下)
癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は、「もちろんトウなので、右に出てギア効果で左に戻ってくる弾道なんだけど、曲がりが少ない。芯で打った時との差がほとんど出ていない」。
小島のデータと弾道を見ての感想「思わず打った直後に、『今、ズレたかな?』って言っちゃったくらい、芯を外れていないような飛び方に見えた。でも実際は狙い通り16ミリトウにズレているので、まあまあのオフセンターヒット。それであの弾道ですから、許容性があると言うことなんですね」。
二人のプロは同じように、弾道を見て『芯で打ったのと変わらない飛び方をした』と、トウヒット時の寛容性の高さを口にした。
では、ヒールヒットはどうだろう。
HS42m/s前後でヒールヒット
5.3度左に打ち出されてから、弾道は12.5度右に傾いて、3.5ヤード右に着弾した、中弾道のフェードボール。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●41.5m/s
ボール初速●60.1m/s
打ち出し角●12.2度
スピン量●3329rpm
降下角●39.9度
キャリー●201.6Y
飛距離●219.1Y
打ち出し方向●5.3度左
スピンアクシス●12.5度右
SIDE●3.5Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●23ミリヒール
Vインパクト●0ミリ

タイトリスト『GT2』のヒールヒット時のトラックマン4データ(上)とGCクワッドデータ(下)
癸生川プロの打感と弾道を見ての感想は、「見た目には距離はそんなに落ちていないという印象。かなりヒールに当たったという感触はあるけど、でも結果がそんなにターゲットからズレていない。これがラウンドだったら、ああ良かったという感じになりますね」。
センター、トウ、ヒールで当たったときのデータを小島プロが比較・分析
『ボールスピード』はヒールに当たった時は、芯で当たった時よりも2〜3m/s落ちますが、これはアイアンで1番手くらいの落ち具合です。23ミリもヒール側にズレて、その程度のボールスピードの減少で収まっているということ。トウヒットの場合も0.5m/sしか落ちていない。充分、オフセンターヒットした時の許容性はありますね。
『打ち出しの高さ』はトウに当たった時は、センターヒットした時よりも0.6度低くなりました。ヒールに当たった時は、打点の差を考慮して出した推定値で考えると、センターヒットとほとんど変わりません。これはまあまあ凄いことです。
『スピン量』は、トウヒットの時はセンターヒットの時とほぼ変わりませんが、ヒールに当たった時は752rpm増えますので、スピンが多めのフェードボールという感じ。
『キャリー』と『トータルの飛距離』も、トウヒットした時はセンターヒットした時と変わりません。ヒールヒットになると『キャリー』で12ヤード、『トータル飛距離』で17ヤード落ちてきます。
『SIDE』(サイドトータル:ボールが止まった場所を基準としたターゲットラインからの距離)も、ターゲットにかなり近い距離で、曲がりが少ないことを示していますので、許容性の高さを表しています。
結論

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)、分析を担当した小島慶太プロ(右)
今回の試打では、タイトリスト『GT2』ドライバーのオフセンターヒット時の寛容性を検証したが、二人のプロはどういうタイプのゴルファーにマッチすると思ったのか、聞いてみよう。
癸生川: 『GT2』の10度は、前作よりも距離は伸びだけじゃなく、操作性と寛容性を備えているドライバーになっている。
小島: 『GT2』 はボールスピードも出るし、寛容性もあるクラブ。ロフト選びで、ご自分の弾道の高さに合わせてもらえればいい。タイトリストは難しいと言われていた頃からすると、この『GT2』は、広い範囲のゴルファーがチョイス出来るモデルです。
試打前に触れた、多くのプロが使うタイトリスト『GT2』の飛距離と寛容性の併存はトウヒットした時の数値で証明されたのではないだろうか。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、タイトリスト『GT2』のオフセンターヒット検証以外に、最適クラブスピードの割り出しなども行っている。そちらもぜひご視聴を。
THANKS/アコーディア・ゴルフ技術研究所