
2日間で5アンダーの15位タイで週末へ向かう竹田麗央。明日は笹生優花と同組に
「世界のトップ選手と一緒回れたことはすごく良かったし刺激になりましたーー」
昨シーズンのJLPGAスタッツを確認すると、ドライビングディスタンスが263.19Yで堂々のトップ。竹田麗央は間違いなく、日本では飛ばし屋だ。ただ、米LPGAツアーに置き換えてみると56位相当(2024年)になる。今日一緒に回ったワナセンは261.61Y(62位)、ティティクルは266.95Y(31位)。いわば、竹田と同じくらいの飛距離を持つ選手たちだ。
スタートホール。3人ともナイスショットをした打球はほぼ同じところへ。1ホールだけでは偶然かなとも思ったが、それが2ホール、3ホールと続く。誰かが飛び抜けて飛んでいることはなく、3人が全員ハイレベルな飛距離合戦をしていた(飛距離は260Yくらいだったように見える)。これは日本ではあまり見かけない光景だ。竹田より飛ぶ選手はほぼいないため、竹田がセカンドオナーになることは滅多にない。しかし、この試合では何ホールかは竹田がセカンドオナーとして2打目を打っていた。日本で見ていただけに不自然に見えたのだが、竹田自身はどう感じていたのか?

「2打目の精度が全く違くて……。当然ですが、めちゃくちゃうまかった」(竹田)
「そうですね。日本ではない体験でした。ティティクル選手は小さいのに同じくらいの飛距離だし。真芯に当たったときはまだ私のほうが飛んでいることもありましたが、少しでもズレると私のほうが飛ばない。精度は全然2人のほうがよかったです」
精度という意味では今日はスコアに顕著に出た。ティティクルは「64」のビッグスコアを出し、ワナセンも「68」と2日連続の60台。対する竹田は2つ伸ばすに止まった。そのあたりは竹田本人が最も強く感じている。
「当たり前なんですけど、すごく上手でした。飛距離は同じくらいでも、そこからのショットがまったく違う。同世代なのにこんなにうまいんだと思いましたし、とても刺激になりました。私ももっと頑張らないといけないなと強く思いました」
それでも、圧倒されっぱなしだったわけでも、見せ場がなかったわけではない。15番はこの日ピンまで約260Yに設定された短いパー4。3人の飛距離なら当然ワンオンが狙える距離だ。
「エッジまで250Yで、思い切り振るとちょっと強すぎる感じがしたので、落ち着いて普通に振りました」という打球は狙い通りエッジにつけて楽楽バーディを奪った。それだけではない。飛ぶ選手というのは“曲がる”リスクをともなっていて、初日に「少し荒れていた」というドライバーショットがこの日はことごとくフェアウェイをとらえた。

現地メディアのインタビューで竹田ことを聞かれ、「もちろん知っていた。すごくいい選手よね」と答えたティティクル
「昨日、アドレスでちょっと左を向きすぎているかなぁという感覚があった。今日は気持ち右を向くらいにしたら、ちょうど良くなりました。アドレスの向きを変えたことが良かったんだと思います」
世界のトップを目の当たりにし、自身のやるべきことが見えたような受け答えだった。竹田にとって今日の体験は18ホール分以上のものなっているに違いない。
撮影/姉崎正