2月20日から23日の日程でタイで開催されている「Honda LPGA THAILAND」の3日目。昨年、「アムンディ・エビアン選手権」でメジャー優勝を果たした古江彩佳はラウンド中の“ある修正”で5つスコアを伸ばしたという。現地で取材している月刊ゴルフダイジェスト編集長が聞いた。
画像: 「ドローばかり打っていると体に偏りが出てしまうので、フェードを打つ練習もしています」(古江)

「ドローばかり打っていると体に偏りが出てしまうので、フェードを打つ練習もしています」(古江)

この日5つスコアを伸ばした古江。ラウンド後のインタビューで、好スコアの要因を聞かれると「最初にボギーはきてしまいましたが、思い切ってショットを打とうと心がけてからよくなってきました」と話した。こちらから見ていると、古江のプレーはいつもリズム良く、思い切ってショットを打っているように感じるのだが……。

「ショットに関して、自分の中で『なんかちょっと違うな』みたいな、思い切りいけていないわけではないんですが、変な感覚があったんです。私は持ち球がドローなんですが、ドローを意識し過ぎているというか……。6番でバーディを取ったホールだったかな、そこで一度フェードを打って、そうしたら感覚がすごく良くなったので、思い切りいけるかなという感覚になりました」

古江は、右に打ち出してスッと戻ってくる、まさにお手本のようなドローボールを放つ。それは彼女の中で“自然”なのだが、その曲がり幅を意識しるぎることで、ピンを狙うショット、特にショートアイアンの感覚に問題が発生したという。確かに、ドローを意識して右に打ち出そうとすると、少なからず体の動きも変わってくるはずだ。古江自身も球筋を意識するあまり、無意識のうちに体が反応してしまっていたのかもしれない。「ドローを意識し過ぎて右に抜けるミスもありました」と話すように、結果、ピンに対して“思い切り”攻められなくなっていた。

「感覚的には本当に少しなんですけど、フェードを打ちました。ロングアイアンなどの長い番手ではやりませんが、ショートアイアンでは抑えめというか、少しフェード気味の感じで狙ってみました。そのショット後、感覚がすごく気持ちよかったので。あまり“ドロー”と考え過ぎずに、ピンに対して真っすぐ狙って行こうと思いました」

その感覚が戻ってくると“精密機械”のようなショット力は当然、戻ってくる。

「イーグルも取れましたし、ボギーのあと、ショットが修正できてからはいい流れでできましたし、気楽に回ることができました。暑さも初日よりはマシでしたし、そのあたりの対応もできているかなと思います。明日は上に行けるだけ行きたいと思ってプレーします」(古江)

画像: 正確なショットは健在。明日も“いい感覚”でできれば上位に顔を出すこと間違いなし!

正確なショットは健在。明日も“いい感覚”でできれば上位に顔を出すこと間違いなし!

練習中ならまだしも、試合中に自分の持ち球と逆の球を打ち修正する。そして、その修正方法が“引き出し”に入っている。だからこそどんな時でも大崩れせずコンスタントに成績が出せるわけだ。さらに言うと、その“引き出し”にはたくさんのものが入っていて、その時どきにあった“それ”をチョイス。しっかり修正し、結果を出してくる。古江の強さの一端を見た気がした。

撮影/姉崎正

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