▶早速、『GT4』の検証を動画で確認する
GT4は、タイトリスト史上最もロースピン性能を追求したドライバー。普段バックスピンが多く飛距離をロスしているプレーヤーに対し、ソール前後に配置した“シュアフィットウェイト”を調整することで、バックスピンを最適化。風に負けない安定弾道を生み出すとともに、ややコンパクトなヘッドにすることでプレーヤーに自信と抜群の操作性をもたらすモデルだという。
試打クラブのスペックはタイトリスト『GT4 ドライバー(10.0度)』、シャフトはメーカー純正『TENSEI 1K BLACK 65(Flex S)』。ヘッド体積は430cc、シャフト長さは45.5インチ。試打ボールはいつもどおり『プロV1』。

試打したのはタイトリスト『GT4 ドライバー(10.0度)』×メーカー純正シャフト『TENSEI 1K BLACK 65(Flex S)』
小島: シャフトは純正なのに65なんですよね。なかなかハードだなと思いますけど。見た目はどうですか?
癸生川: 小さいね。
小島: 大きさは430ccですから、今の時代ではかなり小さいヘッドですよね。メッセージとしては、最もロースピン性能を追求したモデルということです。
癸生川: それは見た目から分かります。ディープフェースで、スピンが減りそう。構えた時にフェースが右にも逃げていないし、つかまらないという印象は少ないかな。
小島: 歴代の『4』のファンって凄いニッチだったりして。でも一定層のファンっているんですけど。ちょっと見せて。(癸生川プロからクラブを借りる)けっこう特殊な顔をしていることってあるんだけど、そうでもないね。けっこう『2』、『3』、『4』って並んで選択できるのかな。
癸生川: かもね。まあ、打ってみてだね。
では試打開始!
HS45m/s前後で打ってみる
癸生川: 素振りで重さ感じる。思ったよりも球は上がってくれるなぁ。見た目の印象より。ただ思ったより、つかまる要素は少ないというのが第一印象です。左は絶対嫌だと言う人にはいいと思うね。
小島: 弾道を見るとつかまりづらい印象はありますね。ある意味左をケアできると言うか、それはすごく特徴的なヘッドかなと思います。
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●44.8m/s
ボール初速●66.3m/s
打ち出し角●13.0度
スピン量●2404rpm
降下角●36.8度
キャリー●232.1Y
飛距離●255.7Y
打ち出し方向●0.6度右
スピンアクシス●8.4度右
SIDE●16.3Y右
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●4ミリヒール
Vインパクト●5ミリ高

HS45m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ
小島: スピン量が2404rpm、落下角度が36.8度なのでフェードが入っていてもそんなに高すぎず、ちょうど良い弾道だと思います。アクシスは8.4度右に傾いているので、ちょっとつかまっていないなっていう感じですね。そのスピードで振っててシャフトの感じはどうですか?
癸生川: 結構しっかりしている。手元が硬い感じがある。
小島: もっとしなって欲しい?
癸生川: もう少ししなってもいいかなって思う。重さはそこまで重いなっていうこともないし、しっかりはしているけれどね。『GT4』を選ぶ人には良いシャフトだと思う。先中くらいがしなっている感じがする。
次に、適正スピードを探るために、ヘッドスピードを落として40m/s前後で試打をしてみた。
HS40m/s前後で打ってみる
弾道を目で追っていた癸生川プロが突然、「(弾道を見て)いやぁ~、そうなりそうな気がした。上がり切らない。スピン量が減って」とコメント。実際に数値を見ていくと、
【トラックマン4のデータ】
クラブスピード●40.7m/s
ボール初速●60.8m/s
打ち出し角●9.7度
スピン量●1773rpm
降下角●23.4度
キャリー●182.1Y
飛距離●223.5Y
打ち出し方向●1.9度左
スピンアクシス●3.0度右
SIDE●3.0Y左
【GCクワッドのデータ】
Hインパクト●9ミリヒール
Vインパクト●4ミリ高

HS42m/s前後でセンターヒットしたときのトラックマン4(画像上)とGCクワッド(画像下)のデータ
小島: 打ち出し角が9.7度、スピン量が1773rpm、まさに最もロースピン性能を追求したモデルと言えます。
実際はそんなに悪くないんですけど、弾道としてはかなり低い。『GT2』や『GT3』は8度、9度、10度、11度のラインナップがありましたけど、この『GT4』は10度より寝たモデルがない。もちろんカチャカチャで寝させることはできるけど、メーカーの意図としては、このヘッドを選択する人は、ある程度のヘッドスピードも必要で、球がつかまえられるということも必要ということだと思います。そういう限られた層に集中しているモデルなんだと思います。だからさきほど言った『GT2』、『GT3』、『GT4』の並びではないと思います。シャフトもいきなり純正で65Sをもってくるわけです。それで11度がないということを考えると、やっぱりターゲット層が違いますよね。
癸生川: 本当に振れる人用って感じがする。
小島: 振れて、ちょっと左行くのに悩んでいて、スピンも多くて、みたいな。けっこうニッチな層だと思いますね。
癸生川: そういう人にハマりそう。さっきウォーミングアップで打った9度はさらにつかまらなくて、上がらなくなる。僕は使えないなって思った。
小島: かなり限られますね、9度は。それでさらに8度もあるんですから、なかなかの層を狙いますよね。
結論

試打を担当した癸生川喜弘プロ(左)、データ分析を担当した小島慶太プロ(右)
癸生川: 上級者向けのヘッド、クラブかなと思います。且つ、自分の思った通りの球を打ちやすい。そういった打ちこなしが出来る人に最適なクラブだなって思います。
小島: ある程度芯に当てられる人。あとスピンが多くて減らしたいと思っている人、そしてつかまり過ぎて左が嫌と思っている人、そういう人に試してもらいたいと思います。
みんなのゴルフダイジェストYouTube「みんゴル試打班ガチギアトラック」では、タイトリスト『GT4』のオフセンターヒット検証を実施しているので、より詳しく知りたいという人は、そちらもぜひご視聴を。
THANKS/アコーディア・ゴルフ技術研究所